スマ学200のお題


1.教科書



「やべ、歴史の教科書忘れた」

歴史の授業は、担任でもあるガノンドロフが担当してくれている。それなのに教科書を忘れてしまうとは……ロイは溜め息。

他のクラスの連中に借りようにも、直後ガノンドロフが教室に入ってきて。

「はいはい。見せるから机くっ付けて」
「お、マジ?」

隣の席のカービィが気を利かせて、教科書を開いた。「わりぃな」とロイは笑って机をくっ付ける。起立、礼をして着席。

「今日は前回の続き。ハイラルの歴史についてだ……教科書は十六ページ」
「ぶっ」

ロイは思わず吹き出した。

今まさに黒板にチョークを押し当てていたガノンドロフの手が、ぴたりと止まる。

「お、おま……っ落書き、すんなし」
「見て見てバイク」
「何気うめえ……っし、死ねお前」

さすが美術部。

どうやら教科書に載っている歴史人物への落書きが、ツボにはまったらしい。

「ちょ、髭……眉、太っ……」
「こことか力作なんだけど」
「おま、阿呆……近未来意識すんなっ……くく……ば、バイクやめろ……っ!」

腹を抱えて笑いっぱなしのロイ。

「そこの二人」

廊下に立たされたのは言うまでもなく。
 
 
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