青く光っている
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高校生になった。私が中学から通っている明早大学花園女子学院は、埼玉県にあるが県境に近く、我が家から自転車で通える距離だ。弓射くんは陵成に入学したが相変わらず。MTBでそこらじゅう走り回っている。
高校生になって気づいたが、自転車競技は盛んでも、MTBの部活のある学校はごく少ない。私の学校にも自転車競技部があって先輩達が練習に明け暮れている。が、MTBの……クロスカントリー部門に出るような人はいない。昔はいたらしいが、部でなく個人の課外活動としてやっていたらしい。陵成に通う弓射くんもそうだ。
群馬県の自転車競技部といえばやはり上水工業だが、弓射くんの進学先にはならなかった。確かに家から通うには遠いし、活動のメインはロードレースやトラックだし、あと工業だし、「質実剛健」みたいな校風はちょっと合わないと思う。弓射くん、お坊ちゃんだし、割と自由人だから……
弓射くんは相変わらずMTBひとすじだが、中学生の終わりからレースに出るようになった。初心者クラスから初めてどんどん昇格して、今じゃ他の追随を許さない圧倒的連戦連勝ぷりに変な異名までついた。
出会った時から「ヤバいな」、そして「年々ヤバさが加速するな」と思って見ていたが、あのめちゃくちゃな走りはやっぱり普通じゃなかった。初めて上級クラスに出た時、観客がみんな弓射くんの超絶テクニックに驚いてるのを見て、私は誇らしいのと、(やっぱりアレ普通じゃないんだ……)という気持ちとで複雑な心境になった。しかし、弓射くんのライバルの人……雷音さんもとんでもなくアクロバティックな走りをするのでだんだん感覚が麻痺してきたのは否定できない。
鮮烈なデビュー以来、爆速でMTB界に名を広めた弓射くんは今や関東じゃ負け無しで、それどころか1年生なのにインターハイに出て優勝したりして、本当の本当にすごい人らしかった。週末には弓射くんを慕うMTB乗りの男の子達が挙って弓射くん行きつけのMTBフィールドにやって来る。彼らに「雉さん」「レジェンド」「MTB界の神の子」だの呼ばれているのを見ると、「雲の上の人」感がすごい。口が裂けても幼馴染とか言えない。
そう思ってるのは私だけなのか、弓射くんは平気で学校終わりに自転車かっ飛ばして「今その辺走ってるけど来る?」とか言うし、「朝車で拾うから県外のレースついてきて」とか、言う。し、県外に行くとなるとは問答無用で夜明け前集合だ。自転車レースの朝は早い。埼玉との県境にある私の家に朝4時集合の時、弓射くんのパパは一体何時起きなんだろう。眠そうな顔で「おはよ、今日もヨロシク」とか言って、そのくせ数時間後にはレース会場で 山の皇帝 だなんだともてはやされて、いざスタートすればぶっちぎって先頭でゴールに帰ってくる。老若男女がキャーキャー大歓声をあげて偉業を讃える。なんだか納得いかない。ズルくないか?
自転車に乗ってなければただの顔のいい変な人のはずが、なぜか学校でもモテてるらしく、バレンタインには大きい紙袋がパンパンになる。幼馴染として、お情けのチョコをあげる気も失せるモテっぷり。
当の弓射くんは「モテ……どうだろ……それより次のレースなんだけど」って感じで分かってないんだかはぐらかしているのかって感じ。でも、こんな王子様みたいな顔……で、背が高くて、性格もそこまで悪くない……というか優しいし、意地悪言わないし、人のことエロい目で見てこないし、割といい人だと思う。モテて当然だ。難点は人を振り回す癖が小学校の時からあるだけで。あれ、喜んでる子(弓射くんのMTB仲間の男の子とか)もいるみたいだけど、どうにかならないかな。
最近いちばん怖かったのは、帰り道気持ちよく自転車漕いでたら、後ろから追い付かれて「おかえり」て言われた時。流石に悲鳴が出た。私は埼玉の学校から帰って来たとこなんだけど、いったいどこから来た?陵成とは一応方角的には反対なんだけど、弓射くんいつから走ってる?からの、「荷物代わるから、ちょっと付き合ってヨン」だ。弓射くんの「ちょっと」は「ちょっと」じゃない。弓射くんは私のスクールバックをギャルみたいに両方の肩で背負って、ニコニコしてた。その顔を見るとやだよ、とは言えず(そもそも宿題の入ってるカバンが人質になっている)、「ちょっと」付き合う羽目になった。彼は私を振り切って好き放題走り、散々遠回りした末、私が自宅に辿り着いたのを見届けてからまた自転車に乗って帰ってった。元気すぎだろ。
高校生になって気づいたが、自転車競技は盛んでも、MTBの部活のある学校はごく少ない。私の学校にも自転車競技部があって先輩達が練習に明け暮れている。が、MTBの……クロスカントリー部門に出るような人はいない。昔はいたらしいが、部でなく個人の課外活動としてやっていたらしい。陵成に通う弓射くんもそうだ。
群馬県の自転車競技部といえばやはり上水工業だが、弓射くんの進学先にはならなかった。確かに家から通うには遠いし、活動のメインはロードレースやトラックだし、あと工業だし、「質実剛健」みたいな校風はちょっと合わないと思う。弓射くん、お坊ちゃんだし、割と自由人だから……
弓射くんは相変わらずMTBひとすじだが、中学生の終わりからレースに出るようになった。初心者クラスから初めてどんどん昇格して、今じゃ他の追随を許さない圧倒的連戦連勝ぷりに変な異名までついた。
出会った時から「ヤバいな」、そして「年々ヤバさが加速するな」と思って見ていたが、あのめちゃくちゃな走りはやっぱり普通じゃなかった。初めて上級クラスに出た時、観客がみんな弓射くんの超絶テクニックに驚いてるのを見て、私は誇らしいのと、(やっぱりアレ普通じゃないんだ……)という気持ちとで複雑な心境になった。しかし、弓射くんのライバルの人……雷音さんもとんでもなくアクロバティックな走りをするのでだんだん感覚が麻痺してきたのは否定できない。
鮮烈なデビュー以来、爆速でMTB界に名を広めた弓射くんは今や関東じゃ負け無しで、それどころか1年生なのにインターハイに出て優勝したりして、本当の本当にすごい人らしかった。週末には弓射くんを慕うMTB乗りの男の子達が挙って弓射くん行きつけのMTBフィールドにやって来る。彼らに「雉さん」「レジェンド」「MTB界の神の子」だの呼ばれているのを見ると、「雲の上の人」感がすごい。口が裂けても幼馴染とか言えない。
そう思ってるのは私だけなのか、弓射くんは平気で学校終わりに自転車かっ飛ばして「今その辺走ってるけど来る?」とか言うし、「朝車で拾うから県外のレースついてきて」とか、言う。し、県外に行くとなるとは問答無用で夜明け前集合だ。自転車レースの朝は早い。埼玉との県境にある私の家に朝4時集合の時、弓射くんのパパは一体何時起きなんだろう。眠そうな顔で「おはよ、今日もヨロシク」とか言って、そのくせ数時間後にはレース会場で
自転車に乗ってなければただの顔のいい変な人のはずが、なぜか学校でもモテてるらしく、バレンタインには大きい紙袋がパンパンになる。幼馴染として、お情けのチョコをあげる気も失せるモテっぷり。
当の弓射くんは「モテ……どうだろ……それより次のレースなんだけど」って感じで分かってないんだかはぐらかしているのかって感じ。でも、こんな王子様みたいな顔……で、背が高くて、性格もそこまで悪くない……というか優しいし、意地悪言わないし、人のことエロい目で見てこないし、割といい人だと思う。モテて当然だ。難点は人を振り回す癖が小学校の時からあるだけで。あれ、喜んでる子(弓射くんのMTB仲間の男の子とか)もいるみたいだけど、どうにかならないかな。
最近いちばん怖かったのは、帰り道気持ちよく自転車漕いでたら、後ろから追い付かれて「おかえり」て言われた時。流石に悲鳴が出た。私は埼玉の学校から帰って来たとこなんだけど、いったいどこから来た?陵成とは一応方角的には反対なんだけど、弓射くんいつから走ってる?からの、「荷物代わるから、ちょっと付き合ってヨン」だ。弓射くんの「ちょっと」は「ちょっと」じゃない。弓射くんは私のスクールバックをギャルみたいに両方の肩で背負って、ニコニコしてた。その顔を見るとやだよ、とは言えず(そもそも宿題の入ってるカバンが人質になっている)、「ちょっと」付き合う羽目になった。彼は私を振り切って好き放題走り、散々遠回りした末、私が自宅に辿り着いたのを見届けてからまた自転車に乗って帰ってった。元気すぎだろ。
