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恋結びつけて
美化推進部というのは、歴史が浅いながら校内でもランキング上位に位置する大きな部活の1つだ。古くより強豪として知られる陸上部や剣道部と争えば負けてしまうけど、あの部長がいるうちに一回くらいは1位を取りそうな気もする。年末の大掃除とか。
「名前、これ食べるか?」
「あ、ありがとう」
詳しい入手経路は聞いたことがないけど、大きい部活故か美化部経由で士狼がこうやってお菓子を持ってくることがある。今日は焼き菓子をいくつか詰めたやつで、弓道部の鳴子くんが絶賛してたお店のだ。
士狼が包装の赤いリボンを解いてくるくると指に巻きつける。
「おいしーい」
「俺にもひとくち」
「うん」
横から顔を出してあーんを要求する士狼は、なんていうかずるい。自分がどう見えるか、カワイイかカッコイイか模索してる割に素の仕草とかが目を引く。
「うーんうまい。さすが羚さん」
「やっぱり一乗谷先輩なんだ?これ鳴子くんがおいしいって絶賛してたお店のだよ」
「ふーん」
関心なさそうに口を開けてもう1つ、と要求するのでわたしはもう一枚袋から出して士狼の口にくわえさせた。その間手持ち無沙汰な私は、お菓子の入っていた袋の裏側の成分表示を眺めていた。材料は私でも手に入るものばかりなのに、同じレベルのものを作るのはとても難しいだろう。
「右手かして、」
士狼に目もくれず、ポンと右手を投げ出すとその手を取られる感触があった。
ツルツルした感触に顔を上げると赤いリボンが指に巻かれていた。
「……何してるの?」
「うん?」
返ってきたのは生返事。今度は士狼が私を見ない。
リボン結びにしようとしているのだろうか一度結んだものを解いたり、左右を整えるように緩めたりを繰り返している。集中しているようで口元に不自然に力が入っていた。
「よーし、できた」
手、きれいにしてるんだなって丸く磨かれた爪を士狼がしげしげと見つめた。
「ちょっと恥ずかしいからやめてよ……っていうかなんで結んだの……」
大きすぎるくらいのリボン結びが右手の薬指で揺れている。
「んー?」
士狼はにっこり笑って掴んだままの私の手を揺らした。
「カワイイだろ?」
「カワイイけど……」
「ならいいだろ、」
「そうなの……?」
勝手に納得させられて、もやもやが残るけどそういうものだなってことにして手を下ろす。
「おーい士狼!」
「おー駆」
さらっと手を離して士狼は席を立った。駆と話し始めて、ようやく私は大きく息をついて、机に突っ伏した。
「苗字さん、大丈夫?」
「光司くん……見てたなら助けてよ……」
「え?!いや、ちょっと入りづらいかな……」
優しく声をかけてくれた光司くんにヘルプを要請しても困った顔をさせてしまった。
「だって士狼くん、あんなに幸せそうな顔してたし……雰囲気的にちょっと……」
陽太もこっちこいよー!って2人が呼んで光司くんはごめんねって片手で拝んで去っていった。そんな顔、見てないし。人の口から聞くのは恥ずかしくてもう一回突っ伏した。士狼が帰ってくる前に顔が赤いの治りますように。
美化推進部というのは、歴史が浅いながら校内でもランキング上位に位置する大きな部活の1つだ。古くより強豪として知られる陸上部や剣道部と争えば負けてしまうけど、あの部長がいるうちに一回くらいは1位を取りそうな気もする。年末の大掃除とか。
「名前、これ食べるか?」
「あ、ありがとう」
詳しい入手経路は聞いたことがないけど、大きい部活故か美化部経由で士狼がこうやってお菓子を持ってくることがある。今日は焼き菓子をいくつか詰めたやつで、弓道部の鳴子くんが絶賛してたお店のだ。
士狼が包装の赤いリボンを解いてくるくると指に巻きつける。
「おいしーい」
「俺にもひとくち」
「うん」
横から顔を出してあーんを要求する士狼は、なんていうかずるい。自分がどう見えるか、カワイイかカッコイイか模索してる割に素の仕草とかが目を引く。
「うーんうまい。さすが羚さん」
「やっぱり一乗谷先輩なんだ?これ鳴子くんがおいしいって絶賛してたお店のだよ」
「ふーん」
関心なさそうに口を開けてもう1つ、と要求するのでわたしはもう一枚袋から出して士狼の口にくわえさせた。その間手持ち無沙汰な私は、お菓子の入っていた袋の裏側の成分表示を眺めていた。材料は私でも手に入るものばかりなのに、同じレベルのものを作るのはとても難しいだろう。
「右手かして、」
士狼に目もくれず、ポンと右手を投げ出すとその手を取られる感触があった。
ツルツルした感触に顔を上げると赤いリボンが指に巻かれていた。
「……何してるの?」
「うん?」
返ってきたのは生返事。今度は士狼が私を見ない。
リボン結びにしようとしているのだろうか一度結んだものを解いたり、左右を整えるように緩めたりを繰り返している。集中しているようで口元に不自然に力が入っていた。
「よーし、できた」
手、きれいにしてるんだなって丸く磨かれた爪を士狼がしげしげと見つめた。
「ちょっと恥ずかしいからやめてよ……っていうかなんで結んだの……」
大きすぎるくらいのリボン結びが右手の薬指で揺れている。
「んー?」
士狼はにっこり笑って掴んだままの私の手を揺らした。
「カワイイだろ?」
「カワイイけど……」
「ならいいだろ、」
「そうなの……?」
勝手に納得させられて、もやもやが残るけどそういうものだなってことにして手を下ろす。
「おーい士狼!」
「おー駆」
さらっと手を離して士狼は席を立った。駆と話し始めて、ようやく私は大きく息をついて、机に突っ伏した。
「苗字さん、大丈夫?」
「光司くん……見てたなら助けてよ……」
「え?!いや、ちょっと入りづらいかな……」
優しく声をかけてくれた光司くんにヘルプを要請しても困った顔をさせてしまった。
「だって士狼くん、あんなに幸せそうな顔してたし……雰囲気的にちょっと……」
陽太もこっちこいよー!って2人が呼んで光司くんはごめんねって片手で拝んで去っていった。そんな顔、見てないし。人の口から聞くのは恥ずかしくてもう一回突っ伏した。士狼が帰ってくる前に顔が赤いの治りますように。
