スマ学200のお題


151.戦争



「プッキーとポリッツどっち派?」
「へっ?」


十一月十一日。


「いや別にどっちでも」

昼休み。すま組の教室にて。

「どっちか選ぶなら?」

今日この日にあやかってそんな質問を投げ掛けてきたのはそのどちらもを両手に迫るカービィである(ちなみにプッキーとポリッツとは語感で察していただきたいところだが言うなれば長細い菓子を代表するあれらである)。弁当を食べ終わって残りの時間何をしようかと考えていた矢先にこれ。ロイは一旦弁当箱を仕舞うのは後回しに腕を組みながら頭を悩ませる。

「……強いて言うなら」
「ポリッツだよね」


いつもの。


「えー?」

ぽんと後ろからロイの肩に手を置きながら話に割り込んできたのは言わずもがな。振り向けず、表情の窺えないマルスに対してカービィは意味深に笑み。

「ロイはコッチ派でしょ」

そう言って。カービィはプッキーのビスケット部分から先端にかけて舌先を滑らせ──

「俺、トップォ派だから!」


……。


「そーなんだ」
「ごめんなどっちかじゃなくて──」
「たけのこの故郷ときのこの森林どっち派?」

おい。

「僕きのこー」
「君とはつくづく馬が合わないね」

火花が散っている(気がする)。

「おぉお、俺っ、すぎのこ町派だから!」


………………。


「こし餡と粒あん」
「白餡派!」
「大判焼きと回転焼き」
「ベイクドモチョチョ派!」
「シチューはご飯に?」
「カレー派!」

何なんだよ!

「てかっ、旨けりゃどっちでもいーだろ!?」

いつの間にか肩を並べて見つめる二人にロイは息を切らせて大正論。何をムキになってんだか知らねーけど食べ物でくだらない戦争起こすなよな……!

「"うまければ"ね」


ん?


「それはどちらの意味だい?」
「どっちもでしょ」

俺の勘が言っている。

事態は間違いなく悪い方向に進んでいると。

「あの、お二人さん?」

差す影が怖い。

「じっくり味わってから決めてもらわないとね」
「どっちでもいーわけないんだからさ?」


だからどうしてこうなるんだよ!


「ロイ君は図書室派? 保健室派?」
「選ぶわけないだろ!」
「無難に中庭辺りでいいんじゃないか」
「えー、僕外なら屋上派ー」
「どっちも駄目だろ!」


腹の中で黒い思考を渦巻かせる二人に引き摺られていく彼に助け舟を出せるような勇者はおらず。

戻ってきたのはホームルーム前だったとか何とか。
 
 
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