去る春、君の声だけが在る2
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残り3キロ、ゴールの喧騒はここまで響いていた。先頭の結果は後方まで伝わっていて、それでも為すべきことは変わらない。
ひとつイレギュラーがあるとしたら。ここを任された部員がいないということ。目標となるボード、間違いない。視線だけで左右を見てもどこにもいない。名前。
しかしそれは不安も懸念もボクに抱かせるまでもなかった。迎えたのは、割れんばかりの声援。「箱根学園」の声。現役部員も、OB 会の人間もここにはいない。しかし箱根学園のジャージを捉えた瞬間の「来た!ハコガク!」の悲鳴、「アレだよ、あの選手!」という沿道の声。きっと何かがあったのだと、そう察するには十分だった。
何か、こちらの知らぬ事情があったのだろう。キミにここで何があったかは知ることがかなわないが、責任感の強い名前がここを離れざるを得ない理由。体調不良だろうか。トラブルだろうか。それを知ることは叶わない。でもきっと、そうするしかない事情でここを離れ、そしてきっと、見ず知らずの他人にここを託したのだろう。全く、名前らしい発想だ。ユキはこのことを知っているのだろうか。先頭で真波を送り出すために奮闘していたから気づいていないかもしれない。
このことをユキに伝えたら、頭を抱えるだろう。1年かけて箱根学園の人間にふさわしい振る舞いを叩き込んだのに、最後の最後にこれだから。
歓声を浴びて、それでも止まらず走り続ける。残り3キロ。ここから更に登って登って、長い旅路はようやくゴールへと至る。
ひとつイレギュラーがあるとしたら。ここを任された部員がいないということ。目標となるボード、間違いない。視線だけで左右を見てもどこにもいない。名前。
しかしそれは不安も懸念もボクに抱かせるまでもなかった。迎えたのは、割れんばかりの声援。「箱根学園」の声。現役部員も、OB 会の人間もここにはいない。しかし箱根学園のジャージを捉えた瞬間の「来た!ハコガク!」の悲鳴、「アレだよ、あの選手!」という沿道の声。きっと何かがあったのだと、そう察するには十分だった。
何か、こちらの知らぬ事情があったのだろう。キミにここで何があったかは知ることがかなわないが、責任感の強い名前がここを離れざるを得ない理由。体調不良だろうか。トラブルだろうか。それを知ることは叶わない。でもきっと、そうするしかない事情でここを離れ、そしてきっと、見ず知らずの他人にここを託したのだろう。全く、名前らしい発想だ。ユキはこのことを知っているのだろうか。先頭で真波を送り出すために奮闘していたから気づいていないかもしれない。
このことをユキに伝えたら、頭を抱えるだろう。1年かけて箱根学園の人間にふさわしい振る舞いを叩き込んだのに、最後の最後にこれだから。
歓声を浴びて、それでも止まらず走り続ける。残り3キロ。ここから更に登って登って、長い旅路はようやくゴールへと至る。
