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下手くそな鶯の鳴き声は聞いてるこっちががっくりくる。というか、惜しい!っていう気持ちになってしまう。上手くホーホケキョ!と鳴けるやつは練習の賜物なのだ。春の前から練習を始めて、求婚の時期にようやく立派に渾身のホーホケキョを披露するというわけで。
今日は少し暖かいものの、聞こえてくるのはまだ下手くそな鳴き声ばかりだ。キョ!で止まれずキョ!キョ!と鳴いてしまうもの、ホーがイマイチ不安定なもの、なんとも微妙な顔になる。春うららかにはまだ遠いか、と思ったところで上手な鶯が一匹。
ぱっと振り向いてその姿を探すと背後に袖で覆ってくすくすと笑う九郎さんの姿があった。
「すみません、あまりにも残念そうにされていたので」
「えっ今の九郎さんですか」
「……お恥ずかしながら」
なんだか意外だな、そういうのはキリオさんの方が得意なイメージがあったなという顔をしていたのか九郎さんは小さい時に練習したので、と恥ずかしそうにした。
「九郎さんにも普通の子供時代があったんですね」
「野点の時にこっそり鳴くと皆さん喜びますので……」
そんな理由ではありますがお弟子さんの中の1人がとても上手くて子供心に憧れたのです、と九郎さんは優しく笑う。一生懸命練習する小さい九郎さんが眼に浮かぶようで私もなんだか笑ってしまう。
「もう一回、今度はやってるとこ見たいです」
九郎さんはまた恥ずかしそうにして両手の平を合わせるようにして手を重ねて口に当てた。少し上を向くその姿が冬の終わりの青い空とまた、よく似合うのだ。
口元は見えないながらにウグイスが鳴く。思わず感嘆のため息がこぼれ、九郎さんは恥ずかしそうにその手を下ろした。
今日は少し暖かいものの、聞こえてくるのはまだ下手くそな鳴き声ばかりだ。キョ!で止まれずキョ!キョ!と鳴いてしまうもの、ホーがイマイチ不安定なもの、なんとも微妙な顔になる。春うららかにはまだ遠いか、と思ったところで上手な鶯が一匹。
ぱっと振り向いてその姿を探すと背後に袖で覆ってくすくすと笑う九郎さんの姿があった。
「すみません、あまりにも残念そうにされていたので」
「えっ今の九郎さんですか」
「……お恥ずかしながら」
なんだか意外だな、そういうのはキリオさんの方が得意なイメージがあったなという顔をしていたのか九郎さんは小さい時に練習したので、と恥ずかしそうにした。
「九郎さんにも普通の子供時代があったんですね」
「野点の時にこっそり鳴くと皆さん喜びますので……」
そんな理由ではありますがお弟子さんの中の1人がとても上手くて子供心に憧れたのです、と九郎さんは優しく笑う。一生懸命練習する小さい九郎さんが眼に浮かぶようで私もなんだか笑ってしまう。
「もう一回、今度はやってるとこ見たいです」
九郎さんはまた恥ずかしそうにして両手の平を合わせるようにして手を重ねて口に当てた。少し上を向くその姿が冬の終わりの青い空とまた、よく似合うのだ。
口元は見えないながらにウグイスが鳴く。思わず感嘆のため息がこぼれ、九郎さんは恥ずかしそうにその手を下ろした。
