去る春、君の声だけが在る2
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塔一郎と自主練を終えて寮に戻ると、でかい男が2人寮の前で屯していた。まさかと思えば、銅橋と高田城。うちの部員かよ。夕食後、午後10時の消灯までは自由行動だが、明日は新入生の入寮日だ。遅くに出歩くのは感心しねえな。
「あ、お疲れ様です」
「おう。外出か?」
「外出届は出しました!」
「ならいいけど……明日は入寮日だ。あまり羽目を外しすぎないように」
「はい」
「よろしい」
「お待たせしました〜!」
女子棟からチャリ引いて名前が合流した。後ろから真波も。こいつらが待っていたのはどうせ名前だと予想していたが、真波もか。
「4人かい」
「はい。ラーメン食べてすぐ戻ります」
「私はさっき駐輪場で真波捕まえたので誘ってみました」
「……お前ら夕飯食ってまだ食うのか」
呆れた。ハコガク生がラーメン食いに行くならここから少し下ったところの横浜ラーメン一択だが、こいつらにとっては腹ごなしにもならないだろう。食欲旺盛すぎだろ。成長期か?まだデカくなるつもりか?オレの疑いの視線に耐えかねた銅橋が弁解する。
「名前が誕生日なんすよ。ラーメン食いたいって」
「バシさんは夕食普通に食べてますけど、私とレイさんはちゃんと他の食事で調整してますから!」
「オイ裏切ってんじゃねえよ!」
「……今日が誕生日だったのか」
「イヤッ聞かなかったことにしてください!先輩方に誕生日だからって暴飲暴食する怠惰な人間だと思われたくないっ」
「もうバレてるから素直にラーメン食ってこい」
「オレもラーメン、ちょうど食べたかったんだよね〜」
「真波お前夕飯全部食ってなかったか……?」
「やだなあ、ラーメンくらい入りますよ」
「そしてお前はほんとにオレが誰かわかってないんだな……」
「待て真波山岳貴様、誰のおかげで進級できたかわかってないのか!?」
「え、苗字の友達じゃないの?」
「き、貴様……」
苗字は器用に白目を剥いて見せ、さすがに百年の恋も覚めるからその顔はやめてやれと言う前に復帰した。部外者をやきもきさせる苗字の恋愛事情はさておき、真波の興味のあること以外全然聞いてないのはどうにかならねえのか。高田城のノートのおかげで真波が進級できたのはオレらも聞いている。あと幼馴染の嘆願。
「すずこちゃんとレイさんのご厚情のおかげで進級できた自覚はないのかあっ!!」
「わ〜あるある、委員長にも怒られたし」
「一生怒られてろ!レイさんとすずこちゃんを困らせるなって言ってるの!」
苗字が拳を振り上げ今にも真波に殴りかかりそうなのを当の高田城が止める事態。身長差で苗字はジタバタ暴れることしかできない。
「どうどう」
「レイさん退いて!そいつ殺せない」
「オレにヤンデレの自称妹はいないはずだ」
「ネットスラングに詳しいレイさんは解釈違いだな」
「そう思うなら振るんじゃないよ」
「ウス」
チャリ取ってくるから待ってろと銅橋と高田城が駐輪場に消えた。苗字はまだ真波に文句を言っている。
「レイさんのこと、本当に便利なノートの人だと思ってたの?あんたねえ……」
「助かったな〜って思ってるよ」
1年生……いや4月になったから2年生か。2人のやり取りを眺めていると、ふとイヤな予感がした。振り返ってもそこにいるのは真面目な顔で腕を組む塔一郎だけ。コイツがこういう顔をしてる時、まれにとんでもないことを言い出すことがある。
「と、いうことは……」
「なにがだよ」
「ユキと名前の誕生日、2ヶ月しか変わらないんだな」
「あ」
別に何月生まれでもいいだろうが!!真波と比べられる時に3ヶ月差って言われるのも微妙な気分になるっていうのによ。お前も誕生日早いのかよ。
「黒田さん2月生まれなんですか?」
「……そーだよ」
「なんで言ってくれなかったんですか?来年盛大に祝いますからね」
「そうですよ〜ラーメンでいいですか?」
「オレはその頃受験生だよ……」
「そうでした」
しょんぼりと沈む様子に、先月の卒業式で苗字が大号泣したのを思い出す。オレらも普通に号泣してたけど、インターハイの後も可愛らしくしくしく泣いてた名前がわんわん泣いてるのは衝撃だった。
来年のオレらの卒業式でも苗字は泣くだろうか。スラックス履いた足で器用に福富さんにしがみついてわんわん泣いて……あれは完全に蝉だった。多分やられるなら塔一郎か葦木場な気がするけど、オレも万が一やられた時に耐えられるように、体幹鍛えっかな……
「あ、お疲れ様です」
「おう。外出か?」
「外出届は出しました!」
「ならいいけど……明日は入寮日だ。あまり羽目を外しすぎないように」
「はい」
「よろしい」
「お待たせしました〜!」
女子棟からチャリ引いて名前が合流した。後ろから真波も。こいつらが待っていたのはどうせ名前だと予想していたが、真波もか。
「4人かい」
「はい。ラーメン食べてすぐ戻ります」
「私はさっき駐輪場で真波捕まえたので誘ってみました」
「……お前ら夕飯食ってまだ食うのか」
呆れた。ハコガク生がラーメン食いに行くならここから少し下ったところの横浜ラーメン一択だが、こいつらにとっては腹ごなしにもならないだろう。食欲旺盛すぎだろ。成長期か?まだデカくなるつもりか?オレの疑いの視線に耐えかねた銅橋が弁解する。
「名前が誕生日なんすよ。ラーメン食いたいって」
「バシさんは夕食普通に食べてますけど、私とレイさんはちゃんと他の食事で調整してますから!」
「オイ裏切ってんじゃねえよ!」
「……今日が誕生日だったのか」
「イヤッ聞かなかったことにしてください!先輩方に誕生日だからって暴飲暴食する怠惰な人間だと思われたくないっ」
「もうバレてるから素直にラーメン食ってこい」
「オレもラーメン、ちょうど食べたかったんだよね〜」
「真波お前夕飯全部食ってなかったか……?」
「やだなあ、ラーメンくらい入りますよ」
「そしてお前はほんとにオレが誰かわかってないんだな……」
「待て真波山岳貴様、誰のおかげで進級できたかわかってないのか!?」
「え、苗字の友達じゃないの?」
「き、貴様……」
苗字は器用に白目を剥いて見せ、さすがに百年の恋も覚めるからその顔はやめてやれと言う前に復帰した。部外者をやきもきさせる苗字の恋愛事情はさておき、真波の興味のあること以外全然聞いてないのはどうにかならねえのか。高田城のノートのおかげで真波が進級できたのはオレらも聞いている。あと幼馴染の嘆願。
「すずこちゃんとレイさんのご厚情のおかげで進級できた自覚はないのかあっ!!」
「わ〜あるある、委員長にも怒られたし」
「一生怒られてろ!レイさんとすずこちゃんを困らせるなって言ってるの!」
苗字が拳を振り上げ今にも真波に殴りかかりそうなのを当の高田城が止める事態。身長差で苗字はジタバタ暴れることしかできない。
「どうどう」
「レイさん退いて!そいつ殺せない」
「オレにヤンデレの自称妹はいないはずだ」
「ネットスラングに詳しいレイさんは解釈違いだな」
「そう思うなら振るんじゃないよ」
「ウス」
チャリ取ってくるから待ってろと銅橋と高田城が駐輪場に消えた。苗字はまだ真波に文句を言っている。
「レイさんのこと、本当に便利なノートの人だと思ってたの?あんたねえ……」
「助かったな〜って思ってるよ」
1年生……いや4月になったから2年生か。2人のやり取りを眺めていると、ふとイヤな予感がした。振り返ってもそこにいるのは真面目な顔で腕を組む塔一郎だけ。コイツがこういう顔をしてる時、まれにとんでもないことを言い出すことがある。
「と、いうことは……」
「なにがだよ」
「ユキと名前の誕生日、2ヶ月しか変わらないんだな」
「あ」
別に何月生まれでもいいだろうが!!真波と比べられる時に3ヶ月差って言われるのも微妙な気分になるっていうのによ。お前も誕生日早いのかよ。
「黒田さん2月生まれなんですか?」
「……そーだよ」
「なんで言ってくれなかったんですか?来年盛大に祝いますからね」
「そうですよ〜ラーメンでいいですか?」
「オレはその頃受験生だよ……」
「そうでした」
しょんぼりと沈む様子に、先月の卒業式で苗字が大号泣したのを思い出す。オレらも普通に号泣してたけど、インターハイの後も可愛らしくしくしく泣いてた名前がわんわん泣いてるのは衝撃だった。
来年のオレらの卒業式でも苗字は泣くだろうか。スラックス履いた足で器用に福富さんにしがみついてわんわん泣いて……あれは完全に蝉だった。多分やられるなら塔一郎か葦木場な気がするけど、オレも万が一やられた時に耐えられるように、体幹鍛えっかな……
