Jupiter
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝の支度がもうちょっと効率よくできれば、あと10分は長く寝れるのにな、と思いながらもその10分を切り捨てられないのが辛い。冬馬くんに会うときは少しでもかわいいって思ってもらいたい、と思うので金曜日だけは頑張って起きるようになり、他の日もなんだかんだで化粧の手の抜き方がわからなくて同じ時間に起きるようになった。
初対面が完全に化粧も落としてルームウェアに着替えた完全にオフの状態で、その後もすっぴんも泣いた顔も散々見られてるんだから何を今更と冬馬くんは思うかもしれないけど、そういうものなのだ。金曜日の夜にだけ遊びに来る冬馬くんのために、金曜日は気合が入る。
「ただいまあ」
「おかえり」
今日は私の帰宅より冬馬くんの方が早かった。冬馬くんは私が昨日の夜に仕込んでおいたカレーを触媒に、今週も無事異世界トリップを成功させたらしい。それで、玄関でもたもたと靴を脱ぐ私の前までやってきて小さい声で「……かわいい」と言う。
「冬馬くんの方がかわいいよ」
「なっ、俺のどこにかわいい要素があるんだよ!」
「……このくたびれた会社員にかわいい要素を見出す方が難しいでしょ」
冬馬くんが来るからと頑張って会社を出る前に化粧を直したときにはそんなことを言わなかったのに、その日いちにち口しか塗り直さないでくたくたになって帰ってきた時に限って、冬馬くんは100パーセントの確率でかわいいと言う。
素直に不思議だなあと思うのとお化粧の労力に見合う評価が下されないのが若干不満で、夕方になってい感じに油が出てツヤ感に見えるのか、とかラメがほどほどに落ちて下まぶたにうつったのが涙袋を演出して見えるのか、とかとか色々考えたのだけどどうにもわからない。冬馬くんに聞いても詳しく教えてくれないし、最終的にこっちが申し訳なくなるくらい照れてしまうので聞き出せないまま。
「ほら、早く手洗ってこいよ。もうできてるから」
半脱げのスプリングコートを肩から引き抜いてくれた優しい冬馬くんをじーっと見ると冬馬くんはふいっと目を逸らしてキッチンに逃げていった。本当に不思議だ。
「ねえ冬馬くん」
「……なんだよ」
「やっぱり詳しく聞きたい」
「嫌だっつってんだろ」
「えー気になるなあ」
「……」
「わかったわかった、もう聞きません」
冬馬くんが目線で抗議してきたので私は引き下がることにした。そういう顔を見るとやっぱり冬馬くんはかわいいと思う。
「カレー、冷めるぞ」
「ああ、うん。サラダもスープも凝っててすごいね。ありがとうね」
「別に、2人分だけだし大したことねえよ」
冬馬くんは17歳らしからぬ静かな微笑を浮かべて、私の頬に手を伸ばした。まつげが付いてたらしい。そういう顔は、アイドルのお仕事で覚えたのだろうか。何回目かの金曜日に冬馬くんが見せてくれたアイドル姿のブロマイドは本当にきらきらしてて、私の知らないどこかで冬馬くんが本当に人気アイドルをやってるのだと理解せずにはいられなかった。
それにしても疲れた顔が好きなんて、随分変わったヘキだ。でも冬馬くんが割と本気で言ってるということは、その熱くて仄暗い目を見たら否定できないのだから、私は黙ってそこから視線を逸らして冬馬くんお手製スペシャルディナーに意識を向けた。
初対面が完全に化粧も落としてルームウェアに着替えた完全にオフの状態で、その後もすっぴんも泣いた顔も散々見られてるんだから何を今更と冬馬くんは思うかもしれないけど、そういうものなのだ。金曜日の夜にだけ遊びに来る冬馬くんのために、金曜日は気合が入る。
「ただいまあ」
「おかえり」
今日は私の帰宅より冬馬くんの方が早かった。冬馬くんは私が昨日の夜に仕込んでおいたカレーを触媒に、今週も無事異世界トリップを成功させたらしい。それで、玄関でもたもたと靴を脱ぐ私の前までやってきて小さい声で「……かわいい」と言う。
「冬馬くんの方がかわいいよ」
「なっ、俺のどこにかわいい要素があるんだよ!」
「……このくたびれた会社員にかわいい要素を見出す方が難しいでしょ」
冬馬くんが来るからと頑張って会社を出る前に化粧を直したときにはそんなことを言わなかったのに、その日いちにち口しか塗り直さないでくたくたになって帰ってきた時に限って、冬馬くんは100パーセントの確率でかわいいと言う。
素直に不思議だなあと思うのとお化粧の労力に見合う評価が下されないのが若干不満で、夕方になってい感じに油が出てツヤ感に見えるのか、とかラメがほどほどに落ちて下まぶたにうつったのが涙袋を演出して見えるのか、とかとか色々考えたのだけどどうにもわからない。冬馬くんに聞いても詳しく教えてくれないし、最終的にこっちが申し訳なくなるくらい照れてしまうので聞き出せないまま。
「ほら、早く手洗ってこいよ。もうできてるから」
半脱げのスプリングコートを肩から引き抜いてくれた優しい冬馬くんをじーっと見ると冬馬くんはふいっと目を逸らしてキッチンに逃げていった。本当に不思議だ。
「ねえ冬馬くん」
「……なんだよ」
「やっぱり詳しく聞きたい」
「嫌だっつってんだろ」
「えー気になるなあ」
「……」
「わかったわかった、もう聞きません」
冬馬くんが目線で抗議してきたので私は引き下がることにした。そういう顔を見るとやっぱり冬馬くんはかわいいと思う。
「カレー、冷めるぞ」
「ああ、うん。サラダもスープも凝っててすごいね。ありがとうね」
「別に、2人分だけだし大したことねえよ」
冬馬くんは17歳らしからぬ静かな微笑を浮かべて、私の頬に手を伸ばした。まつげが付いてたらしい。そういう顔は、アイドルのお仕事で覚えたのだろうか。何回目かの金曜日に冬馬くんが見せてくれたアイドル姿のブロマイドは本当にきらきらしてて、私の知らないどこかで冬馬くんが本当に人気アイドルをやってるのだと理解せずにはいられなかった。
それにしても疲れた顔が好きなんて、随分変わったヘキだ。でも冬馬くんが割と本気で言ってるということは、その熱くて仄暗い目を見たら否定できないのだから、私は黙ってそこから視線を逸らして冬馬くんお手製スペシャルディナーに意識を向けた。
