スマ学200のお題
118.理由
例えば。ふとした瞬間だっていつしかアルバムに挟まれた一枚の思い出になるわけで。
「めっちゃ可愛くない?」
パックマンの家。その自室。
「ん。これか?」
「それボールじゃんふざけてるよね?」
アルバムを広げて自身の幼い頃の写真を見せて思い出を語るパックマンに付き合わされているのはロックマンである。
「こっち! めちゃくちゃキュートでしょ!」
家デートといえば菓子食いながらアルバム見て語らうのがデフォでしょとか何とか。まあ学生服で外を連れ回されるよりは遥かにマシなのだが。
「ロックは写真とかないの?」
「無いな」
きっぱりと。
「ロボットだからな」
「じゃあアルバムとかもないんだ」
「ボルトの写真くらいはあるかもな」
「絶対見ても面白くないじゃん」
たまに。どうしてああもチャラチャラふざけた奴と天才を具現化したような存在の生徒会長が付き合ってるんだ等と言われたりするが。
……理由はある。
「ロック」
ぐいと腕を引き寄せて。
「!」
カシャッ。
「定期的に写真撮ってさ。アルバム作ろうよ」
そのひとは笑う。
「ね。オレって天才じゃない?」
そういうところです。
「おわっ、な、ななななんだよ」
急に抱き締められたパックマンはあたふた。
「いいい言っとくけど今日隣人いるからな!」
「お前は分かりやすいな」
「期待してねーよ! 死ねっ!」