スマ学200のお題


35.正直



昼休み、保健室にて。

「うおぅ!?」

保健医のマリオは驚愕した。

現れたダークウルフが頭からだらだらと血を流していたのだから当たり前である。

「すみません」
「いやいいからそこ座れ!」

治療しなければ。とりあえずマリオはダークウルフを椅子に座らせて。……


「で、どうしたんだ」

治療を終えると、マリオは訊ねて。

「ちょっと転んで」
「分かりやすい嘘をつくな」

教師として知る権利がある。するとダークウルフは観念したのか溜め息を吐いて。

「……クラスの連中が、恋と愛は違うもんだって。同じように恋と憧れも」

このパターンは。

「そうなると、愛と憧れなんて天と地の差になる。番長に対する感情は愛なんだ」

やっぱりか。マリオは既に呆れたような顔で話に耳を傾けていて。

「だから、俺は」


――番長! 結婚してください!


「蹴られました」
「当たり前だろぉぉ!」
「授業中だったのがいけなかったのか」
「それ以前の問題だろぉぉ!」

正直過ぎるのも、どうだろう。
 
 
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