DRAMATIC STARS
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少し血を分けてくれないか。
どうした?何がおかしい。そうか……君は知らなかったか。僕は、吸血鬼だ。
突然薫先生がそんなことを言い出したのでわたしは思わずぽかん、と間抜けな顔を晒してしまった。薫先生は真剣そのものといった表情で身を乗り出し、端的に言えばわたしを押し倒している。
「……嘘ですよね?」
「嘘なものか。天道でもあるまいし、つくならもっとましな嘘をつく」
ぺろりと薫先生は口元をなめ、眼鏡の奥の瞳を眇めた。
「吸血鬼は、エネルギーの多くを血液に頼る。しかし堂々と血をもらうことはできないから、献血による血をもらうことが多い。多くの病院は吸血鬼の援助会に加盟していて僕のような者にも血が回ってくるというわけだ。吸血鬼にも人権が認められている時代だ。混乱を招くために密かにではあるが。医師を目指すものは皆、倫理の講義で吸血鬼の存在を知り、人である以上の人権が認められ生きるために必要な血を与えられる。しかし、献血による輸血用の血も現在必要とする患者に届け補充するので精一杯な現状、僕は血の提供を拒否している。無論、吸血鬼の血の拒否も自由だ。現代の吸血鬼は長い時間をかけてヒトと血を交えることにより、その性は薄れヒトに紛れることが可能になった。そして」
「あーー!もういいです!全然わからん!とりあえず、薫先生は吸血鬼で、今!今……わ、わたしの血が欲しいってことですよね」
「話が早いな。では」
「んぎゃあ!冷たぁ!」
わたしの色気のない叫び声に薫先生はむすっとして、手を止めた。でも突然冷たい指先で首をなぞられらたらいろんな意味で悲鳴が出ます。
「少し黙ってくれないか」
「そんな無茶なあ~」
薫先生はよほど緊迫した状況らしく、わたしの首筋に手をかけ、唇を這わした。ひ、ひえー顔がいい……この顔のいい人が私の首筋を愛おしそうにちゅっちゅっしてるのだから世の中わからないものだ。薄い皮膚の下に走る血管、その中をめぐる血の匂いが、本能でわかるのだろうか。
「……いただきます」
「……め、めしあがれ……」
薫先生のサラサラの髪があたってくすぐったい。その感覚に身をよじるのもつかの間、首筋に激痛が走り私はびくっ!とした。
「ま、待って待って……めちゃめちゃ痛いです!麻酔みたいなのないんですか?ぱっと舞ってがっとやってチュッと吸って、はあ~~んってなんないんですか?はぁ~~んはどこに!?」
「……うるさいぞ。だいたい媚薬効果なんて出したら君が困るだけだぞ」
「で、出るんだ……いやでも本当にショック死しそうなくらい痛いんで、ど、どうにか……ほらなんか指先に震えが……」
「全く……」
薫先生は煩わしそうに顔をしかめて、ぺろりと舌を出した。
「えっ?」
じゅう、と傷を吸われた瞬間頭がぼんやりして傷を中心にどくんどくんと疼く。
「か、かおるせんせい?こ、これは……」
「君がいったんだろう、麻酔だ」
「な、なんかヘンなんですけど」
「ヘン、とは?」
眼鏡の奥の瞳が楽しそうに笑んだ。嗜虐的、猟奇的、それから……ちょっとやらしい。
「君が、欲しがった麻酔だ」
「は、はぁ~~んってなるやつですか」
「そうだ」
「そ、そうですか……」
じゃあこのドキドキとか体の中心が火が灯ったみたいにあついのは当然なわけだ。
薫先生は首から流れる血を舐めては吸い、歯を立てて傷を広げることを繰り返した。
ただ私は血を吸いだされる感覚さえ気持ちよくて、息を荒げていた。押し倒す薫先生に抵抗する力はもうなくなって、肩を押していた手も胸元に縋るだけになっていた。
「せ、先生、私おかしいのかもしれない……」
「何がだ?」
「す、吸われてるだけなのにぃ、めちゃめちゃ気持ちがいいんですけど……」
「吸血鬼の媚薬だからな」
「もはや麻酔でもないーッ!!」
仰向けに押し倒されている足を広げられてパンツに指を立てられる。ぬちゃっと恥ずかしい音がして小さく悲鳴をあげた。薫先生はといえば変わらず、血を舐めすすり、パンツをつつきまわし(パンツの中身をつつきまわしてるのかもしれない)、また傷口を噛んでは広げ、血を出し、という動作を繰り返している。
「せ、先生、へんな趣味つきそうだから、そろそろ……」
「へんな趣味?」
首筋から顔を上げ、薫先生はまた唇を舐めた。唇についた私の血が一瞬で拭われた。
「なんていうか、くせになりそうというか……」
「癖になったら、ずっと血を分けてくれるのか?」
「あっ、そういうことか~~ッあ!」
うるさく騒いでいたら口を塞がれた。血の味がしても、舌を吸われてうやむやになった。
「君の血は、不健康な生活の割になかなかいいな」
「ひ、ひえ……」
満足そうな薫先生の顔はちょっと紅潮していて、押し倒した勢いのままにジッパーの下りる音がした。あっ、吸血鬼の媚薬とやら、キスで先生の方にも行ってしまった感じですか……
どうした?何がおかしい。そうか……君は知らなかったか。僕は、吸血鬼だ。
突然薫先生がそんなことを言い出したのでわたしは思わずぽかん、と間抜けな顔を晒してしまった。薫先生は真剣そのものといった表情で身を乗り出し、端的に言えばわたしを押し倒している。
「……嘘ですよね?」
「嘘なものか。天道でもあるまいし、つくならもっとましな嘘をつく」
ぺろりと薫先生は口元をなめ、眼鏡の奥の瞳を眇めた。
「吸血鬼は、エネルギーの多くを血液に頼る。しかし堂々と血をもらうことはできないから、献血による血をもらうことが多い。多くの病院は吸血鬼の援助会に加盟していて僕のような者にも血が回ってくるというわけだ。吸血鬼にも人権が認められている時代だ。混乱を招くために密かにではあるが。医師を目指すものは皆、倫理の講義で吸血鬼の存在を知り、人である以上の人権が認められ生きるために必要な血を与えられる。しかし、献血による輸血用の血も現在必要とする患者に届け補充するので精一杯な現状、僕は血の提供を拒否している。無論、吸血鬼の血の拒否も自由だ。現代の吸血鬼は長い時間をかけてヒトと血を交えることにより、その性は薄れヒトに紛れることが可能になった。そして」
「あーー!もういいです!全然わからん!とりあえず、薫先生は吸血鬼で、今!今……わ、わたしの血が欲しいってことですよね」
「話が早いな。では」
「んぎゃあ!冷たぁ!」
わたしの色気のない叫び声に薫先生はむすっとして、手を止めた。でも突然冷たい指先で首をなぞられらたらいろんな意味で悲鳴が出ます。
「少し黙ってくれないか」
「そんな無茶なあ~」
薫先生はよほど緊迫した状況らしく、わたしの首筋に手をかけ、唇を這わした。ひ、ひえー顔がいい……この顔のいい人が私の首筋を愛おしそうにちゅっちゅっしてるのだから世の中わからないものだ。薄い皮膚の下に走る血管、その中をめぐる血の匂いが、本能でわかるのだろうか。
「……いただきます」
「……め、めしあがれ……」
薫先生のサラサラの髪があたってくすぐったい。その感覚に身をよじるのもつかの間、首筋に激痛が走り私はびくっ!とした。
「ま、待って待って……めちゃめちゃ痛いです!麻酔みたいなのないんですか?ぱっと舞ってがっとやってチュッと吸って、はあ~~んってなんないんですか?はぁ~~んはどこに!?」
「……うるさいぞ。だいたい媚薬効果なんて出したら君が困るだけだぞ」
「で、出るんだ……いやでも本当にショック死しそうなくらい痛いんで、ど、どうにか……ほらなんか指先に震えが……」
「全く……」
薫先生は煩わしそうに顔をしかめて、ぺろりと舌を出した。
「えっ?」
じゅう、と傷を吸われた瞬間頭がぼんやりして傷を中心にどくんどくんと疼く。
「か、かおるせんせい?こ、これは……」
「君がいったんだろう、麻酔だ」
「な、なんかヘンなんですけど」
「ヘン、とは?」
眼鏡の奥の瞳が楽しそうに笑んだ。嗜虐的、猟奇的、それから……ちょっとやらしい。
「君が、欲しがった麻酔だ」
「は、はぁ~~んってなるやつですか」
「そうだ」
「そ、そうですか……」
じゃあこのドキドキとか体の中心が火が灯ったみたいにあついのは当然なわけだ。
薫先生は首から流れる血を舐めては吸い、歯を立てて傷を広げることを繰り返した。
ただ私は血を吸いだされる感覚さえ気持ちよくて、息を荒げていた。押し倒す薫先生に抵抗する力はもうなくなって、肩を押していた手も胸元に縋るだけになっていた。
「せ、先生、私おかしいのかもしれない……」
「何がだ?」
「す、吸われてるだけなのにぃ、めちゃめちゃ気持ちがいいんですけど……」
「吸血鬼の媚薬だからな」
「もはや麻酔でもないーッ!!」
仰向けに押し倒されている足を広げられてパンツに指を立てられる。ぬちゃっと恥ずかしい音がして小さく悲鳴をあげた。薫先生はといえば変わらず、血を舐めすすり、パンツをつつきまわし(パンツの中身をつつきまわしてるのかもしれない)、また傷口を噛んでは広げ、血を出し、という動作を繰り返している。
「せ、先生、へんな趣味つきそうだから、そろそろ……」
「へんな趣味?」
首筋から顔を上げ、薫先生はまた唇を舐めた。唇についた私の血が一瞬で拭われた。
「なんていうか、くせになりそうというか……」
「癖になったら、ずっと血を分けてくれるのか?」
「あっ、そういうことか~~ッあ!」
うるさく騒いでいたら口を塞がれた。血の味がしても、舌を吸われてうやむやになった。
「君の血は、不健康な生活の割になかなかいいな」
「ひ、ひえ……」
満足そうな薫先生の顔はちょっと紅潮していて、押し倒した勢いのままにジッパーの下りる音がした。あっ、吸血鬼の媚薬とやら、キスで先生の方にも行ってしまった感じですか……
