スマ学200のお題


141.フォークダンス



フォークダンスといえば、体育の授業で謎に存在するアレである。正しくは世界各地で踊られる土着の踊りの総称で『心をひとつにする』という目的があるそうなのだが思春期真っ盛りの少年少女からのブーイングが多い科目の一つなのが現実。

「……ほら」

ロックマンは優しく柔らかく笑いかける。

「お手をどうぞ。レディ?」
「僕は男だよ」


体育の時間。この日は合同授業に加えてフォークダンスを行うということでエス組とすま組が体操着に着替えてグラウンドに出ていた。

「あんた、踊れるんだ?」
「パックマン歌が無理なだけですけど」
「すすすすみませんこんな陰キャオタクが」
「大丈夫かい? ほら、足元を見て」
「は、はひ……っ」

そんなやり取りが四方八方。


「……最高だわ……」


ぽつりと呟いたのは今回何故か体操座りで見学をしている様子のピーチ。

「体調が悪かったんじゃなかったの?」
「見ての通りよ」

訊ねるデイジーにピーチは拳を握りながら。

「合法的に新たなカップリングを拝められて健康にならないはずがないわっ!」


いつもの。


「それ……解釈違いを起こさないの?」
「公式の嫁旦那による嫉妬までがデフォよ!」


ちなみにこの日の授業を終えた後、不思議と開かない教室や倉庫が──というのは彼女による信憑性の低い妄言なのであしからず。
 
 
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