スマ学200のお題
17.元凶
レイアーゼ学園。
珍妙で問題児ばかりが通うこの学校が未だに廃校という最悪の事態に陥らないのは、それでいて生徒たちが優秀な成績を挙げているからである。……とはいえ。
「何か禁止するべきだと思うんだが」
校長室。校長のマスターは厚みのあるクッション素材の椅子に腰掛けていて。
「いいね。何を禁止しよっか」
教頭、クレイジーはマスターの目の前の机の上に腰を下ろし、笑みを浮かべる。
理事長のタブーは首を捻って。
「……ふてきせつな、げんどう」
「一人消えたね」
「息さえ出来なくなるからやめとけ」
誰とまでは言わないが。
「ひだりて」
「殴っていい?」
「ふてきせつだよ、クレイジー」
「これは適切な判断、だ!」
机の上に置いてあった地球儀を掴み、タブーに投げ付ける。ひょいと躱すタブーに苛立ち、クレイジーはムキになって。
「この、このっ!」
次々と物を投げ付けるクレイジーに。
「ひだりては、きんしだよ」
「喧嘩売ってるだろ!」
……何かを禁止するよりも。
「職員の見直しが先、か」
乱闘を前に、マスターは溜め息を吐いた。