スマ学200のお題


120.シャトルラン



シャトルラン──二十メートル間隔で平行に引かれたライン間を合図音に合わせて行き来する全学生のトラウマである。合図音は一分毎に速くなるので、音についていけなくなり二回連続でラインに到達できなくなった時点で終了というルールだが大抵は目標数を越えた辺りから疲労からわざと離脱するパターンが多い。だがしかし。

「二百」


これである。


「す、すごいね」

既にリタイアしてしまっていたルーティは体育座りでその様子を眺めながらぽつり。

「ロボットだからな」

そう──今回この講堂内で行われているシャトルランを永遠と淡々と走り続けているのは他でもないロボットである。その名の通りロボットであるお陰か疲労を感じないようで全く速度を落とさず記録を塗り替え続けている。

「ソニックならもっといけると思ったよ」
「短距離と長距離は違うだろ?」

それもそうか、とルーティは納得。

「ルーティはどのくらいだったんだ?」
「あはは。躓いて間に合わなくて」

ルーティは苦笑気味に。

「七十二が限界だったよ」
「充分だろ」

ネロが口を挟む。

「こいつなんか二十いってないからな」

親指でレッドを指しながら呆れ顔。

「女子じゃねぇんだから」
「後ろ後ろ」
「そこまでだ!」

スネークが号令を掛けた。

「まだ走れますデス」
「お前たちは放っておくと際限なく走るからな」
「、ってことは他にも居たんですか?」

訊ねるレッドの拳が血濡れている。

「エス組の」
「ああ」

皆まで言わずとも。

「化け物ばかりだな」
「皆も本気出せばもっといくと思うけどね」
「勘弁しろよ持久力女子のこいつでも瞬間火力は化け物かってくらい持て余してんのに」
「だからネロ後ろ」
 
 
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