恋って何でしょう
「で、今度は何の用?」
構えを解いたところで訊ねてみる。
が、この沈黙だ。問い質すのも面倒なので、とりあえず散らかった所を片付けるべくブラピに背中を向けた、その時。
「……付き合え」
小さな声が後ろから聞こえてきた。
「へっ? ブラピ、何か言った?」
「オレに二度も言わせるな」
相変わらず機嫌がよろしくない。
「付き合えって言っているんだ」
「ボクは別に構わないけど」
単純に出かけたかったのか。
素直じゃないなぁ、と心の中で笑ってピットは振り返る。にこりと笑って。
「で、何処に行くんだ?」
「……は?」
どうやら決まってないらしい。
「お前、意味は分かってるよな」
「そりゃあもう」
数秒の間をおいて、理解。
「重々承知の上であります!」
「なんで敬語なんだよ」
ピットは溜め息を吐き出して。
「ボク、意味を取り違えてましたー、なんて言えなくて……多分、あれって」
「ブラピなりの告白じゃろうな」
「盗み聞きされてる!?」