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「光司は私のこと、好きなの?」
「えっ……!好き、だよ」
そのまま照れて俯いたので光司はあんまり言葉を要求されるのが得意じゃないのかなって思った。なんとなくお互いが好きってわかってた上でわたしがはっきりした言葉を迫って、こういう関係になった。だから、その時ちょっとだけ後悔したのだ。あんまり光司に求めちゃいけないのかなって。
光司はやっぱり部活に熱心だし、先生方によく構われるし、円城寺くんや美化部の2人とも仲がいい。光司には光司の交友関係があって、それは私も同じ。そうわかってたはずなんだけど、やっぱり、なんていうか私だって光司に構いたいっていうか……そんな時に「あ、この話題なら光司に構ってもらえるかな」って思い至ったわけだ。この手の話題で構えるのは女の子の私だけだから。
「やーだ、睫毛抜けたー」
「え?」
「見てよ、光司。ごっそりでしょ」
「わっ!どうしたの、こんなに抜けて大丈夫なの?」
人差し指に乗せた睫毛の量に光司が慄いて、ちょっと楽しくなる。
光司は多くが学区内出身の中、2年で天翔学園に転校してきた。私がメンダコのマーチを食べていたところ、そのオマケがきっかけでよく話すようになった。オマケ集めてるんだって。
光司の話を聞くのは楽しい。今まで普通だったことが光司の目を通して伝えられるだけで全然違うもののように思える。部活動ポイントのこととかパフェを食べたことがなかったとか……だからきっとこれも驚くかなって思って。昨日思いついた時は名案だって思った。
「そんなに抜けて平気?痛くなかった?」
オレンジの目が不安そうに向けられて、あーやっぱ知らないんだなって気分が上がった。
「これ、マツエクだから全然」
「マツエク?」
来た、これだよこれ。歌唱部や彼の友人たちが、果ては先生方までもが彼に構いたくなるのは。光司は何やら田舎の本家が変わった仕事を担っているとかで(葛野大路曰く神事的なお仕事では?とのこと)、娯楽にはそれなりの規制があったらしい。パフェしかり。
立場を利用して甘やかす先生方に、鑑香先輩が財力振りかざして構う歌唱部、修学旅行では美化部2年に光司をとられ、挙げ句の果てに円城寺くんは陽太をソウルメイトだと思ってるらしい。彼女なのに完全に出遅れてる私が、構えるのは女子の特権を活かすしかあるまい!!
「睫毛ね、長く多く見せるためにニセモノの睫毛つけてるの」
「つけ睫毛とは違うんだ?」
「つけまよりは自然な感じかなあ」
「へえ……」
どれがニセモノか全然わかんないね、睫毛長いのは女の子だからだって思ってた。と言って光司は私の目元をじっと見つめてから自分の睫毛を見るように目線を上げた。光司の目に写ったオレンジ色の私は不安そうな顔をしていた。
マツエク?もだけどね、って光司ぎもう一回私に視線を移して言った。
「僕はまだ、こっちのことで知らないことがいっぱいあって……」
光司がキュッと手を握って、揃えて両方とも膝の上に置いた。
「こうやって名前ちゃんとか先生方や歌唱部の皆がそれを一緒に喜んでくれるのがすごく嬉しいなって思うよ」
ありがとうって、率直な言葉が嬉しくて眼の奥がじーんと熱くなった。
「私、光司が歌唱部の人とか臼杵先生に構われてばっかりだから、悔しくて……彼女なのにって」
「うん」
「私だって光司ともっと仲良くしたいのにって……」
「うんうん」
「そのくせ光司に気使わせて……」
「そんなことないよ!初めて話しかけてくれた時も、それからこうやって仲良くしてくれて、そ、それとお付き合いしてくれて……すごく嬉しいよ。ありがとう」
光司、優しすぎだよって声に出した途端涙腺が決壊した。えっどうしよう、泣かないでって光司がおろおろするのがおかしくて、泣き笑いみたいになる。
「なら、これからも……光司の初めて、ちょうだい?」
「えっ?!その言い方は、えっと……なんていうか……?!ええっ?!!?」
光司が百面相してるうちに、スカートを翻して席を立った。胸がすかっとした。
「もうっ……」
光司が最終的に困った顔で、顔を赤くしてる。こんな顔見るのは初めてだ。
「名前ちゃん、すぐ簡単にそういうこと言うから……」
「え?」
「日頃から、言い方に気をつけてねってこと!」
陽太ーって廊下から声がして、2人で勢いよく振り向いた。まだ遠いけどこれは五月女先輩。散歩がてら迎えに来たのかな。
「今日歌唱部?」
「あ、うん」
またね、また明日って光司が鞄を取ってブレザーがひらりと風になびいた。
そのまま教室を出るかと思いきや、もう一度私をじっと見つめる。
「な、なに……」
「行ってきます」
顔がぐっと近づいて「ひぁ、」って悲鳴みたいな声が喉から漏れた。限りなく口に近いほっぺに柔らかい感触。
「う、嘘でしょ……」
「こういうこともあるんだから、あんまり簡単に変なこと言っちゃダメだよ!」
怒ってますよっ!って顔を見せて、いつもだったら光司が怒った~って笑えるのに今日のこれは、なんていうかもう、ダメかもしれない。
「えっ……!好き、だよ」
そのまま照れて俯いたので光司はあんまり言葉を要求されるのが得意じゃないのかなって思った。なんとなくお互いが好きってわかってた上でわたしがはっきりした言葉を迫って、こういう関係になった。だから、その時ちょっとだけ後悔したのだ。あんまり光司に求めちゃいけないのかなって。
光司はやっぱり部活に熱心だし、先生方によく構われるし、円城寺くんや美化部の2人とも仲がいい。光司には光司の交友関係があって、それは私も同じ。そうわかってたはずなんだけど、やっぱり、なんていうか私だって光司に構いたいっていうか……そんな時に「あ、この話題なら光司に構ってもらえるかな」って思い至ったわけだ。この手の話題で構えるのは女の子の私だけだから。
「やーだ、睫毛抜けたー」
「え?」
「見てよ、光司。ごっそりでしょ」
「わっ!どうしたの、こんなに抜けて大丈夫なの?」
人差し指に乗せた睫毛の量に光司が慄いて、ちょっと楽しくなる。
光司は多くが学区内出身の中、2年で天翔学園に転校してきた。私がメンダコのマーチを食べていたところ、そのオマケがきっかけでよく話すようになった。オマケ集めてるんだって。
光司の話を聞くのは楽しい。今まで普通だったことが光司の目を通して伝えられるだけで全然違うもののように思える。部活動ポイントのこととかパフェを食べたことがなかったとか……だからきっとこれも驚くかなって思って。昨日思いついた時は名案だって思った。
「そんなに抜けて平気?痛くなかった?」
オレンジの目が不安そうに向けられて、あーやっぱ知らないんだなって気分が上がった。
「これ、マツエクだから全然」
「マツエク?」
来た、これだよこれ。歌唱部や彼の友人たちが、果ては先生方までもが彼に構いたくなるのは。光司は何やら田舎の本家が変わった仕事を担っているとかで(葛野大路曰く神事的なお仕事では?とのこと)、娯楽にはそれなりの規制があったらしい。パフェしかり。
立場を利用して甘やかす先生方に、鑑香先輩が財力振りかざして構う歌唱部、修学旅行では美化部2年に光司をとられ、挙げ句の果てに円城寺くんは陽太をソウルメイトだと思ってるらしい。彼女なのに完全に出遅れてる私が、構えるのは女子の特権を活かすしかあるまい!!
「睫毛ね、長く多く見せるためにニセモノの睫毛つけてるの」
「つけ睫毛とは違うんだ?」
「つけまよりは自然な感じかなあ」
「へえ……」
どれがニセモノか全然わかんないね、睫毛長いのは女の子だからだって思ってた。と言って光司は私の目元をじっと見つめてから自分の睫毛を見るように目線を上げた。光司の目に写ったオレンジ色の私は不安そうな顔をしていた。
マツエク?もだけどね、って光司ぎもう一回私に視線を移して言った。
「僕はまだ、こっちのことで知らないことがいっぱいあって……」
光司がキュッと手を握って、揃えて両方とも膝の上に置いた。
「こうやって名前ちゃんとか先生方や歌唱部の皆がそれを一緒に喜んでくれるのがすごく嬉しいなって思うよ」
ありがとうって、率直な言葉が嬉しくて眼の奥がじーんと熱くなった。
「私、光司が歌唱部の人とか臼杵先生に構われてばっかりだから、悔しくて……彼女なのにって」
「うん」
「私だって光司ともっと仲良くしたいのにって……」
「うんうん」
「そのくせ光司に気使わせて……」
「そんなことないよ!初めて話しかけてくれた時も、それからこうやって仲良くしてくれて、そ、それとお付き合いしてくれて……すごく嬉しいよ。ありがとう」
光司、優しすぎだよって声に出した途端涙腺が決壊した。えっどうしよう、泣かないでって光司がおろおろするのがおかしくて、泣き笑いみたいになる。
「なら、これからも……光司の初めて、ちょうだい?」
「えっ?!その言い方は、えっと……なんていうか……?!ええっ?!!?」
光司が百面相してるうちに、スカートを翻して席を立った。胸がすかっとした。
「もうっ……」
光司が最終的に困った顔で、顔を赤くしてる。こんな顔見るのは初めてだ。
「名前ちゃん、すぐ簡単にそういうこと言うから……」
「え?」
「日頃から、言い方に気をつけてねってこと!」
陽太ーって廊下から声がして、2人で勢いよく振り向いた。まだ遠いけどこれは五月女先輩。散歩がてら迎えに来たのかな。
「今日歌唱部?」
「あ、うん」
またね、また明日って光司が鞄を取ってブレザーがひらりと風になびいた。
そのまま教室を出るかと思いきや、もう一度私をじっと見つめる。
「な、なに……」
「行ってきます」
顔がぐっと近づいて「ひぁ、」って悲鳴みたいな声が喉から漏れた。限りなく口に近いほっぺに柔らかい感触。
「う、嘘でしょ……」
「こういうこともあるんだから、あんまり簡単に変なこと言っちゃダメだよ!」
怒ってますよっ!って顔を見せて、いつもだったら光司が怒った~って笑えるのに今日のこれは、なんていうかもう、ダメかもしれない。
