スマ学200のお題


30.口笛



「ルーティって口笛、吹ける?」

唐突だった。

「え?」

三時間目の数学を終えた後の休み時間、ロイとカービィが揃ってルーティの元へ向かい、そんなことを訊ねてきたのだ。

「だーかーらぁ、口笛っ」

そう言って、カービィは口笛を吹く。

「音痴とか関係ないんだね」
「何それ」
「まあまあ、いいからさ! ほらルーティ! いっせーのーせっ!」

そうやって言われてはせざるを得ないということで、ルーティは教科書やノートを仕舞ってから、唇を尖らせて。

「……ふ、……ひゅ、ふ」

吹けない。

「ひゅうぅ……っ!」

瞼を瞑り、ムキになって頑張る彼には悪いが、これがたまらなく可愛いのだ。

「はい、戴きました」

間もなく、携帯カメラのシャッター音。

「……、へ?」
「ルーティってばちゅーしてるみたい」
「かっわいーなぁ」
「う、ぁ」

ルーティは大きく息を吸って。

「ばかー!」

その後、何故かルーティは上手に口笛が吹けるようになったとか、何とか。
 
 
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