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汐さんが長い遠征から帰って来て久しぶりにデートした。土産だと渡されたたくさんのお菓子に目を輝かせる。郁には別で渡してあるから強請られても渡すなと疲れた顔でそんなことを言う。菓子の中に1つ、黒い漆ぬり入れ物が入っていた。フタを開けるとほんのりピンク色の固いクリームが入っている。
「リップクリームですか?」
「?練り香水だが」
「……?香水なんですか」
「知らんのか?これだから最近の若いもんは……」
そんなこと言って、一歳しか変わらないじゃないですか。不満を口にすると余計に日本の文化はどうたらと面倒なことになりそうなので黙っておいた。
「首筋や手首に薄く塗り広げで使うものだ。足首や毛先につけてもいいかもしれん。あまり強い匂いはしないから名前でもつけられるだろう」
「おしゃれですね」
漆に金の絵がかかれていて見るからに高級品だ。今回は京都まで剣道部の遠征に行って来たそうで結果を聞けば圧倒的な全戦全勝。あの超強豪の剣道部で副部長を務めるほどの天才的な剣の腕なのは知っていたけど、こんなに優しげな風貌の人が(ついでに言うと背もあまり高くない)ばったばったと切り倒すのはなんだか不思議だ。相手の部活の稽古に参加し百人斬りを遂げたそうだが見に行きたくてもスライヴセントラルの出入りはそこそこに厳しいために汐さんが本領発揮しているところをあまり見れないのは残念。剣道部のマネージャーにでもなれば部活動ポイントの恩恵も受けられていいのだろうが、超強豪だけあって相当仕事もきつそうだ。
「これ桜のにおいなんですね」
「ああ、そうだ咲いている桜の方も見事だったぞ。葉桜も多かったが、山桜が見事に咲いていてな……」
汐さんの機械音痴は知っているので写真は期待してないし美しい顔に笑みを浮かべる姿が見れたので満足した。山桜はちょっとわからないけど一面の桜ならこの第7学区でも見られたし。桜餅のにおいだなあと思ったけどそんなことを言えばまたくどくどと情緒うんぬんについてお説教をくらうので黙っていた。
「本当にいいにおい。汐さんが歌っていたのを思い出します」
「ああ、あれは……」
あれは楽しかったな。もちろんほかの皆も楽しそうにしていて、皆がそれぞれ本気の歌で競い合って……汐さんが懐かしむような目をした。近頃はあまり歌の練習をしているところを見ないけど、汐さんは剣道部にそれから自ら立ち上げた日本文化研究部に忙しくしているからこれくらいが忙しすぎなくてデートしてくれる余裕もあったりしてちょうどいいのかもしれない。でも。
「また、聴きたいです」
「そうか?名前がそう言うのならまた考えてみよう。日研の3人でコンテストに出る夢も叶っていないわけだしな」
手に取っていないのに練り香水の匂いはふんわりと香り、思い出されるのはやはり昔のコンテストの光景だった。そうだ、新木くんに頼めば山桜や遠征中の写真を送ってもらえるかもしれない。
「次のデートの時は、これつけてきますね」
汐さんはそうしてくれ、良いものは使ってこそだと日本文化の探求者らしくしっかりと頷いた。
「リップクリームですか?」
「?練り香水だが」
「……?香水なんですか」
「知らんのか?これだから最近の若いもんは……」
そんなこと言って、一歳しか変わらないじゃないですか。不満を口にすると余計に日本の文化はどうたらと面倒なことになりそうなので黙っておいた。
「首筋や手首に薄く塗り広げで使うものだ。足首や毛先につけてもいいかもしれん。あまり強い匂いはしないから名前でもつけられるだろう」
「おしゃれですね」
漆に金の絵がかかれていて見るからに高級品だ。今回は京都まで剣道部の遠征に行って来たそうで結果を聞けば圧倒的な全戦全勝。あの超強豪の剣道部で副部長を務めるほどの天才的な剣の腕なのは知っていたけど、こんなに優しげな風貌の人が(ついでに言うと背もあまり高くない)ばったばったと切り倒すのはなんだか不思議だ。相手の部活の稽古に参加し百人斬りを遂げたそうだが見に行きたくてもスライヴセントラルの出入りはそこそこに厳しいために汐さんが本領発揮しているところをあまり見れないのは残念。剣道部のマネージャーにでもなれば部活動ポイントの恩恵も受けられていいのだろうが、超強豪だけあって相当仕事もきつそうだ。
「これ桜のにおいなんですね」
「ああ、そうだ咲いている桜の方も見事だったぞ。葉桜も多かったが、山桜が見事に咲いていてな……」
汐さんの機械音痴は知っているので写真は期待してないし美しい顔に笑みを浮かべる姿が見れたので満足した。山桜はちょっとわからないけど一面の桜ならこの第7学区でも見られたし。桜餅のにおいだなあと思ったけどそんなことを言えばまたくどくどと情緒うんぬんについてお説教をくらうので黙っていた。
「本当にいいにおい。汐さんが歌っていたのを思い出します」
「ああ、あれは……」
あれは楽しかったな。もちろんほかの皆も楽しそうにしていて、皆がそれぞれ本気の歌で競い合って……汐さんが懐かしむような目をした。近頃はあまり歌の練習をしているところを見ないけど、汐さんは剣道部にそれから自ら立ち上げた日本文化研究部に忙しくしているからこれくらいが忙しすぎなくてデートしてくれる余裕もあったりしてちょうどいいのかもしれない。でも。
「また、聴きたいです」
「そうか?名前がそう言うのならまた考えてみよう。日研の3人でコンテストに出る夢も叶っていないわけだしな」
手に取っていないのに練り香水の匂いはふんわりと香り、思い出されるのはやはり昔のコンテストの光景だった。そうだ、新木くんに頼めば山桜や遠征中の写真を送ってもらえるかもしれない。
「次のデートの時は、これつけてきますね」
汐さんはそうしてくれ、良いものは使ってこそだと日本文化の探求者らしくしっかりと頷いた。
