スマ学200のお題
15.エイプリルフール
「私はマゾじゃない!」
机を平手で叩き、席を立つのはリオン。
分かりやすい嘘である。今日は誰もがエイプリルフールだと知ってるし、彼がマゾだというのは自他共に認めている。
「いやマゾだろ」
「違う! 私は純粋だ!」
机の上に頬杖を付き、呆れ顔で突っ込むファルコを勢いよく指差し、あくまでも否定するリオン。クッパはふんと鼻で笑って。
「残念ながら貴様は変態だ」
「何をっ!」
「万年発情期のわんちゃんだろう」
「そっそんなことはない!」
いつまで続くのか。
ユウは遠目に眺めていた。カービィはさりげなく隣に並ぶと、くすくすと笑って。
「バレバレな嘘だよねぇ」
「あれはわざとだ」
えっ?
「嘘を暴いてもらうことで快感を得ているだけだ。公開羞恥、というヤツか」
ある意味賢いな。イベントの使い方が。
「全く。だから奴は好きになれん」
「それも嘘?」
訊ねた瞬間、何故か沈黙が訪れた。