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「もー、『付き合いぐらいにする』んじゃなかったの」
喫煙ルームのドアを開けて、開口一番お説教。白い蛍光灯で照らされた部屋を覗き込み、山下さんが顔を顰める。私は渋々至福の一時ををそこで終わらせて、ヒップバーから立ち上がる。山下さんはパーにした手を差し出して出口で待ち構えている。
「ほら、一式貸して」
「預けちゃったらタバコ誘われた時に困るじゃないですか」
「そりゃその時は……過保護のアイドルに没収されましたって言えばいいさ」
その声が想像より低く冷たく、私はギクッとして顔を上げた。見上げた横顔は深い影を落としている。顔立ちは彫りが深く、目元の影はセクシーかつワイルドな大人の魅力を演出する。だが、今日は蛍光灯の光の加減か、いつも以上に深い影を落として。山下さんが口を開く。
「で、返してくださいって俺のとこに取りにおいで」
「ニコチン切れの度に許可制とは!地獄のようです!」
「肺真っ黒になるよ」
「多分もうなってます」
「んなこと言って。ホント、長生きしてくれなきゃ困るよ、プロデューサーちゃん」
「……ええ、それはもう」
茶化すような色もなく、深いため息のような、言い聞かせるような声だった。私も真剣に頷き返す。なんだか今日は、そういう風に真剣に言葉を返すべきだと思ったのだ。
山下さんはひとつ頷き、「だからタバコ、ほら」と私に催促した。私は渋々電子タバコ一式を大きな手のひらにのせる。
「もう1個あるでしょ」
「……よく見てますよねえ」
「あのねえ……結構長い付き合いだよ、俺たち。そんくらい当たり前」
山下さんは呆れた様子で自分の脇腹を叩いて見せる。私は隠し持っていたもう一式をスーツの内ポケットから取り出した。当たり前か……そうか。
喫煙ルームのドアを開けて、開口一番お説教。白い蛍光灯で照らされた部屋を覗き込み、山下さんが顔を顰める。私は渋々至福の一時ををそこで終わらせて、ヒップバーから立ち上がる。山下さんはパーにした手を差し出して出口で待ち構えている。
「ほら、一式貸して」
「預けちゃったらタバコ誘われた時に困るじゃないですか」
「そりゃその時は……過保護のアイドルに没収されましたって言えばいいさ」
その声が想像より低く冷たく、私はギクッとして顔を上げた。見上げた横顔は深い影を落としている。顔立ちは彫りが深く、目元の影はセクシーかつワイルドな大人の魅力を演出する。だが、今日は蛍光灯の光の加減か、いつも以上に深い影を落として。山下さんが口を開く。
「で、返してくださいって俺のとこに取りにおいで」
「ニコチン切れの度に許可制とは!地獄のようです!」
「肺真っ黒になるよ」
「多分もうなってます」
「んなこと言って。ホント、長生きしてくれなきゃ困るよ、プロデューサーちゃん」
「……ええ、それはもう」
茶化すような色もなく、深いため息のような、言い聞かせるような声だった。私も真剣に頷き返す。なんだか今日は、そういう風に真剣に言葉を返すべきだと思ったのだ。
山下さんはひとつ頷き、「だからタバコ、ほら」と私に催促した。私は渋々電子タバコ一式を大きな手のひらにのせる。
「もう1個あるでしょ」
「……よく見てますよねえ」
「あのねえ……結構長い付き合いだよ、俺たち。そんくらい当たり前」
山下さんは呆れた様子で自分の脇腹を叩いて見せる。私は隠し持っていたもう一式をスーツの内ポケットから取り出した。当たり前か……そうか。
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