スマ学200のお題
28.恋
昼休み。ここはダー組の教室。
「こっち見んな」
ふと、手を止めて此方をじっと見つめてくるダークトゥーンに、ダークリンクはふいと目を逸らし、先手を取る。
「……気になることがある」
「気にすんな」
「恋、についてだが」
ダークリンクは目を丸くして。
「……お前、好きな奴でも出来たのか」
「勘違い乙」
「午後の授業は欠席でいいんだな」
指の骨を鳴らすダークリンク。
「恋とは、時に病だと例えられるが」
黒いオーラを纏う彼を気にせず、膝の上に手を置いてダークトゥーンは顔を上げる。
「病が、治ったらどうなるんだ」
――恋の病が、治ったら?
「……そう、だな」
そりゃあ、恋に冷めたってことはその対象に興味が無くなったって意味だろうが。
それは、幼い彼には少し酷な答えだ。
「多くは治るんじゃなく、感染する」
ダークリンクは椅子に座り直して。
「で、感染した相手と互いに接触したら、愛というウイルスが……って何言わせ」
「成る程分からん」
「……お前もう二度と聞くなよ」
ダークリンクは赤くなった顔を背けた。