スマ学200のお題


33.逆



――それは夏場、頻繁に訪れる恐怖。

「ぎゃああぁあ!」

昼休み、すま組の教室に悲鳴が上がった。

「こ、こっち来んなああっ!」

何処からやって来たのかは知らないが、奴が現れたらしい。黒光りする体に素早い動きは、もはや全人類の敵である。

「貴様っ、何とかせんか!」
「む、無理」

クッパが背中を押すが、カービィも奴だけは苦手なのか必死に首を横に振る。

「ええか? 廊下に出したらあかん!」

ドンキーが戸を閉めると、遂に奴は壁を駆け上がり、羽音を響かせ飛び回って。

「こうなったら……ウルフ、銃を!」
「てめえがやりゃいいだろ!」


ばちっ


先程まで教室を飛び回っていた奴は、黒焦げになって床に墜落した。電撃を放ったピチカはやれやれと息を吐き出して。

「はいよ、お疲れさーん」

ローナは箒と塵取りを差し出す。

「ありがとっ」
「全く。これだから男子は……」

このクラス、逆である。
 
 
33/146ページ
スキ