SS
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
去るバレンタイン、部員の熱烈な求めに応じて手作りチョコレートをあげた。
チョコレート味プロテイン入りブラウニー。切ってタッパーに入れて持ってきてそのまま配布。好きなだけ食えと渡したら、可愛げがなさすぎると金子に泣かれた。うるせえ、それなら食うな!!部で買ってるやつじゃなくて私物のプロテイン使ったんぞ!これがバレンタインだよ!黒田は「それ彼氏できた時にやるなよ」と引かれたが、するわけないだろ。「作ってくれたの?ありがと、嬉しい」と廊下でそのまま食った葦木場を見習え。泉田?あいつはプロテインが入っていれば味が何かどうかはどうでもいいタイプだから論外。むしろソイかホエイかの方が気になるタイプだろ。ホエイです。ソイは好きじゃ無いから。私が。
そして引退した先輩方が通りすがりに「お、バレンタインか」「カワイイ後輩チャンがイイモン配ってんじゃねーの」「さてはオレに渡すために待っていたのだな?マネージャー!」と即座にカツアゲ。もっといいやつ……本命チョコレートをもらっているだろうに、こんな適当に混ぜて焼いて切ったやつを食わなくても……福富さんだけは「睡眠時間は足りているのか?」(訳・部活の後に作ったなら時間がかかっただろう)と労ってくれた。全員見習ってほしい。
それが先月。部員はお返しと称して何かしらおやつをくれたりした。別にいいのに、と思ったが篠崎などは「マネージャーにホワイトデーを渡す」ロールプレイを楽しんでいるようなので、呆れて止める気にもならなかった。先輩方はもう卒業してしまって、引越しだ国立後期だと忙しい時期。そんな中東堂尽八が登校した。例年のお返し行脚だ。私も一箱温泉まんじゅうをもらって(ご実家のをちょろまかしているらしい)、一箱食べ切る自信がなかったので外装を剥がして昼食時に同級生3人に配ることにした。どうせ飢えてるあいつらにはこれの出所などわかるまい。
「これうまいな。どこのだ?」
おのれ黒田余計なことを……
「か、家族からもらったからしらない」
「箱根かな?伊東かな?お家の人には聞かなかったの」
「さあ……鬼怒川とかじゃない」
「名前がこっちにいるんだし、箱根に来ればいいのにね」
「そうかもね」
「それにしてもうまい」
「うん、名前もう一個いい?」
「どうぞ……」
……お前ら見知らぬ温泉まんじゅうに興味持ちすぎだろ!東堂庵の温泉まんじゅうって何か特別うまいのだろうか。蒸したてじゃなくて日持ちのするやつだけど……
必死に誤魔化していたら私は背後の影に気が付かなかった。平坦で音もなく近づいたらもう、「スリーピングビューティー」じゃなくて「ニンジャ」とかそっち系名乗った方がいいんじゃないですか!?
「……オレたちは将来を約束した者同士、ほとんど家族も同然だからな。家族からもらったと言うのも、なんら間違っていないな!」
「と、東堂さん!」
特大爆弾だ。なんで来た。何しに来た。さっさとお礼行脚して帰りなよ。引っ越しあるんでしょう?逃げようにも肩に手を着かれて立ち上がれない。
「同じ部でインターハイの頂点を目指した人間同士、そこに選手とマネージャーの隔たりはなく、等しく家族のようなものだと、ここにいる全員が家族だと、そういう意図でお間違いないですかね?」
「名前、早口でよくわからなかったからもう一回言って」
「やだよ!」
「お前もう諦めろよ、一生懸命知らないフリしてやってたけど隠せてねえよ」
「うるさい!」
「付き合ってるのは知ってたけど。まさか将来まで誓い合っていたとは」
「妄言!全部妄言だから!」
「……東堂さん、彼女にもホワイトデーは温泉まんじゅうなんですか?」
葦木場が最後の一つを私に寄越して、首を傾げる。東堂さんは後輩相手にパチンとウインクを決めて。
「ああ、これはブラウニーの分だな。別でもらった分には、こちらも別で用意した。恋人として、当然だろう?」
「あーあーあーあー!!」
3人からの「最初から東堂さんちのだって言えばよかったのに……」って同情の目が痛い。うるさいうるさい!こんな人に絆されてるの、自分でも恥ずかしいんだよ!こんなことになると思わなかったんだよ!だから、そんな目でこっちを見るな!東堂さんは気分良さそうに笑って「ではまた後でな」と去って行った。
「……『また後で』、ねえ」
「今日は速やかに帰宅するように」
「ハッもしかして、デート!?」
「こうなるのが嫌だから言わなかったんだよ!」
全員彼女いないくせにニヤニヤしやがって。どいつもこいつも!
チョコレート味プロテイン入りブラウニー。切ってタッパーに入れて持ってきてそのまま配布。好きなだけ食えと渡したら、可愛げがなさすぎると金子に泣かれた。うるせえ、それなら食うな!!部で買ってるやつじゃなくて私物のプロテイン使ったんぞ!これがバレンタインだよ!黒田は「それ彼氏できた時にやるなよ」と引かれたが、するわけないだろ。「作ってくれたの?ありがと、嬉しい」と廊下でそのまま食った葦木場を見習え。泉田?あいつはプロテインが入っていれば味が何かどうかはどうでもいいタイプだから論外。むしろソイかホエイかの方が気になるタイプだろ。ホエイです。ソイは好きじゃ無いから。私が。
そして引退した先輩方が通りすがりに「お、バレンタインか」「カワイイ後輩チャンがイイモン配ってんじゃねーの」「さてはオレに渡すために待っていたのだな?マネージャー!」と即座にカツアゲ。もっといいやつ……本命チョコレートをもらっているだろうに、こんな適当に混ぜて焼いて切ったやつを食わなくても……福富さんだけは「睡眠時間は足りているのか?」(訳・部活の後に作ったなら時間がかかっただろう)と労ってくれた。全員見習ってほしい。
それが先月。部員はお返しと称して何かしらおやつをくれたりした。別にいいのに、と思ったが篠崎などは「マネージャーにホワイトデーを渡す」ロールプレイを楽しんでいるようなので、呆れて止める気にもならなかった。先輩方はもう卒業してしまって、引越しだ国立後期だと忙しい時期。そんな中東堂尽八が登校した。例年のお返し行脚だ。私も一箱温泉まんじゅうをもらって(ご実家のをちょろまかしているらしい)、一箱食べ切る自信がなかったので外装を剥がして昼食時に同級生3人に配ることにした。どうせ飢えてるあいつらにはこれの出所などわかるまい。
「これうまいな。どこのだ?」
おのれ黒田余計なことを……
「か、家族からもらったからしらない」
「箱根かな?伊東かな?お家の人には聞かなかったの」
「さあ……鬼怒川とかじゃない」
「名前がこっちにいるんだし、箱根に来ればいいのにね」
「そうかもね」
「それにしてもうまい」
「うん、名前もう一個いい?」
「どうぞ……」
……お前ら見知らぬ温泉まんじゅうに興味持ちすぎだろ!東堂庵の温泉まんじゅうって何か特別うまいのだろうか。蒸したてじゃなくて日持ちのするやつだけど……
必死に誤魔化していたら私は背後の影に気が付かなかった。平坦で音もなく近づいたらもう、「スリーピングビューティー」じゃなくて「ニンジャ」とかそっち系名乗った方がいいんじゃないですか!?
「……オレたちは将来を約束した者同士、ほとんど家族も同然だからな。家族からもらったと言うのも、なんら間違っていないな!」
「と、東堂さん!」
特大爆弾だ。なんで来た。何しに来た。さっさとお礼行脚して帰りなよ。引っ越しあるんでしょう?逃げようにも肩に手を着かれて立ち上がれない。
「同じ部でインターハイの頂点を目指した人間同士、そこに選手とマネージャーの隔たりはなく、等しく家族のようなものだと、ここにいる全員が家族だと、そういう意図でお間違いないですかね?」
「名前、早口でよくわからなかったからもう一回言って」
「やだよ!」
「お前もう諦めろよ、一生懸命知らないフリしてやってたけど隠せてねえよ」
「うるさい!」
「付き合ってるのは知ってたけど。まさか将来まで誓い合っていたとは」
「妄言!全部妄言だから!」
「……東堂さん、彼女にもホワイトデーは温泉まんじゅうなんですか?」
葦木場が最後の一つを私に寄越して、首を傾げる。東堂さんは後輩相手にパチンとウインクを決めて。
「ああ、これはブラウニーの分だな。別でもらった分には、こちらも別で用意した。恋人として、当然だろう?」
「あーあーあーあー!!」
3人からの「最初から東堂さんちのだって言えばよかったのに……」って同情の目が痛い。うるさいうるさい!こんな人に絆されてるの、自分でも恥ずかしいんだよ!こんなことになると思わなかったんだよ!だから、そんな目でこっちを見るな!東堂さんは気分良さそうに笑って「ではまた後でな」と去って行った。
「……『また後で』、ねえ」
「今日は速やかに帰宅するように」
「ハッもしかして、デート!?」
「こうなるのが嫌だから言わなかったんだよ!」
全員彼女いないくせにニヤニヤしやがって。どいつもこいつも!
