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私は、周りが呆れるほど鈍臭かった。すぐ転ぶし、反射神経は絶望的。それでも高等部に進学してから、何かで自分を変えたいと、現部長のスカウトにより美化推進部に籍を置くようになった。美化の最中にバケツを蹴り倒したり、廊下で雑巾に滑って転ぶのは未だに日常茶飯事だ。そして、今日もまた、例外なくやらかしている。
「部長……ごめんなさい……」
本日の活動は部長待望の学内全域の落ち葉掃除だった。生徒会にもかなり無理を言ってとってきた活動だし、部長の友人の清洲先輩もお手伝いに来てくださっていて、部長はかなりやる気だったのを私は知っている(もともと部長は清洲先輩に対して辛辣に見せかけながらもポイントのこととか、かなり甘いと思うけども)。
ところで私だが、活動中に当然のようにすっ転んだ。美化部の面々はいつも通りとあまり驚いていなかったけど、(駆先輩の大丈夫かー?がどこからか聞こえた)それに慣れていない清洲先輩はかなり驚いていた。清洲先輩は、おいおい、大丈夫か?!と慌てて私の手を取り、起こしてくれたのだが、直後部長の熊手が後頭部にものすごい速さでヒットした。清洲先輩は殴られたところを抑えながら、勢い良く吠えた。羚部長はどこ吹く風といった様子だ。
「羚、お前なあ!」
「うちの部員に絡むなと言っただろう」
部長は、まるで虫けらを見るかのような目で清洲先輩をあしらうと、汚れた私のスカートを叩き、手当てするぞと手を引いた。
それで私は今、血が垂れる膝を丁寧に消毒してる部長に頭を下げている。部長は常に美化部の活動時には救急箱を携帯しているが、士狼先輩曰く、私の入部以来ほぼ、私専用と化しているそうだ。
確かに他の部員は部長の指示を守って安全第一で美化をしているから怪我が少ない……というより部員は皆どちらかというと要領がいいタイプだ。
「何に対して謝っているんだ」
淡々と膝を消毒し終え顔を上げた部長は私に尋ねた。部長はいつも呆れた顔こそすれ、あまり叱らないから申し訳なさばかりが積み重なる。
「私、毎回、部長の作業を中断してばっかりで…」
部員のほとんどが部長の人柄に惚れて入部した。駆先輩のように日頃の態度でスカウトされた者も、大のように今までの経歴をなげうって入部した者もいる。私も部長の聡明さ、懐の懐の深さに、何よりその冷徹なまでの完璧主義に実際に触れて、それに憧れて入部した。だから、その活動を中断させてしまうことが何より心苦しい。思わず涙声で言葉に詰まった。
完璧主義の部長は取り出した絆創膏の場所をしばし検討して、慎重に貼り付けた。目線の高さは限りなく私の膝と一致しているが、部長の指示で短パンを履いてるから全く問題無い。
「……は」
部長は呆れた顔で私のスカートを払った。
「清洲には気をつけろ、といった方かと思ったぞ」
「あっ、そっちでしたか!いや、清洲先輩に気をつけるようなこと無かったですよね?!」
「会話するな。あれがどんなやつかは散々花隈からも聞いてるだろう」
鋭利な雰囲気さえ見せる部長の美貌がいらいらしているために凄みを増している。紅い目がすがめられた。
「でも、部長も一年の時は清洲先輩とナンパ三昧だったんですよね?見境ないタイプの」
「あれと一緒にするな、あれと。私は完璧を求めていただけで……見境ないとはなんだ」
「人妻も対象範囲だったと伺っております」
「後腐れなく、その場限りでお茶してわかれているのだから、問題無いだろう。誰に聞いた、清州か、花隈か?」
「あ、鑑香先輩です」
煩わしそうに紅い目を光らせていた部長が、鑑香先輩の名前になんだ、水月か、と表情を一変させた。話を戻すが、と言われ顔が強張った。
「私は」
「はい」
真剣な表情で片膝をつき、階段に座る私を見上げる部長は惚れ惚れするほど美しい。あの一乗谷羚を見下ろすなんて、許された生徒は何人いるだろう。
「私は、お前を勧誘したことを、後悔していた。確かにお前の美化に対する姿勢は素晴らしい。だが、女子部員はお前だけな上、怪我を負わせることも多い……挙句清州に引っかかったとあれば、ご両親に何と謝罪すればいいか」
「そんな、私が勝手に活動して、怪我してるだけなんです。まして清州先輩のことなんて」
「それでも」
部長は強い口調で私の言葉を遮り、私の手に手を重ねた。
「お前のご両親にとって大切な息女であり、美化部にとっても大切な部員だ……怪我には気をつけるよう」
ふっと微笑むその姿に心臓がばくばくした。やっぱりうちの部長かっこよすぎる。さすが我が美化部の長。大や一ほど崇拝してないから!とは以前より照れ隠しのように言っていたけど、惚れ直した。
「部長、私一生部長についていきます!」
「……一生か。それは、ありがとう」
部長は呆れたように、自分の人生を第一に考えろと言った。さすが部長。私はそのお人柄に惚れて入部したのだ。
私の大声に部員たちの「オレも、一生羚部長に尽くしますから!」「そうです、美化部一同部長についていきます!」の声が返ってくる。それに小さく部長は笑って、立ち上がる。慌てて私も立ち上がったが、よろけて颯爽と部長に手を掴まれた。部員のもとへ歩き出すと、まだまだ広い学園には落ち葉が残っている。さて、私も宣言通り、美化に励むとしよう。
「部長……ごめんなさい……」
本日の活動は部長待望の学内全域の落ち葉掃除だった。生徒会にもかなり無理を言ってとってきた活動だし、部長の友人の清洲先輩もお手伝いに来てくださっていて、部長はかなりやる気だったのを私は知っている(もともと部長は清洲先輩に対して辛辣に見せかけながらもポイントのこととか、かなり甘いと思うけども)。
ところで私だが、活動中に当然のようにすっ転んだ。美化部の面々はいつも通りとあまり驚いていなかったけど、(駆先輩の大丈夫かー?がどこからか聞こえた)それに慣れていない清洲先輩はかなり驚いていた。清洲先輩は、おいおい、大丈夫か?!と慌てて私の手を取り、起こしてくれたのだが、直後部長の熊手が後頭部にものすごい速さでヒットした。清洲先輩は殴られたところを抑えながら、勢い良く吠えた。羚部長はどこ吹く風といった様子だ。
「羚、お前なあ!」
「うちの部員に絡むなと言っただろう」
部長は、まるで虫けらを見るかのような目で清洲先輩をあしらうと、汚れた私のスカートを叩き、手当てするぞと手を引いた。
それで私は今、血が垂れる膝を丁寧に消毒してる部長に頭を下げている。部長は常に美化部の活動時には救急箱を携帯しているが、士狼先輩曰く、私の入部以来ほぼ、私専用と化しているそうだ。
確かに他の部員は部長の指示を守って安全第一で美化をしているから怪我が少ない……というより部員は皆どちらかというと要領がいいタイプだ。
「何に対して謝っているんだ」
淡々と膝を消毒し終え顔を上げた部長は私に尋ねた。部長はいつも呆れた顔こそすれ、あまり叱らないから申し訳なさばかりが積み重なる。
「私、毎回、部長の作業を中断してばっかりで…」
部員のほとんどが部長の人柄に惚れて入部した。駆先輩のように日頃の態度でスカウトされた者も、大のように今までの経歴をなげうって入部した者もいる。私も部長の聡明さ、懐の懐の深さに、何よりその冷徹なまでの完璧主義に実際に触れて、それに憧れて入部した。だから、その活動を中断させてしまうことが何より心苦しい。思わず涙声で言葉に詰まった。
完璧主義の部長は取り出した絆創膏の場所をしばし検討して、慎重に貼り付けた。目線の高さは限りなく私の膝と一致しているが、部長の指示で短パンを履いてるから全く問題無い。
「……は」
部長は呆れた顔で私のスカートを払った。
「清洲には気をつけろ、といった方かと思ったぞ」
「あっ、そっちでしたか!いや、清洲先輩に気をつけるようなこと無かったですよね?!」
「会話するな。あれがどんなやつかは散々花隈からも聞いてるだろう」
鋭利な雰囲気さえ見せる部長の美貌がいらいらしているために凄みを増している。紅い目がすがめられた。
「でも、部長も一年の時は清洲先輩とナンパ三昧だったんですよね?見境ないタイプの」
「あれと一緒にするな、あれと。私は完璧を求めていただけで……見境ないとはなんだ」
「人妻も対象範囲だったと伺っております」
「後腐れなく、その場限りでお茶してわかれているのだから、問題無いだろう。誰に聞いた、清州か、花隈か?」
「あ、鑑香先輩です」
煩わしそうに紅い目を光らせていた部長が、鑑香先輩の名前になんだ、水月か、と表情を一変させた。話を戻すが、と言われ顔が強張った。
「私は」
「はい」
真剣な表情で片膝をつき、階段に座る私を見上げる部長は惚れ惚れするほど美しい。あの一乗谷羚を見下ろすなんて、許された生徒は何人いるだろう。
「私は、お前を勧誘したことを、後悔していた。確かにお前の美化に対する姿勢は素晴らしい。だが、女子部員はお前だけな上、怪我を負わせることも多い……挙句清州に引っかかったとあれば、ご両親に何と謝罪すればいいか」
「そんな、私が勝手に活動して、怪我してるだけなんです。まして清州先輩のことなんて」
「それでも」
部長は強い口調で私の言葉を遮り、私の手に手を重ねた。
「お前のご両親にとって大切な息女であり、美化部にとっても大切な部員だ……怪我には気をつけるよう」
ふっと微笑むその姿に心臓がばくばくした。やっぱりうちの部長かっこよすぎる。さすが我が美化部の長。大や一ほど崇拝してないから!とは以前より照れ隠しのように言っていたけど、惚れ直した。
「部長、私一生部長についていきます!」
「……一生か。それは、ありがとう」
部長は呆れたように、自分の人生を第一に考えろと言った。さすが部長。私はそのお人柄に惚れて入部したのだ。
私の大声に部員たちの「オレも、一生羚部長に尽くしますから!」「そうです、美化部一同部長についていきます!」の声が返ってくる。それに小さく部長は笑って、立ち上がる。慌てて私も立ち上がったが、よろけて颯爽と部長に手を掴まれた。部員のもとへ歩き出すと、まだまだ広い学園には落ち葉が残っている。さて、私も宣言通り、美化に励むとしよう。
