スマ学200のお題


31.ツンデレ



「番長っ!」

朝。登校の時間、何故かこそこそしているスピカを見つけ、駆け寄ったのはダークウルフである。スピカは慌てて、

「なっ何だよ!」
「何……、あ。イメチェンですか?」

見れば、スピカは前髪を一括りにして反らし、ピンを使って留めている。が、朝は時間がなかったのだろう、少々雑である。

「わ、悪いかよ」
「いえ。ですが、せっかくなんですから」

ダークウルフは直してやろうと手を伸ばす。が、ここでもスピカは慌てふためいて、

「い、いいっ! 後で直す!」
「でも、せめて教室に入る前に」
「ばっ」

ダークウルフが無理矢理ピンを外すと。

「ぁ」

下りてきたスピカの前髪はぱっつんで。

「……自分で切りました?」
「ぅ」

スピカは前髪ごと額を片手で覆い隠しながら口を開いたが。頬を赤らめ、ぱっと顔を背けてしまえば恥ずかしそうに。

「見る、な……っあほ……」

――これが、噂のデレか。

「番長」
「何だよ」
「今日はそのままで」
 
 
31/146ページ
スキ