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「ゆ、許せない……タヌキ……許せない」
「おや、お前さんキツネ派に宗旨替えかい。こちらは大歓迎だぜ」
「いや、うどんの話じゃなくて……」
頭上に影がさし、ずいぶん高いところから雨彦さんの声。振り返ると人差し指と小指を立てたキツネの手。甘いお揚げの乗ったうどんは私も好きだ。学生時代は学食でしょっちゅう関西風のうどんを食べていた。金曜日はふんぱつしておあげを乗せたりカレーをかけたり……
「じゃ、なくて!SNSでタヌキが持て囃されてるんです!許せない〜!!」
「持て囃されている、とは」
「たぬきのおマヌケかわいいエピソードでSNSが大盛り上がりなんです!信じられます!?!?あの、狸がですよ!!」
「お前さんが過激な狸反対派なのはわかったよ」
「ゆ、許せん……畑のとうもろこし一口だけ齧ってみたり、さつまいも掘り返してみたり……散々やられましたよ!田舎者は!!」
「山あるあるだな」
「しかも免許取り立ての時、近所に轢かれスポットがあって、散々困らされました……やつら鈍臭いから……」
「運転してるお前さんも鈍臭いしな」
「うるさ!!!!運転初心者が前方に落下物見つけてヒッてなる気持ち、わかりますか!?!?なんで教習所ではたぬきが落ちてた時の対処法教えてくれなかったんだ!!」
「わかるわかる」
「わかってない顔!」
雨彦さんはいつものしらーっとした顔で私をポンポンして宥め、それから獲物を見つけたと言わんばかりの顔で流し台を指さす。
「ほら、狸が里に降りてきたぜ」
「エッなんか巻き込まれてる〜」
コーヒーを入れにきた山下さんが嫌そうに振り返る。私はやれやれと首を振り、山下さんを眺める。いつもの格好だ。くたびれたシャツにゆるいサンダル、猫背気味で、ファンに「甘い目元がセクシー」と持て囃されるいつもの山下次郎。
「二次元のたぬきはいいんですよ、山下さんみたいな。大好きですよ。大歓迎」
「たぬき判定なんだ……」
「それより今熱烈な告白してなかったか?」
「してないです」
「してた」
「してない」
「ちょっとふたりとも、そんなところで揉めてないで、こっちに……」
山下さんがキッチンの上の棚をゴソゴソしながら我々を呼ぶ。あそこは、みんなが非常食置き場にしているころだ。ちょっと設置位置が高くて私は背伸びしないと届かないのだが、山下さんは頭を突っ込む勢いで余裕で棚を漁っている。
「あった、あった……ほら、プロデューサーちゃんどっちにする?」
山下さんが棚から出したのはパッケージに大きく「どん」と書かれたカップめん。きつねとたぬきがひとつずつ。え〜!悩ましいな。
「山下サン、俺のはないのか?」
「くずのはは聞くまでもなくこっちでしょ」
はい、と雨彦さんの手に渡ったのはデカデカと関西の文字が踊るうどん。最近はエリア限定品がエリア外でも出回るようになって、ちょっと嬉しい。
「ありがとよ」
「私もうどんにします!久しぶりだな、うまそ〜」
「じゃ俺はそば」
我々3人は山下さんのストックに感謝したあと粛々とお湯を注ぎ、5分待った。こういうのはメーカーの指示通りに作るのがいちばんうまい。CM取れそうなふたりの食べっぷりを存分に眺め、そして完食する頃にはたぬきへの恨みはすっかり消え去っていた。やはり食、それから二次元のきつねとたぬきが全てを解決するのだ。
「おや、お前さんキツネ派に宗旨替えかい。こちらは大歓迎だぜ」
「いや、うどんの話じゃなくて……」
頭上に影がさし、ずいぶん高いところから雨彦さんの声。振り返ると人差し指と小指を立てたキツネの手。甘いお揚げの乗ったうどんは私も好きだ。学生時代は学食でしょっちゅう関西風のうどんを食べていた。金曜日はふんぱつしておあげを乗せたりカレーをかけたり……
「じゃ、なくて!SNSでタヌキが持て囃されてるんです!許せない〜!!」
「持て囃されている、とは」
「たぬきのおマヌケかわいいエピソードでSNSが大盛り上がりなんです!信じられます!?!?あの、狸がですよ!!」
「お前さんが過激な狸反対派なのはわかったよ」
「ゆ、許せん……畑のとうもろこし一口だけ齧ってみたり、さつまいも掘り返してみたり……散々やられましたよ!田舎者は!!」
「山あるあるだな」
「しかも免許取り立ての時、近所に轢かれスポットがあって、散々困らされました……やつら鈍臭いから……」
「運転してるお前さんも鈍臭いしな」
「うるさ!!!!運転初心者が前方に落下物見つけてヒッてなる気持ち、わかりますか!?!?なんで教習所ではたぬきが落ちてた時の対処法教えてくれなかったんだ!!」
「わかるわかる」
「わかってない顔!」
雨彦さんはいつものしらーっとした顔で私をポンポンして宥め、それから獲物を見つけたと言わんばかりの顔で流し台を指さす。
「ほら、狸が里に降りてきたぜ」
「エッなんか巻き込まれてる〜」
コーヒーを入れにきた山下さんが嫌そうに振り返る。私はやれやれと首を振り、山下さんを眺める。いつもの格好だ。くたびれたシャツにゆるいサンダル、猫背気味で、ファンに「甘い目元がセクシー」と持て囃されるいつもの山下次郎。
「二次元のたぬきはいいんですよ、山下さんみたいな。大好きですよ。大歓迎」
「たぬき判定なんだ……」
「それより今熱烈な告白してなかったか?」
「してないです」
「してた」
「してない」
「ちょっとふたりとも、そんなところで揉めてないで、こっちに……」
山下さんがキッチンの上の棚をゴソゴソしながら我々を呼ぶ。あそこは、みんなが非常食置き場にしているころだ。ちょっと設置位置が高くて私は背伸びしないと届かないのだが、山下さんは頭を突っ込む勢いで余裕で棚を漁っている。
「あった、あった……ほら、プロデューサーちゃんどっちにする?」
山下さんが棚から出したのはパッケージに大きく「どん」と書かれたカップめん。きつねとたぬきがひとつずつ。え〜!悩ましいな。
「山下サン、俺のはないのか?」
「くずのはは聞くまでもなくこっちでしょ」
はい、と雨彦さんの手に渡ったのはデカデカと関西の文字が踊るうどん。最近はエリア限定品がエリア外でも出回るようになって、ちょっと嬉しい。
「ありがとよ」
「私もうどんにします!久しぶりだな、うまそ〜」
「じゃ俺はそば」
我々3人は山下さんのストックに感謝したあと粛々とお湯を注ぎ、5分待った。こういうのはメーカーの指示通りに作るのがいちばんうまい。CM取れそうなふたりの食べっぷりを存分に眺め、そして完食する頃にはたぬきへの恨みはすっかり消え去っていた。やはり食、それから二次元のきつねとたぬきが全てを解決するのだ。
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