恋って何でしょう
口を挟んできたのはナチュレだった。
といってもいつものこと。こうやって神様たちはテレパシーを使ってちょっかいを出してくるのだから、厄介というか。
「ピット君も隅に置けないねぇー」
その話し方からもハデスが向こうの世界で、にやにやといやらしい笑みを浮かべているのが分かった。ああ、筒抜け。
「でもあいつ、男ですよ?」
「それも分身ときた」
ナチュレが続ける。
「あぁん、もう! どうしよう!」
ついに頭を抱えるピット。
「ピット、私にいい考えがあります」
「おっ?」
パルテナの発言にハデスは興味津々。
「どうするんですか?」
「接吻をしてみるのはどうでしょう」
沈黙。
「なんと……」
「ちょ、パルテナ様! ボク、一回もチューしたことないんですよ!?」
「ピット?」
すると、パルテナはにこやかに。
「これは命令です」
「ひええ……」
「パルテナちゃんったら、怖いなあ」
「そちが言うか」