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ついに!と九郎さんが歓喜の声をあげたので私は慌てて漫画を読んでいたスマホを置いて振り返る。九郎さんはおうちだというのにきっちり正座をしていて背筋が伸びていた。
「どうしたの?」
「見てください、これを」
九郎さんが見せてくれたのは和菓子をモチーフにしたカラーリングのコスメが近々老舗の化粧品メーカーから出るという記事だった。色も落ち着いていてかわいいし名前が九郎さんには馴染み深い和菓子ともあって心がくすぐられた。かわいい、と口にすればそうでしょう!と満足そうに九郎さんが頷く。
「私が求めていたのはこれです!」
「そうだね、若い女の子ももちろん九郎さんのファンの人たちもきっと喜んで即完売の未来が見えるよ」
「ふふ、名前には必ず私が一揃え用意しますね」
「また?もう、九郎さんが楽しいならいいんだけど……無理しなくていいんですよ」
「楽しくて選んでますからどうぞお気になさらず」
九郎さんはつんとして、手元の一筆箋に発売日や名前、メーカーや取り扱いのあるお店を書き留めた。スマホを持ってるはずなのに変にアナログなところが九郎さんらしい。
前にお化粧品の仕事をした九郎さんはその後私に熊野の化粧筆を買ってきた。私たちが学んだその素晴らしさを名前にも感じていただきたいのですなんて目をキラキラさせて言うのだから断れず、挙句その年のクリスマスはどこで覚えてきたのか即完売だったクリスマスコフレをにこにこしながらくれた。ネットでは買えなかったので当日に並び整理券をもらったのだと聞き、私は女性に混じって真剣な表情で並ぶ九郎さんを想像して頭痛がした。美形だから違和感なく並んだことだろう。それから気に入ったものがあれば九郎さんはどの店のものでもこまごまと色々買い集めた(収集癖が強いわけではないと思うのだけれど良いものだと思えば九郎さんは惜しみなくお金を使う)。初めてデパートのコスメ売り場に行った時は一通り見て回り(てっきりディオールとかシャネルの人気どころを眺めただけかと思っていたら、アナスイだとかルブタンみたいな黒くて尖ったブランドもシュウウエムラとかmacみたいなのとかも果てはジルスチュアートまで値段も傾向も問わずくまなく見て回ったと聞いて私はすぐにその様子が想像できた。興味深そうに真剣に見て回る九郎さんの姿が)、その勉強熱心なところはさすがとしか言いようがない。そして念願の老舗の出す和モチーフ、しかも馴染み深い和菓子ときては九郎さんの瞳の輝きも増すというものだ。
「きっとこの水色は、名前の爪にのせたら綺麗でしょうね」
九郎さんがガラスの器に注いだ冷茶を手にして微笑む。私も九郎さんのいれてくれたそれをありがたくいただき、何色だって九郎さんの方が似合いますと言えばそれでは意味がないでしょうと窘められてしまった。
「どうしたの?」
「見てください、これを」
九郎さんが見せてくれたのは和菓子をモチーフにしたカラーリングのコスメが近々老舗の化粧品メーカーから出るという記事だった。色も落ち着いていてかわいいし名前が九郎さんには馴染み深い和菓子ともあって心がくすぐられた。かわいい、と口にすればそうでしょう!と満足そうに九郎さんが頷く。
「私が求めていたのはこれです!」
「そうだね、若い女の子ももちろん九郎さんのファンの人たちもきっと喜んで即完売の未来が見えるよ」
「ふふ、名前には必ず私が一揃え用意しますね」
「また?もう、九郎さんが楽しいならいいんだけど……無理しなくていいんですよ」
「楽しくて選んでますからどうぞお気になさらず」
九郎さんはつんとして、手元の一筆箋に発売日や名前、メーカーや取り扱いのあるお店を書き留めた。スマホを持ってるはずなのに変にアナログなところが九郎さんらしい。
前にお化粧品の仕事をした九郎さんはその後私に熊野の化粧筆を買ってきた。私たちが学んだその素晴らしさを名前にも感じていただきたいのですなんて目をキラキラさせて言うのだから断れず、挙句その年のクリスマスはどこで覚えてきたのか即完売だったクリスマスコフレをにこにこしながらくれた。ネットでは買えなかったので当日に並び整理券をもらったのだと聞き、私は女性に混じって真剣な表情で並ぶ九郎さんを想像して頭痛がした。美形だから違和感なく並んだことだろう。それから気に入ったものがあれば九郎さんはどの店のものでもこまごまと色々買い集めた(収集癖が強いわけではないと思うのだけれど良いものだと思えば九郎さんは惜しみなくお金を使う)。初めてデパートのコスメ売り場に行った時は一通り見て回り(てっきりディオールとかシャネルの人気どころを眺めただけかと思っていたら、アナスイだとかルブタンみたいな黒くて尖ったブランドもシュウウエムラとかmacみたいなのとかも果てはジルスチュアートまで値段も傾向も問わずくまなく見て回ったと聞いて私はすぐにその様子が想像できた。興味深そうに真剣に見て回る九郎さんの姿が)、その勉強熱心なところはさすがとしか言いようがない。そして念願の老舗の出す和モチーフ、しかも馴染み深い和菓子ときては九郎さんの瞳の輝きも増すというものだ。
「きっとこの水色は、名前の爪にのせたら綺麗でしょうね」
九郎さんがガラスの器に注いだ冷茶を手にして微笑む。私も九郎さんのいれてくれたそれをありがたくいただき、何色だって九郎さんの方が似合いますと言えばそれでは意味がないでしょうと窘められてしまった。
