スマ学200のお題
123.病原
「スピカって好きな人いないの?」
「ぶっ」
飲んでいた牛乳も噴き出す昼休みのこと。
「そんなに嫌いなの? 牛乳」
ルーティはきょとんとした。
「お前が変な質問するからだろーが!」
今日は屋上に先客がいるとのことで階段の踊り場。寝坊した日は決まって惣菜パンを昼食に選ぶスピカは大好きな妹の恋路を心配(妨害)する割には自分の事は少しも気に留めない。それはそれで構わないのかもしれないが沢山の矢印が向いていることを知っている以上、彼がというよりはその周りが哀れに思えてくる。
「いねーよ。別に」
遅れてスピカは質問に答えた。
「あんなに好かれてるのに」
「あいつらのことか?」
無論ダークシャドウのことである。
「強いて言うなら?」
「はぁ?」
単なる好奇心。
「いや別に」
期待の眼差しを向けられれば顔を背けて。
「……フォックスはチャラすぎるし、……ファルコは嫌味言ってくるし。……ミュウツーはシンプルに気味悪ィし……ロイは割とこえーし」
ことごとく予選落ち。
「ダークウルフは?」
「あいつはそんなんじゃねーよ」
これまたあっさりばっさり。
「あいつは恋人ってより従者というか忠犬だし、マルスはめちゃくちゃ不気味だしルカリオは」
「……スピカ」
視線を感じた時には時既に遅し。
「そう、ですよね……期待、してました……」
「俺ってそんなチャラいかなー」
「番長を……怖がらせてしまった……」
ギャラリーの纏う負のオーラときたらもう。
「選んであげたら?」
「そういうところだしな」
後日。謎の体調不良によりダー組は欠席者が続出したのだとか何とか。