恋って何でしょう




「あのぅ、パルテナ様?」
「はい。なんでしょう」
「恋って……何なんですかね?」


ここは天界、エンジェランド。

「まあ」

これといった仕事もない、ごく普通の休日での出来事だった。書類の整理をしていたピットが、そんなことを訊ねてきたのだ。

「ピットもそういうお年頃なんですね」
「いえ、何というか」

机と向き合って椅子に座っているパルテナが返すと、ピットは苦笑いを浮かべて。

「お恥ずかしながら、ボク、恋とか愛とかよく分かんなくて……、どうでしょう?」
「どうでしょう、と言われても……」

そもそもどうしてそんな話になったのか。

「やはり、こういう質問には理由がなくては……女神の私でも、答え兼ねます」
「ですよねー」

ピットは持っていた書類を、パルテナの机の上に置いた。それから、声を潜めて。

「……内緒ですよ?」
 
 
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