神速一魂
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玄武くんが仕事の最中に無人島で遭難したらしいという連絡だか噂をもらって、仕事中にもかかわらず私は一瞬固まった。
「名前ちゃん?大丈夫?ごめんねぇ、心配させちゃったねぇ。でもうちの人……プロデューサーとTHE 虎牙道、神速一魂が一緒に遭難してるみたいだから心配しないどいてくれね、こういう時名前ちゃんが心配そうな顔してるとダメなんだからサ」
「うん、大丈夫よ」
光る金髪を揺らして翔真さんは私の顔を綺麗な手で挟み、心配そうに覗き込んだ。同じ事務所の仲間とプロデューサーが危険な目にあってるかもしれない今、私なんかよりも面倒見の良くて優しい翔真さんの方が気を揉んでいることだろう。
「大丈夫かい?何かわかったらまた連絡するよ」
「ありがとう……翔真さんもちゃんと寝なきゃダメだよ。ちょっと寝不足でしょう?」
「やだね、そういうとこには目を瞑ってくれなきゃあ」
「ふふふ、翔真さんは私がさぼるとすーぐ言ってくるんだからたまにはねえ」
そこで出番だと呼ばれて、私と翔真さんはセットへ向かった。
玄武くんが遭難だって。朱雀くんと虎牙道の人たちとそれから番長さんが一緒に無人島にいるんだって。手違いで予定と違う島に行っちゃったんだって。ご飯になりそうなものはあるのかしら。南の島の天気は変わりやすいっていうけど屋根のあるところはあるのかしら。危ない生き物とか虫がいたりしないかしら。きっと朱雀くんのねこも一緒にいるけどねこちゃんが食べられるものはあるのかしら。虎牙道の道流さんは料理が上手でおおらかなお兄さんだけど、他の2人は喧嘩ばっかりって聞く。うまくやれてるのかしら。
「名前ちゃん?」
「あっハイ!」
「大丈夫?今日の曲、歌入りの時に合図だけよろしくね」
「はい、大丈夫です。リハーサル通りに」
翔真さんは大丈夫って言ったけどやっぱり心配だ。私と玄武くんには何かあっても連絡が来るような関係じゃないし、お互いアイドルだから察しが良くて世話を焼いてくれる翔真さんみたいな人のおかげで今回みたいなことを知れる。今回のロケ仕事があるのも特に聞いてなかったし、私も新曲だの映画だのであっちこっち行くからいちいち言わなかったし、私たちがこういう関係なのを事務所だってあんまりいい顔しないし(当たり前だけど)……
そのまま歌番組の収録をして(パフォーマンスはプロデューサーさんにもすごく褒めてもらえるくらいの出来で安心した)、翔真さんおすすめのお店でご飯を食べていつもみたいに美容の話とか最近できたお店の話とかちょっと仕事の話もしてそのまま解散した。
「今日は心配させるようなこといって本当にごめんねぇ、でも信頼してやってよ。うちの人もついてるし、うまいこと撮影までやって帰ってくるから」
「うん…翔真さん、教えてくれてありがとう。あのね、みんなサバイバル向いてそうだから実はあんまり心配してないの。玄武くんは多分、朱雀くんも番長さんもいるからのびのびやってるだろうし、なーんにもなかったみたいな顔して帰ってくるよ」
翔真さんは本当にいい子なんだから、とまた私のほっぺを撫で回してから「何かあったらすぐうちの事務所なりアイドルなりに連絡頂戴ね」と言ってタクシーに乗り込んだ。
それからしばらく滞りなく毎日お仕事をして、315プロの人と仕事をすることもあったけども、それなりに対応に追われてるみたいだけど彼らも無事はあんまり心配してる様子を見せなかった。
そんな中、玄武くんたちが帰ってくる日はわからないままで今日はレッスンが思いの外長引いて、プロデューサーさんにマンションの前まで送ってもらった。お疲れ様です、とお礼を言ってエレベーターへ。
ゆっくり上っていくエレベーターの鏡を見て、乱れた髪を直す。元気にしてるかな。いつ帰ってくるのかな。心細くて泣いてるなんてことは彼に限ってないけど、きっと不安に思って切り抜けて、撮影を予定通り行うために頭を回しているんじゃないかな。
停止したエレベーターから早足で出て、曲がって、「ついてきてる人がいないか、後ろにも気をつけて!」というプロデューサーさんからの言葉の通り、後ろをちゃんと見て……よし、誰もいない。
「前見て歩かねえと転ぶぞ」
「えっ!!」
部屋の前にびっくりするくらい大きい人が寄っかかって立っていた。見慣れた顔だ。
いつも通り綺麗に整えられた髪に元気よくぴょんと跳ねる前髪二本、無人島にしばらく行ってたはずなのに綺麗なままのメガネ、着たおした感じのしないTシャツ、靴はちょっと汚れてるかもしれない。肩にかけたボストンバッグは背中と壁で潰されている。不機嫌そうに眉間に皺が寄ってるけど多分眠いだけだ。
「どうした、幽霊でも見るみたいな顔して……」
「だ、だって無人島行ってたんじゃなかったの!?」
「撮影が終わったから帰ってきたんだよ」
とりあえず入れてくれねえか、と促されて震える手でオートロックを解除した。自分でもびっくりするくらい震えてて、見かねた玄武くんがドアを閉める手をそっと掴んでくれた。
「ごめん、びっくりしちゃって……」
「翔真アニさんから聞いてる」
「あ、翔真さんにも心配かけちゃったな……」
ハイヒールを履いても玄武くんとはびっくりするくらい身長差がある。とりあえず靴を脱いで一段上がると、ようやく首が痛いながらに視線が交わった。
「おかえりなさい……」
「馬鹿、なんでお前が先に泣いて……」
「いや、本当にびっくりしちゃって……」
ぐずぐずしながら抱きつくとめちゃめちゃぎこちない手つきで腰に手が回された。段があるとはいえ、身長差がすごいことには変わらないので腰というよりほぼお尻を回っている。未だに慣れないらしくきっと「そこ、私のお尻です」って言うまで気づかないと思う。胸が当たって気まずいのかもぞもぞと位置を変えて、ようやく観念したのか頭に片手が回った。
「今日帰ってきたの?」
「ああ、事務所のシャワー借りて着替えてそのまま……」
「即日解散ってことはやっぱり、あんまり大事にならなかったんだね」
「名前が心配するほどじゃねえ。いつも言ってることだが、俺の仕事の時には大抵朱雀も番長さんもいるんだからよ」
「うん、でもね突然現場で翔真さんにあったと思ったら言いにくそうにみんなが無人島に置き去りって言われたんだよ。もう一瞬、顔が固まったよね……」
そういや、いつにも増して目つきやばいよとメガネを外して顔を揉むと、凶悪な顔のままありがとうよと礼を言われる。やっぱり何日も違う環境にいると疲れるよね。泊まりの仕事が続くと人によるけど満足に寝るのも難しいし。
「荷物全部持ってきたってことは……うちで寝てく?あ、でも先にシャワー浴びるよね……」
疲れてるなら早く休んでもらわなきゃと思って手を解こうとするとグッと力を込められて肋骨が悲鳴を上げた。
玄武くんの不規則な呼吸の音だけがして、頭をかかえるみたいにされているから表情は見えない。事務所の小さい子を落ち着かせる時にやるみたいにゆっくりとしたテンポで背中を優しく叩くと一層力が強くなった。
「あのね、みんなが無人島にいても大丈夫そうなメンバーだったから、最初はすごくびっくりしたけどね、全然心配してなかったんだよ。だって、そういうピンチを乗り切って話題にかえるのすごく得意でしょう」
「……当たり前だ」
しばらくして呼吸がゆっくり落ち着いたところで靴を脱がして、風呂場に追い立てた。あのままだと玄武くんうっかり寝ちゃいそうだったし、眠たい190センチの男の人を引きずる体力は当然ないから。
シャワーを浴びても目は覚めなかったらしい玄武くんがベッドで眠たげにいろんな話をしてくれた。魚をとったりして食べ物には困らなかったこと、蝶や花が綺麗だったこと、朱雀くんとたくさんダンスを練習していったから撮影が楽しかったこと。普段整然と話をする彼らしからぬまとまらない不明瞭な言葉だったけど、きっと私を安心させようとしてくれてるんだな。
タオルケットをかけてさっきみたいに優しくお腹をゆっくり叩き続けていると、番長さんが……と何かいいかけてついにそのまま寝た。番長さんがなんだったのかな。気になったけどそのまましばらくリズムをとるようにぽんぽんし続けて豆電のままにしてベッドルームを出た。
玄関に戻ると、玄関に打ち捨てられたボストンバッグがぺしゃんこに潰れていた。洗濯物が入ってるのかな、それとも事務所の洗濯機にかけてから来たのかな。きっと翔真さんから話を聞いていろんなことを考えてうちに来てくれたんだろうな。とりあえず中身を出して洗って、乾燥機にかけたら私も寝よう。
カバンを拾い、ゆっくり立ち上がると一粒涙がこぼれた。それを自分で拭って、カバンの口を開けた。パッと中から青い蝶がとび立ち、あっと口を開けている間にベッドルームに消えた。
そろりと覗くと、玄武くんの鼻先に蝶はとまり、瞬きをする間にひとつ羽ばたいて消えてしまう。もしかして連れて帰ってきちゃったのかな、と首をかしげるけど、そんな私にお構いなく玄武くんは穏やかに寝息を立てていた。おやすみ、と息だけで言ってもう一度部屋を出る。昨日までとは打って変わって本当に穏やかな夜だった。
「名前ちゃん?大丈夫?ごめんねぇ、心配させちゃったねぇ。でもうちの人……プロデューサーとTHE 虎牙道、神速一魂が一緒に遭難してるみたいだから心配しないどいてくれね、こういう時名前ちゃんが心配そうな顔してるとダメなんだからサ」
「うん、大丈夫よ」
光る金髪を揺らして翔真さんは私の顔を綺麗な手で挟み、心配そうに覗き込んだ。同じ事務所の仲間とプロデューサーが危険な目にあってるかもしれない今、私なんかよりも面倒見の良くて優しい翔真さんの方が気を揉んでいることだろう。
「大丈夫かい?何かわかったらまた連絡するよ」
「ありがとう……翔真さんもちゃんと寝なきゃダメだよ。ちょっと寝不足でしょう?」
「やだね、そういうとこには目を瞑ってくれなきゃあ」
「ふふふ、翔真さんは私がさぼるとすーぐ言ってくるんだからたまにはねえ」
そこで出番だと呼ばれて、私と翔真さんはセットへ向かった。
玄武くんが遭難だって。朱雀くんと虎牙道の人たちとそれから番長さんが一緒に無人島にいるんだって。手違いで予定と違う島に行っちゃったんだって。ご飯になりそうなものはあるのかしら。南の島の天気は変わりやすいっていうけど屋根のあるところはあるのかしら。危ない生き物とか虫がいたりしないかしら。きっと朱雀くんのねこも一緒にいるけどねこちゃんが食べられるものはあるのかしら。虎牙道の道流さんは料理が上手でおおらかなお兄さんだけど、他の2人は喧嘩ばっかりって聞く。うまくやれてるのかしら。
「名前ちゃん?」
「あっハイ!」
「大丈夫?今日の曲、歌入りの時に合図だけよろしくね」
「はい、大丈夫です。リハーサル通りに」
翔真さんは大丈夫って言ったけどやっぱり心配だ。私と玄武くんには何かあっても連絡が来るような関係じゃないし、お互いアイドルだから察しが良くて世話を焼いてくれる翔真さんみたいな人のおかげで今回みたいなことを知れる。今回のロケ仕事があるのも特に聞いてなかったし、私も新曲だの映画だのであっちこっち行くからいちいち言わなかったし、私たちがこういう関係なのを事務所だってあんまりいい顔しないし(当たり前だけど)……
そのまま歌番組の収録をして(パフォーマンスはプロデューサーさんにもすごく褒めてもらえるくらいの出来で安心した)、翔真さんおすすめのお店でご飯を食べていつもみたいに美容の話とか最近できたお店の話とかちょっと仕事の話もしてそのまま解散した。
「今日は心配させるようなこといって本当にごめんねぇ、でも信頼してやってよ。うちの人もついてるし、うまいこと撮影までやって帰ってくるから」
「うん…翔真さん、教えてくれてありがとう。あのね、みんなサバイバル向いてそうだから実はあんまり心配してないの。玄武くんは多分、朱雀くんも番長さんもいるからのびのびやってるだろうし、なーんにもなかったみたいな顔して帰ってくるよ」
翔真さんは本当にいい子なんだから、とまた私のほっぺを撫で回してから「何かあったらすぐうちの事務所なりアイドルなりに連絡頂戴ね」と言ってタクシーに乗り込んだ。
それからしばらく滞りなく毎日お仕事をして、315プロの人と仕事をすることもあったけども、それなりに対応に追われてるみたいだけど彼らも無事はあんまり心配してる様子を見せなかった。
そんな中、玄武くんたちが帰ってくる日はわからないままで今日はレッスンが思いの外長引いて、プロデューサーさんにマンションの前まで送ってもらった。お疲れ様です、とお礼を言ってエレベーターへ。
ゆっくり上っていくエレベーターの鏡を見て、乱れた髪を直す。元気にしてるかな。いつ帰ってくるのかな。心細くて泣いてるなんてことは彼に限ってないけど、きっと不安に思って切り抜けて、撮影を予定通り行うために頭を回しているんじゃないかな。
停止したエレベーターから早足で出て、曲がって、「ついてきてる人がいないか、後ろにも気をつけて!」というプロデューサーさんからの言葉の通り、後ろをちゃんと見て……よし、誰もいない。
「前見て歩かねえと転ぶぞ」
「えっ!!」
部屋の前にびっくりするくらい大きい人が寄っかかって立っていた。見慣れた顔だ。
いつも通り綺麗に整えられた髪に元気よくぴょんと跳ねる前髪二本、無人島にしばらく行ってたはずなのに綺麗なままのメガネ、着たおした感じのしないTシャツ、靴はちょっと汚れてるかもしれない。肩にかけたボストンバッグは背中と壁で潰されている。不機嫌そうに眉間に皺が寄ってるけど多分眠いだけだ。
「どうした、幽霊でも見るみたいな顔して……」
「だ、だって無人島行ってたんじゃなかったの!?」
「撮影が終わったから帰ってきたんだよ」
とりあえず入れてくれねえか、と促されて震える手でオートロックを解除した。自分でもびっくりするくらい震えてて、見かねた玄武くんがドアを閉める手をそっと掴んでくれた。
「ごめん、びっくりしちゃって……」
「翔真アニさんから聞いてる」
「あ、翔真さんにも心配かけちゃったな……」
ハイヒールを履いても玄武くんとはびっくりするくらい身長差がある。とりあえず靴を脱いで一段上がると、ようやく首が痛いながらに視線が交わった。
「おかえりなさい……」
「馬鹿、なんでお前が先に泣いて……」
「いや、本当にびっくりしちゃって……」
ぐずぐずしながら抱きつくとめちゃめちゃぎこちない手つきで腰に手が回された。段があるとはいえ、身長差がすごいことには変わらないので腰というよりほぼお尻を回っている。未だに慣れないらしくきっと「そこ、私のお尻です」って言うまで気づかないと思う。胸が当たって気まずいのかもぞもぞと位置を変えて、ようやく観念したのか頭に片手が回った。
「今日帰ってきたの?」
「ああ、事務所のシャワー借りて着替えてそのまま……」
「即日解散ってことはやっぱり、あんまり大事にならなかったんだね」
「名前が心配するほどじゃねえ。いつも言ってることだが、俺の仕事の時には大抵朱雀も番長さんもいるんだからよ」
「うん、でもね突然現場で翔真さんにあったと思ったら言いにくそうにみんなが無人島に置き去りって言われたんだよ。もう一瞬、顔が固まったよね……」
そういや、いつにも増して目つきやばいよとメガネを外して顔を揉むと、凶悪な顔のままありがとうよと礼を言われる。やっぱり何日も違う環境にいると疲れるよね。泊まりの仕事が続くと人によるけど満足に寝るのも難しいし。
「荷物全部持ってきたってことは……うちで寝てく?あ、でも先にシャワー浴びるよね……」
疲れてるなら早く休んでもらわなきゃと思って手を解こうとするとグッと力を込められて肋骨が悲鳴を上げた。
玄武くんの不規則な呼吸の音だけがして、頭をかかえるみたいにされているから表情は見えない。事務所の小さい子を落ち着かせる時にやるみたいにゆっくりとしたテンポで背中を優しく叩くと一層力が強くなった。
「あのね、みんなが無人島にいても大丈夫そうなメンバーだったから、最初はすごくびっくりしたけどね、全然心配してなかったんだよ。だって、そういうピンチを乗り切って話題にかえるのすごく得意でしょう」
「……当たり前だ」
しばらくして呼吸がゆっくり落ち着いたところで靴を脱がして、風呂場に追い立てた。あのままだと玄武くんうっかり寝ちゃいそうだったし、眠たい190センチの男の人を引きずる体力は当然ないから。
シャワーを浴びても目は覚めなかったらしい玄武くんがベッドで眠たげにいろんな話をしてくれた。魚をとったりして食べ物には困らなかったこと、蝶や花が綺麗だったこと、朱雀くんとたくさんダンスを練習していったから撮影が楽しかったこと。普段整然と話をする彼らしからぬまとまらない不明瞭な言葉だったけど、きっと私を安心させようとしてくれてるんだな。
タオルケットをかけてさっきみたいに優しくお腹をゆっくり叩き続けていると、番長さんが……と何かいいかけてついにそのまま寝た。番長さんがなんだったのかな。気になったけどそのまましばらくリズムをとるようにぽんぽんし続けて豆電のままにしてベッドルームを出た。
玄関に戻ると、玄関に打ち捨てられたボストンバッグがぺしゃんこに潰れていた。洗濯物が入ってるのかな、それとも事務所の洗濯機にかけてから来たのかな。きっと翔真さんから話を聞いていろんなことを考えてうちに来てくれたんだろうな。とりあえず中身を出して洗って、乾燥機にかけたら私も寝よう。
カバンを拾い、ゆっくり立ち上がると一粒涙がこぼれた。それを自分で拭って、カバンの口を開けた。パッと中から青い蝶がとび立ち、あっと口を開けている間にベッドルームに消えた。
そろりと覗くと、玄武くんの鼻先に蝶はとまり、瞬きをする間にひとつ羽ばたいて消えてしまう。もしかして連れて帰ってきちゃったのかな、と首をかしげるけど、そんな私にお構いなく玄武くんは穏やかに寝息を立てていた。おやすみ、と息だけで言ってもう一度部屋を出る。昨日までとは打って変わって本当に穏やかな夜だった。
