去る春、君の声だけが在る2
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>2年の春、体育祭前
箱根学園春の大イベント、それは春の遠足のすぐ後にやってくる体育祭。
競技はあんまり目立たなそうなやつにエントリーしたし、あとは全員参加の縄跳びで転けないよう練習するだけ。……うそ、懸念があと一つある。
「……実は私、去年のフォークダンスの記憶が全くないんだ」
「オレはあるぜ。去年一切相手と目を合わさず下向いて踊ってる部員がいたからな」
「あっ笑うな、バシさん意地悪だ!」
「反省して今年は真面目に練習しろ」
「去年も真面目にやってたよ!」
「本気か?」
「私はいつも本気!」
「どうだか」
去年はステップが苦手すぎてなんとか足だけでもどうにかしようと真剣にやった結果、誰と手を握り合ったかの記憶すらない。練習含めてバシさんやらレイさんやら真波やら、部員と1回くらいは手を握り合ったのかもしれないがマジで記憶がない。他人の足を踏まないように必死だったから。あと入学したてで本当の本当に友達がいなかったから、相手が誰とか気にしてなかった。
「ちょっと一回付き合ってよ、予行練習だと思ってさ〜」
「……ここでか?」
「うん」
まだ誰もいない部室、ちょっとくらい練習しても怒られないだろう。箱根学園のフォークダンスはいわゆるミキサー、男女の組み合わせが発生しては解消しまた次の組み合わせに移る曲が多い。つまり、恋だ!去年の3年生など、東堂さんと踊る女子は皆幸せそうだった。あと、隼人くんも異様にモテてた。
私は今年真波とすずこちゃんの夢のフォークダンスを見るのを何より楽しみにしている。そのためには、自分がある程度周り見れるくらいに踊れないと……立ち上がって、後ろの大男を振り返る。手を引いて立たせ、それから両手をいい感じにあげて。
「ではお手を拝借しまして」
「……おう」
ミシッ!!「添えるだけ」のはずの手がグワシッと握られて、右手首が真っ先に悲鳴をあげた。左手も、続いてメキョ!!と音を立てた。
「イダダダダダダ痛い痛い痛い!!」
「あ゛!?!?」
「オイッ何事だ!?!?」
黒田さんが勢いよく部室のドアを蹴り破った。それと同時に私の悲鳴に動揺したバシさんがバッと両手を解放したので私は床に倒れ込んだ。バシさん容赦ねえ〜!身長差のせいで肩も死にそうだったけど、それより先に手首失うかと思ったもん。粉砕されるかと。
「お前な、モップ折る握力なんだから加減してやれよ……」
「ウス……」
「好きな女子の手握って怪我させてんじゃねえよ」
「すみません」
「謝る相手はオレじゃないだろ」
「ハイ」
「ユキちゃん、どうしたの?」
「何の騒ぎだ?」
「……」
「銅橋、説明しろ」
「ハイ……」
私が床に伏して無力さに泣いている間に先輩方が続々集まってきて、バシさんはキツく叱られたらしかった。ごめん、私が貧弱なせいで……。
以降バシさんは体育祭練習でも女子生徒に合わせた低い位置に手を添えて、かつ壊れ物を扱うかの如く触れたため「意外と紳士かも……?」との評判を得た。そ、そんなはずは……まさか私が大袈裟に痛がったせいで触れるもの全て壊すと思わせてしまったのかとオロオロしてたら、「あいつはリミッターがなく、力加減が0か100かしかできない」と、なぜか黒田さんからフォローがあった。本当にごめん。
箱根学園春の大イベント、それは春の遠足のすぐ後にやってくる体育祭。
競技はあんまり目立たなそうなやつにエントリーしたし、あとは全員参加の縄跳びで転けないよう練習するだけ。……うそ、懸念があと一つある。
「……実は私、去年のフォークダンスの記憶が全くないんだ」
「オレはあるぜ。去年一切相手と目を合わさず下向いて踊ってる部員がいたからな」
「あっ笑うな、バシさん意地悪だ!」
「反省して今年は真面目に練習しろ」
「去年も真面目にやってたよ!」
「本気か?」
「私はいつも本気!」
「どうだか」
去年はステップが苦手すぎてなんとか足だけでもどうにかしようと真剣にやった結果、誰と手を握り合ったかの記憶すらない。練習含めてバシさんやらレイさんやら真波やら、部員と1回くらいは手を握り合ったのかもしれないがマジで記憶がない。他人の足を踏まないように必死だったから。あと入学したてで本当の本当に友達がいなかったから、相手が誰とか気にしてなかった。
「ちょっと一回付き合ってよ、予行練習だと思ってさ〜」
「……ここでか?」
「うん」
まだ誰もいない部室、ちょっとくらい練習しても怒られないだろう。箱根学園のフォークダンスはいわゆるミキサー、男女の組み合わせが発生しては解消しまた次の組み合わせに移る曲が多い。つまり、恋だ!去年の3年生など、東堂さんと踊る女子は皆幸せそうだった。あと、隼人くんも異様にモテてた。
私は今年真波とすずこちゃんの夢のフォークダンスを見るのを何より楽しみにしている。そのためには、自分がある程度周り見れるくらいに踊れないと……立ち上がって、後ろの大男を振り返る。手を引いて立たせ、それから両手をいい感じにあげて。
「ではお手を拝借しまして」
「……おう」
ミシッ!!「添えるだけ」のはずの手がグワシッと握られて、右手首が真っ先に悲鳴をあげた。左手も、続いてメキョ!!と音を立てた。
「イダダダダダダ痛い痛い痛い!!」
「あ゛!?!?」
「オイッ何事だ!?!?」
黒田さんが勢いよく部室のドアを蹴り破った。それと同時に私の悲鳴に動揺したバシさんがバッと両手を解放したので私は床に倒れ込んだ。バシさん容赦ねえ〜!身長差のせいで肩も死にそうだったけど、それより先に手首失うかと思ったもん。粉砕されるかと。
「お前な、モップ折る握力なんだから加減してやれよ……」
「ウス……」
「好きな女子の手握って怪我させてんじゃねえよ」
「すみません」
「謝る相手はオレじゃないだろ」
「ハイ」
「ユキちゃん、どうしたの?」
「何の騒ぎだ?」
「……」
「銅橋、説明しろ」
「ハイ……」
私が床に伏して無力さに泣いている間に先輩方が続々集まってきて、バシさんはキツく叱られたらしかった。ごめん、私が貧弱なせいで……。
以降バシさんは体育祭練習でも女子生徒に合わせた低い位置に手を添えて、かつ壊れ物を扱うかの如く触れたため「意外と紳士かも……?」との評判を得た。そ、そんなはずは……まさか私が大袈裟に痛がったせいで触れるもの全て壊すと思わせてしまったのかとオロオロしてたら、「あいつはリミッターがなく、力加減が0か100かしかできない」と、なぜか黒田さんからフォローがあった。本当にごめん。
