スマ学200のお題
36.伝言ゲーム
「あー、やっと数学終わったああ……」
休み時間。
ようやく教師が教室から出ていけば、ロイはぐったりと机の上に突っ伏して。今回、抜き打ちテストがあったのである。
「ロイ、伝言ゲームでもやらないかい?」
「お、いいじゃん」
マルスの提案にロイ、復活。
「じゃ、メンバーはっと……」
選ばれたのはファルコ、フォックス、ネロ、リム、ゲムヲ。ロイで始まり、マルスはフォックスとネロの間に、最終的にゲムヲがノートに伝言を書き出す寸法である。
「男子だけでやりなさいよ」
「まあまあ。じゃ、俺から始めっぞー」
ぼやくリムを宥めつつ、ゲーム開始。
まずはロイが隣のファルコの耳元に口を寄せるようにして伝言。すると、何故かファルコはたちまち顔を真っ赤にして、
「言えるかっ!」
「で、でもこれ、ゲームだからさ」
ファルコはきっと睨み付ける。
「っ……、フォックス」
「ん?」
結局、諦めてファルコは伝言。
「……成る程な」
「っるせえ! さっさと次に回せ!」
フォックスはくすくすと笑って。
「何なのかしら」
「そこ、さっさとしろよな」
「はいはい……」
マルスはネロに伝言。
「好き、大好き、愛してる」
そういうことか!
ネロはぱっとリムを見遣り、マルスを睨み付けて。マルスはにやにやと指差す。
「待たせちゃ悪いよ、彼女。……」
結局、ゲムヲに伝わったのは。
『スキー、台拭き、アイスクライマー』
「何でだよ!」
予想通り。一番不服そうだったのは素直に伝言したファルコだったとか何とか。
「やっぱ暫くは無理だな」
「放っとけ!」