スマ学200のお題
149.センサー
「そーいえば僕ケータイ変えたんだよねー」
昼休み。
「お前まだガラケー使ってたのかよ」
食堂での食事を終えて適当にぶらぶらとあてもなく廊下を並んで歩いていれば不意にそんなことを言い出すのでロイは呆れたようにカービィを振り返る。
「別にいいじゃん」
「ま、そっちに金かけるタイプじゃないよな」
「そうそう。そーいうわけだから番号教えてよ」
カービィは端末を取り出しながら。
「上手いこと引き継ぎできなくて連絡先諸共データ飛んじゃったんだよねぇ」
「今? 俺携帯教室に置いてきたんだけど」
ロイは眉を寄せつつも思考を巡らせる。
「何だっけな。……002……003……だっけ」
「何か言った……?」
殺気。
「きききき教頭センセ!?」
急に背後に立たれたのではそんな声も出る。ロイとカービィが振り返ればそこにはハイライトを失せた赤黒い瞳で見つめるクレイジーと普段よりか遥かに冷たい絶対零度の空気を纏ったマスターの姿が。
「れ、連絡先交換してただけですけど」
それでもだんまりはいけまいと何とか声を振り絞るカービィにロイは赤べこ。
「そう……でも、その番号やめたら……?」
クレイジーはまるで人形のように一切瞬きをしないままそれでいて真っ直ぐ無感情に見据えながら。
「不吉なことが起きても知らないよ……?」
……。
「何だったんだ……?」
「さぁ……」
マスターとクレイジーが立ち去った後でひと息。
「……まぁいいや」
カービィは気を取り直して、
「教室戻ってからでいいから教えてよ。そんでこないだ編み出したテスト高得点のコツ教えてあげる」
「何だよそれ」
ロイは笑いながら。
「どうせそれただのカンニング──」
「何か言ったかな?」
心臓ログアウト。
「……!……!」
いつの間にか満面の笑みで後ろに立っていたロックマンにロイは今度こそ声が出ない模様。
「す、するわけないじゃん」
「これは失礼。単なる聞き間違いだったようだ」
カービィが否定すればロックマンはあっさり退場。
「な、な、何なんだよさっきから!」
「ああいうのって予め壁に背中向けてたらどっから現れるんだろーね」
「何言っても反応するじゃねーか!」
「今何でもするって」
「っぎゃー!?」
センサー過多。
「いつからいたんだよリオン!」
「教室を出て食堂でカレーを頼んだ時から……」
「最初からじゃねーか! こえーよ!」
「ちなみにロイ殿の番号は」
「言うな言うな!」
「うちの学校の連中地獄耳すぎない?」
うっかり発言にはご用心。