C.FIRST
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新しい仕事はファミリーレストランのCM。中華がメインのお店だ。
「百々人先輩は行ったことあります?」
「うん。行ったことあるよ。母がこの店好きなんだよね。後は友達とも行ったことがあるかな」
懐かしいな。中学生まで住んでいた家の近くにここの店舗があったから、帰りが遅くなった日はそこで夕飯を食べたりした。もっとも、母さんが「好きだった」理由は、きっと手軽で待ち時間も少ない店で夕食を食べることができたから、なんだけど。料理が苦手な上に仕事に復帰してからの母さんはずっと忙しかった。仕事を家に持ち帰ることも日常茶飯事だったから、夕食作りという苦手な家事から解放されることが何より必要だったのだろう。
「先輩のお母さんが?」
「……中華料理が昔から好きみたい?昔は中国出張も多かったみたいだし」
「へーそうなんですね」
「俺たちにも多少は馴染みのある店ということだな」
でもそんなことはアマミネくん達には言わなくていい。別に、家のことなんて、言ったって……
今日は珍しく母さんの帰宅が早かった。前住んでいた家からは中学の時に引っ越して、今は郊外だけど少し広いところに住んでいる。母さんの通勤時間は前よりかかってるみたいだけど、父さんが単身赴任から帰ってきたら手狭だからという理由らしい。母さんの期待に反して、父さんの単身赴任はまだしばらく続きそうだが。
それから余った部屋をクローゼット兼トロフィールームにして、母さんは満足そうだった。僕は飾らなくていいと言ったのに、あれもこれもと綺麗に並べて「まだ余裕があるから、好きにやりなさい。ここにIA大賞のトロフィーが並ぶ日が来るかしら?」と真剣に棚の容量を心配していた。
「こんな早くに帰ってくるなんて思ってなかったから、簡単な野菜炒めくらいしかできないけど……」
「ありがとう。助かりました」
母さんはあれから変だ。僕相手に敬語で話すことがあるし、なんだか僕の仕事に興味があるみたい。ぴぃちゃんに聞いたら、母さんとぴぃちゃんはやっぱりあの日が初対面だった。もしかして、母さんの仕事で何か関わる機会があるのかも。いわゆる情報収集、マーケティングというやつ。
「今日は豆板醤で中華風……回鍋肉風?にしてみたよ。母さん、好きだったよね」
「うん。懐かしいね、今の家はレストラン遠くて行かなくなっちゃったね」
回鍋肉は例のファミリーレストランで母さんがよく頼んでいたメニュー。自分で作ると失敗するから店でしか頼まない、我が家限定の「あの店といえば」の定番メニューだ。慎重に探りを入れるけど、母さんは呑気に喜んでいる。
「母さん、あの店好きだったよね」
「な、なに。どうしたの。百々人は好きじゃない?小さい頃に食べさせすぎたかな」
僕の突然の発言、母さんは途端に慌て出して、すごく怪しい。演技は割と得意かも。とぼけた表情でかわすのはアマミネくん達のおかげで慣れてるし。
「ううん、結構好きだったよ。でも、最近食べてないなって思って」
「そ、そっか……あそこ、安価でおいしいでしょ。独身の頃から1人で行ったりして、結構好きなの。また今度行こうね」
なんだ、普通に好きなんだ。深く考えすぎだったかも……みんなで撮影の前に食べに行ってみる?そうしたらちょっと盛り上がるかも。それにCMの流れる地域は限られてるけど、母さんの好きなものの仕事だって知ったら、母さんも喜んでくれるかも。
「急にどうしたの?」
「ううん、なんでもない。それより早く食べないと冷めちゃうよ」
母さんきっと驚くだろうな。僕らがあのファミリーレストランのCMだなんて。ニコニコ浮かれてる僕を母さんは怪訝な顔で見ていた。そして、いざ完成したCMを見た時は卒倒してた。思ったより衣装が過激だったらしい。困ったな、これから先、これ以上の露出の仕事がたくさん控えてるんだけど……
「百々人先輩は行ったことあります?」
「うん。行ったことあるよ。母がこの店好きなんだよね。後は友達とも行ったことがあるかな」
懐かしいな。中学生まで住んでいた家の近くにここの店舗があったから、帰りが遅くなった日はそこで夕飯を食べたりした。もっとも、母さんが「好きだった」理由は、きっと手軽で待ち時間も少ない店で夕食を食べることができたから、なんだけど。料理が苦手な上に仕事に復帰してからの母さんはずっと忙しかった。仕事を家に持ち帰ることも日常茶飯事だったから、夕食作りという苦手な家事から解放されることが何より必要だったのだろう。
「先輩のお母さんが?」
「……中華料理が昔から好きみたい?昔は中国出張も多かったみたいだし」
「へーそうなんですね」
「俺たちにも多少は馴染みのある店ということだな」
でもそんなことはアマミネくん達には言わなくていい。別に、家のことなんて、言ったって……
今日は珍しく母さんの帰宅が早かった。前住んでいた家からは中学の時に引っ越して、今は郊外だけど少し広いところに住んでいる。母さんの通勤時間は前よりかかってるみたいだけど、父さんが単身赴任から帰ってきたら手狭だからという理由らしい。母さんの期待に反して、父さんの単身赴任はまだしばらく続きそうだが。
それから余った部屋をクローゼット兼トロフィールームにして、母さんは満足そうだった。僕は飾らなくていいと言ったのに、あれもこれもと綺麗に並べて「まだ余裕があるから、好きにやりなさい。ここにIA大賞のトロフィーが並ぶ日が来るかしら?」と真剣に棚の容量を心配していた。
「こんな早くに帰ってくるなんて思ってなかったから、簡単な野菜炒めくらいしかできないけど……」
「ありがとう。助かりました」
母さんはあれから変だ。僕相手に敬語で話すことがあるし、なんだか僕の仕事に興味があるみたい。ぴぃちゃんに聞いたら、母さんとぴぃちゃんはやっぱりあの日が初対面だった。もしかして、母さんの仕事で何か関わる機会があるのかも。いわゆる情報収集、マーケティングというやつ。
「今日は豆板醤で中華風……回鍋肉風?にしてみたよ。母さん、好きだったよね」
「うん。懐かしいね、今の家はレストラン遠くて行かなくなっちゃったね」
回鍋肉は例のファミリーレストランで母さんがよく頼んでいたメニュー。自分で作ると失敗するから店でしか頼まない、我が家限定の「あの店といえば」の定番メニューだ。慎重に探りを入れるけど、母さんは呑気に喜んでいる。
「母さん、あの店好きだったよね」
「な、なに。どうしたの。百々人は好きじゃない?小さい頃に食べさせすぎたかな」
僕の突然の発言、母さんは途端に慌て出して、すごく怪しい。演技は割と得意かも。とぼけた表情でかわすのはアマミネくん達のおかげで慣れてるし。
「ううん、結構好きだったよ。でも、最近食べてないなって思って」
「そ、そっか……あそこ、安価でおいしいでしょ。独身の頃から1人で行ったりして、結構好きなの。また今度行こうね」
なんだ、普通に好きなんだ。深く考えすぎだったかも……みんなで撮影の前に食べに行ってみる?そうしたらちょっと盛り上がるかも。それにCMの流れる地域は限られてるけど、母さんの好きなものの仕事だって知ったら、母さんも喜んでくれるかも。
「急にどうしたの?」
「ううん、なんでもない。それより早く食べないと冷めちゃうよ」
母さんきっと驚くだろうな。僕らがあのファミリーレストランのCMだなんて。ニコニコ浮かれてる僕を母さんは怪訝な顔で見ていた。そして、いざ完成したCMを見た時は卒倒してた。思ったより衣装が過激だったらしい。困ったな、これから先、これ以上の露出の仕事がたくさん控えてるんだけど……
