スマ学200のお題


116.妄想



休み時間。

「どうしたんだ?」

窓の外を眺めるルーティにロイが声を掛けた。

「校庭に魔物が入ってきたんだって」

見れば刺股を手に応戦している教師が複数。

「なーんだ、ただの魔物か」
「危ないんだよ?」
「分かってるけどスリルがなぁ」

学園生活に何を求めてるんだ。

「ルーティは妄想とかしたことない?」

ロイは腕を組んで情景を思い浮かべながら。

「教室にテロリスト入ってきたりさぁ」
「わ、分かるっ」

目をキラキラさせながら食い付くルーティ。

「デカい怪獣が学校を襲ってきたり」
「クラス全員で異世界に転生とか」
「そ、そっちは分からないかも」
「結構王道だぜ?」


爆発音。


「がんばれー! スネークせんせー!」
「いけっ! そこだぁー!」

窓を開けて応援するのはピチカとローナ。

「ガノンドロフ先生やるじゃん!」
「魔物がぶっ飛んだぞ!」
「……あはは」

ロイとルーティは苦笑を浮かべながら。

「まあ、そもそも校門を突破できないよな」
「突破できたところで、だよ」

この学園の防犯体制が敵なしにも程がある。
 
 
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