唇を尖らせるピチカ。しかし、間もなくして諦めたのか腰に手を当てては溜め息。

「おっ」

ディディーが声を上げると、残りの三人も立ち上がって。彼の視線の先には、ちょうどエックス邸から出てきたマリオの姿。

五人は一斉に構えて。

「出たな！　怪人ハリセーン！」

そう声を上げたのはもちろんディディー。

「説明しよう」

トゥーンはそこにカメラがあるのだと意識して空を見つめながら、人差し指を立てながら何やら説明を始める。

「怪人ハリセーンとは、ボケた人を見ると咄嗟に愛用のハリセンで強烈なツッコミを入れてくる、恐ろしい悪者なのだ！」

トゥーンは説明を終えると、構え直し。

「なんて恐ろしい……気をつけて！　奴には透明人間という手下がいるんだから！」

透明人間、即ちルイージ。

ピチカがまるで分が悪そうに顔を顰めて告げると、残りの四人はごくりと息を呑み。