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「俺が人間じゃないって言ったらどーします?」
机にだらしなく身を預け、頬杖をついたまま駆はそういった。
「……妹さんがいるんじゃなかったの」
彼最愛の妹のことを引き合いに出しても彼はにこりと笑っただけだった。
「で、どーします?」
「別にどうもしないわよ」
私は彼の長い髪をくいっと引っ張った。
「痛っ!」
「痛覚備わってるなんて随分高性能な人外ね」
「そりゃあ科学を超えた存在ですからね」
さらさらの髪を持ち上げると駆の首筋が露出した。
昨日までの修学旅行は光司と士狼と沖縄に行ったらしい。帰って来た時、彼がそう愚痴ったままに日焼けで肌が赤かった。
「まだ痛い?」
人差し指でそこを撫でると悲鳴ともうめき声ともつかぬ変な声が上がった。
「痛い……」
「すごい真っ赤よ」
「日焼け止めも塗ってTシャツ着てたんですけどね」
ふわぁと駆が大きなあくびをした。ちょっと猫っぽい。すぐさま目元が赤く染まるのをみて、もともと肌が弱いのだろうなと思った。眠そうな様子を見て髪を撫でると、駆はもう一度あくびをした。
「先輩、それ眠くなるからナシで……」
「えー?」
持ち上げていた髪を離すと重力に従って彼の背中に広がった。その光景が男の子なのに艶かしくて、さすが色男と呼ばれるだけあると苦笑する。眠そうな本人は完全にオフの様子だけど。
髪ごと背中を撫でているとぱしっとその手を掴まれた。
「眠くなるからやめてって言ってるのに」
「寝てもいいのに」
「今日は久しぶりに先輩に会えたから、やめときます」
「そう」
まだ少し眠そうな目が嬉しそうに細められる。やっぱり色気がある、と思った。一つ年下とは思えないくらい。
「で、俺が人間じゃないとしたら、どーします?」
「こだわるわね」
「大事なことですから」
そっと手を伸ばして触れたシャツ越しの体は生々しい体温を伝えた。駆は少し驚いたように短い声を上げたけど大人しくしていた。
「……こんなにあったかくてどきどきしてるのに、人間じゃないなんて言うのね」
駆の目がちょっと見開かれて、一瞬あとに柔らかく笑う。
「ごめんなさい、嘘だからそんな顔しないで」
「……本当に?」
「本当に。やっぱりちょっと寝ましょう?」
駆は身につけていたネクタイやベルトを外してベッドサイドに丁寧に置いた。私もそれに倣って細々としたものを駆に預けると、駆はそっとそれらの隣にしまった。
「シャツ、よれるよ」
「今日は、気にしません」
飄々としているように見えてとても几帳面で真面目な駆がそんなことを言うのを見て私はすこし驚いた。
「羚さんにバレたら怒られますけど、ね」
「人に完璧を強要しないって言ってたから、どうかしら」
「そんなの、友人だけですよ。あの人、俺が休もうとするといつも無理矢理美化させる……」
ぶちぶち文句を言いながら駆はベッドに転がった。隣にお邪魔すると、細いとはいえ背の高い駆がいるので結構狭い。
「ね、駆。もう一回嘘って言って」
「どうして?そんなに心配?」
「駆はあんまりそういうこと言わないでしょう。本当だったらどうしよう」
駆はそれに答えないで私の髪を撫でた。蕩けた目を私に向けてそれでも何も言わない。
「大丈夫、全部ぜーんぶ嘘です。以上、飯盛駆でした」
その結びに私は夏合宿を思い出した。怪談話の中で駆が話した謎生物の話。この学区は、いや、このスライブセントラルは色々と壁の外と違う。
それらが超科学によるものなのか、もっと別のものによるものなのかはわからないから、謎生物がいようが人の形をした別のものがいようが「スライブセントラルだからなあ」の一言で済まされてしまうかもしれない。
「ごめんなさい、そんな不安がると思ってなかった」
「謎生物のこととか、色々考えた……」
「ついてきちゃうやつでしょう?」
「そう……」
「俺が謎生物だったら先輩、気に入られちゃってついてきてる状態ですもんね」
「駆だったらいいけど……」
「そういうこと簡単に言っちゃダメです」
「ついてきちゃうから?」
「いや、かわいいから」
駆の鼻をむぎゅと掴むとぐぇ、と呻いた。
「ほら、寝ましょう」
優しく背中を撫でられて瞼が落ちる。
暖かい体温とトコトコなる心臓の音が心地よかった。人間じゃないなんてやっぱり嘘だわ、と消えそうな意識の中に思う。だって、こんな暖かくて優しくて色男なロボット、開発した人の気が知れない。
机にだらしなく身を預け、頬杖をついたまま駆はそういった。
「……妹さんがいるんじゃなかったの」
彼最愛の妹のことを引き合いに出しても彼はにこりと笑っただけだった。
「で、どーします?」
「別にどうもしないわよ」
私は彼の長い髪をくいっと引っ張った。
「痛っ!」
「痛覚備わってるなんて随分高性能な人外ね」
「そりゃあ科学を超えた存在ですからね」
さらさらの髪を持ち上げると駆の首筋が露出した。
昨日までの修学旅行は光司と士狼と沖縄に行ったらしい。帰って来た時、彼がそう愚痴ったままに日焼けで肌が赤かった。
「まだ痛い?」
人差し指でそこを撫でると悲鳴ともうめき声ともつかぬ変な声が上がった。
「痛い……」
「すごい真っ赤よ」
「日焼け止めも塗ってTシャツ着てたんですけどね」
ふわぁと駆が大きなあくびをした。ちょっと猫っぽい。すぐさま目元が赤く染まるのをみて、もともと肌が弱いのだろうなと思った。眠そうな様子を見て髪を撫でると、駆はもう一度あくびをした。
「先輩、それ眠くなるからナシで……」
「えー?」
持ち上げていた髪を離すと重力に従って彼の背中に広がった。その光景が男の子なのに艶かしくて、さすが色男と呼ばれるだけあると苦笑する。眠そうな本人は完全にオフの様子だけど。
髪ごと背中を撫でているとぱしっとその手を掴まれた。
「眠くなるからやめてって言ってるのに」
「寝てもいいのに」
「今日は久しぶりに先輩に会えたから、やめときます」
「そう」
まだ少し眠そうな目が嬉しそうに細められる。やっぱり色気がある、と思った。一つ年下とは思えないくらい。
「で、俺が人間じゃないとしたら、どーします?」
「こだわるわね」
「大事なことですから」
そっと手を伸ばして触れたシャツ越しの体は生々しい体温を伝えた。駆は少し驚いたように短い声を上げたけど大人しくしていた。
「……こんなにあったかくてどきどきしてるのに、人間じゃないなんて言うのね」
駆の目がちょっと見開かれて、一瞬あとに柔らかく笑う。
「ごめんなさい、嘘だからそんな顔しないで」
「……本当に?」
「本当に。やっぱりちょっと寝ましょう?」
駆は身につけていたネクタイやベルトを外してベッドサイドに丁寧に置いた。私もそれに倣って細々としたものを駆に預けると、駆はそっとそれらの隣にしまった。
「シャツ、よれるよ」
「今日は、気にしません」
飄々としているように見えてとても几帳面で真面目な駆がそんなことを言うのを見て私はすこし驚いた。
「羚さんにバレたら怒られますけど、ね」
「人に完璧を強要しないって言ってたから、どうかしら」
「そんなの、友人だけですよ。あの人、俺が休もうとするといつも無理矢理美化させる……」
ぶちぶち文句を言いながら駆はベッドに転がった。隣にお邪魔すると、細いとはいえ背の高い駆がいるので結構狭い。
「ね、駆。もう一回嘘って言って」
「どうして?そんなに心配?」
「駆はあんまりそういうこと言わないでしょう。本当だったらどうしよう」
駆はそれに答えないで私の髪を撫でた。蕩けた目を私に向けてそれでも何も言わない。
「大丈夫、全部ぜーんぶ嘘です。以上、飯盛駆でした」
その結びに私は夏合宿を思い出した。怪談話の中で駆が話した謎生物の話。この学区は、いや、このスライブセントラルは色々と壁の外と違う。
それらが超科学によるものなのか、もっと別のものによるものなのかはわからないから、謎生物がいようが人の形をした別のものがいようが「スライブセントラルだからなあ」の一言で済まされてしまうかもしれない。
「ごめんなさい、そんな不安がると思ってなかった」
「謎生物のこととか、色々考えた……」
「ついてきちゃうやつでしょう?」
「そう……」
「俺が謎生物だったら先輩、気に入られちゃってついてきてる状態ですもんね」
「駆だったらいいけど……」
「そういうこと簡単に言っちゃダメです」
「ついてきちゃうから?」
「いや、かわいいから」
駆の鼻をむぎゅと掴むとぐぇ、と呻いた。
「ほら、寝ましょう」
優しく背中を撫でられて瞼が落ちる。
暖かい体温とトコトコなる心臓の音が心地よかった。人間じゃないなんてやっぱり嘘だわ、と消えそうな意識の中に思う。だって、こんな暖かくて優しくて色男なロボット、開発した人の気が知れない。
