スマ学200のお題
16.ひそひそ話
「だっ駄目だよ、ロイ。授業中なのに」
「いいだろ? ほら、見せてみろよ」
後ろから聞こえてきた話し声に、ルーティはぴたりと手を止めた。今は国語の授業中、担当教師のワリオは気付いていない。
「や……ッ見ちゃ、駄目だってば」
「へえ。その割には抵抗しないんだな」
この声はカービィとロイである。
不思議と心臓が高鳴り、後ろが気になって仕方ない。が、振り返ったら負けだ。
「ぁ、待っ……!」
「好き者だな。もう限界じゃねえか」
ロイのくすくすと笑う声に、カービィは言葉を詰まらせている。誰も振り返らないで授業に集中してるんだ、我慢しなくちゃ。
「欲しいんだろ? 出してやるよ」
あーあー、聞こえない聞こえなーい。
「いっ今は……だ、め……ッ!」
授業後、休み時間。
「お前がBL漫画描いてたとはなー」
「うっさいなぁ」
「ま、俺も貸しがあったし」
「奢るのはいいけどお金くらい後でよかったのに……ま、助かったけどねぇ」
勝った!
やっぱり普通の会話だったんだ。意地でも振り返らなかった自分に乾杯っ!
「何を赤くなってんだ、てめえは」