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「お腹空いたね」
「翔太、あれだけロケ弁食べてまだ足りないの……?」
「だって僕、成長期だからね!」
「ったく、とはいえ今日は何も持ってねーんだよな……北斗は?」
「うーん……俺も特に翔太が満足するようなものは……プロデューサーは?」
「すみません、私もグミの袋しかないな……お昼にもふもふえんの子たちに配っちゃったから」
バラエティの撮影が今日も無事終わり、手早く撤収。後部座席右側に座る翔太がやけに大人しいなと後ろをチラ見しても疲れた様子こそあれ、そこまでではなく。その後にぽつん、と出た言葉が「お腹空いたね」とは、平和なものだなと笑いそうになる。
「うーん……どうしようかな……あ、そこの右手にコンビニあるよ。翔太、コンビニでなんか買ってあげる。北斗くんと冬馬くんも何がいい?」
助手席には冬馬くん、その後ろに北斗くん。2人に声をかけると翔太と3人そろって目を丸くした。
「ほんと?やった、何がいいかな」
「プロデューサー、俺たちまで悪いですよ」
「いいのいいの、たまにはね。北斗くんは何がいい?あっ翔太、ばれたら困るからマスクしてね。冬馬くんも下りるならメガネもう一回かけてね。決まってるようなら私と翔太で買ってくるけど」
「いいよ、俺も下りる……飲み物終わったし」
「なら俺もついてこうかな。すみません、プロデューサー、奢ってもらっちゃって」
メガネとずり下げたマスクの冬馬くん、マスクをして前髪を下ろした翔太、帽子とメガネでトレードマークを一応封印した北斗くん。
やたらスタイルのいい、簡単な変装では隠しきれてるような、いないようなイケメンが3人コンビニに入るのを見て、バレる前に速攻買い物して退却しなければと気合を入れた。
「時間かけずに決めてね!」と伝えた通り、冬馬くんと翔太はレジに直行、北斗くんは水を買いに店内へさりげなく消えていった。分散することで「あの3人」感をうまくごまかしている……ごまかしきれているだろうか??
「プロデューサーさん、僕中華まんね」
「俺がカレーまん……北斗は適当にって言ってたな」
翔太と冬馬くんがこっそり私に耳打ちして、2人は早々に決めたらしい。
「じゃあ私、あんまんにしようかな。北斗くんは……何がいいかな。ピザまんとか食べる?」
「じゃあ俺はそれで」
冬馬くんリクエストの飲み物と自分の分の水を奥の冷蔵庫から取ってきた北斗くんがさらっと合流し、あまりのスムーズさに感動した。すごい、慣れてる!
ありがとうございました、とはどうにも聞こえない店員さんの挨拶に送られて3人でコンビニを出て、そのまま社用車に乗り込んだ。騒ぎにならなかった……レジの店員さんが眠そうな男性店員だったことも大きな勝因だろう。
「プロデューサーさん、僕の肉まん半分あげるからあんまん半分ちょうだい?」
「いいよ、あ、待って先に一口もらっていい?……ありがと」
翔太が絶対熱いから気をつけてねとやけに真剣な顔で言うから、笑いそうになる。信号待ちを待って一口ずつもらい、「ありがと、もういいよ。ご馳走さま」と返すと不満そうな顔をされる。
「一口だけでいいの?いっぱい食べなよ」
「実はね……遅い時間のこういうご飯ってすっごく美味しいけどね、体重気にする人には結構ギルティなんだよ……」
「えっプロデューサーさん体重気にしてるの!?」
「わ、私だって一応女の子……成人女性だよ!?765の人たち……律子さんとかプロデューサーさんとか小鳥さんとたまにご飯行ったりするとやっぱり2人はかわいいし細いし……気になるんだよ!」
「プロデューサー、十分細いですよ」
「やめてください!これ以上余計な肉をつけるわけにはいかないんです!」
「っていうか765プロのやつらとメシ行ってんのかよ!」
「お仕事の一環だってば!よその事務所……うちより歴史のある765プロだよ?盗めるテクは盗みまくらなきゃ」
「プロデューサーさん僕たちがご飯誘うと忙しいからって断るのに、765プロの人たちとはご飯行くんだ……僕、そんな、僕たちよりよその事務所の人と仲良いなんて……ショックだな……」
「他のアイドルと仕事してるのも妬けますけど、同業者相手でも結構嫉妬するんですよ……やっぱり強引に奪い返したほうがよかったかな?……ほら、冬馬も」
「こら!2人ともからかわないで!北斗くんは冬馬くんを巻き込まない!」
上手な嘘泣きを始めた翔太に、いつかのように真顔でからかう北斗くん、冬馬くんは2人がふざけてるところに便乗するよう促されることもしばしばだから先回って釘を刺した。
再び信号待ちになって、ため息をつく。
「ほら、せっかくあったかいの買ったのに冷めちゃうよ。急に寒くなったし、体調管理に気をつけてね」
「ならプロデューサーも栄養つけないとね」
助手席の後ろから北斗くんが身を乗り出して、ピザまんを口元に持ってきた。こ、この人たち、本気で私に食べさせるつもりだ……
「ほら、プロデューサーさん!信号変わっちゃうよ。早く早く!僕の肉まんとあんまんもあるんだから」
一口ぐらい変わらないよ!と翔太に急かされ、控えめに一口北斗くんからピザまんをいただく。食べかけなので思いっきり間接……………気にしない、気にしない……
「控えめですね、もっと食べてもいいんですよ」
「本当に太るんで勘弁してください!」
「プロデューサー、太る心配より先に病気の心配しろよな。あんた、いつもゼリーやらバーばっかりだろ」
「ぐっ!!!!どこで、それを!」
驚きすぎて思いっきり噎せ、咳き込むと北斗くんは冬馬、水!水!と慌てて、翔太は「っていうか事務所のみんなが知ってるよね」とやれやれのポーズを示した。
真横から慌ててさし出されたペットボトルを一口飲んで、ありがとうねと返すと冬馬くんはおう、とそっぽを向いたまま返事をした。横を向いてるけど耳が真っ赤だ。
「間接キス、したね」
「北斗くん余計なこと言わない!翔太!爆笑しない!!」
神妙な顔で北斗くんが誰もが気づいていて黙っていた事実を堂々と告げ、翔太は我慢の限界とでも言わんばかりに爆笑した。
「っていうか翔太も北斗も肉まんプロデューサーにやっただろ!」
「うん、僕とプロデューサーさんも間接キスだね!」
「プロデューサー、もう一口食べます?」
「間に合ってます!」
楽しそうな後部座席と気まずすぎる前方、賑やかな車内の様子は外からはきっとわからないだろう。
まだ喉に引っかかるような違和感を感じて咳をすると左側からふたの空いたペットボトルが差し出された。
「……」
「……あんたが咳き込んで、操作ミスで事故になったら困るから!!!!!!!」
「あはは冬馬くんツンデレってやつ~!」
「翔太、あんまりからかうなよ。冬馬がかわいそうじゃないか」
再び爆発しそうな冬馬くんはかわいそうだけどありがたく一口いただいて、「ありがとう、ご馳走さま」と笑いかけると今度こそ真っ赤になって口をぱくぱくと開閉した。
「今のはプロデューサーさんが悪いと思うな~」
「そうですよ、プロデューサー。ちょっとは考えてくれなきゃ」
「もー2人ともからかわないで!ほんとに事故りそうだから!」
寒くなってきたし、今度はおでんがいいなと翔太が笑い北斗くんがおでんは車内で食べるのは難しいなと返し、冬馬くんはむっつりとしたままだけどおでんならうちで作ればいいだろと2人に返す。
「そうしたら、その時はプロデューサーもどうですか?おでんたべながら作戦会議、中々ですよ」
「いいじゃん、いいじゃん!ねえプロデューサーさんもおいでよ」
「本当に?冬馬くんちのおでん食べてみたいなあ」
「あーっもう!好きなだけ食べに来いよ!」
次の約束を取り付けて、社用車はまずは翔太の家へ向かう。おでんの次は、あるのかな。その時は何がいいかな。食べ盛り3人が満足できて、プロデューサーとしてはあんまり太らなそうなメニューがいいな。
「翔太、あれだけロケ弁食べてまだ足りないの……?」
「だって僕、成長期だからね!」
「ったく、とはいえ今日は何も持ってねーんだよな……北斗は?」
「うーん……俺も特に翔太が満足するようなものは……プロデューサーは?」
「すみません、私もグミの袋しかないな……お昼にもふもふえんの子たちに配っちゃったから」
バラエティの撮影が今日も無事終わり、手早く撤収。後部座席右側に座る翔太がやけに大人しいなと後ろをチラ見しても疲れた様子こそあれ、そこまでではなく。その後にぽつん、と出た言葉が「お腹空いたね」とは、平和なものだなと笑いそうになる。
「うーん……どうしようかな……あ、そこの右手にコンビニあるよ。翔太、コンビニでなんか買ってあげる。北斗くんと冬馬くんも何がいい?」
助手席には冬馬くん、その後ろに北斗くん。2人に声をかけると翔太と3人そろって目を丸くした。
「ほんと?やった、何がいいかな」
「プロデューサー、俺たちまで悪いですよ」
「いいのいいの、たまにはね。北斗くんは何がいい?あっ翔太、ばれたら困るからマスクしてね。冬馬くんも下りるならメガネもう一回かけてね。決まってるようなら私と翔太で買ってくるけど」
「いいよ、俺も下りる……飲み物終わったし」
「なら俺もついてこうかな。すみません、プロデューサー、奢ってもらっちゃって」
メガネとずり下げたマスクの冬馬くん、マスクをして前髪を下ろした翔太、帽子とメガネでトレードマークを一応封印した北斗くん。
やたらスタイルのいい、簡単な変装では隠しきれてるような、いないようなイケメンが3人コンビニに入るのを見て、バレる前に速攻買い物して退却しなければと気合を入れた。
「時間かけずに決めてね!」と伝えた通り、冬馬くんと翔太はレジに直行、北斗くんは水を買いに店内へさりげなく消えていった。分散することで「あの3人」感をうまくごまかしている……ごまかしきれているだろうか??
「プロデューサーさん、僕中華まんね」
「俺がカレーまん……北斗は適当にって言ってたな」
翔太と冬馬くんがこっそり私に耳打ちして、2人は早々に決めたらしい。
「じゃあ私、あんまんにしようかな。北斗くんは……何がいいかな。ピザまんとか食べる?」
「じゃあ俺はそれで」
冬馬くんリクエストの飲み物と自分の分の水を奥の冷蔵庫から取ってきた北斗くんがさらっと合流し、あまりのスムーズさに感動した。すごい、慣れてる!
ありがとうございました、とはどうにも聞こえない店員さんの挨拶に送られて3人でコンビニを出て、そのまま社用車に乗り込んだ。騒ぎにならなかった……レジの店員さんが眠そうな男性店員だったことも大きな勝因だろう。
「プロデューサーさん、僕の肉まん半分あげるからあんまん半分ちょうだい?」
「いいよ、あ、待って先に一口もらっていい?……ありがと」
翔太が絶対熱いから気をつけてねとやけに真剣な顔で言うから、笑いそうになる。信号待ちを待って一口ずつもらい、「ありがと、もういいよ。ご馳走さま」と返すと不満そうな顔をされる。
「一口だけでいいの?いっぱい食べなよ」
「実はね……遅い時間のこういうご飯ってすっごく美味しいけどね、体重気にする人には結構ギルティなんだよ……」
「えっプロデューサーさん体重気にしてるの!?」
「わ、私だって一応女の子……成人女性だよ!?765の人たち……律子さんとかプロデューサーさんとか小鳥さんとたまにご飯行ったりするとやっぱり2人はかわいいし細いし……気になるんだよ!」
「プロデューサー、十分細いですよ」
「やめてください!これ以上余計な肉をつけるわけにはいかないんです!」
「っていうか765プロのやつらとメシ行ってんのかよ!」
「お仕事の一環だってば!よその事務所……うちより歴史のある765プロだよ?盗めるテクは盗みまくらなきゃ」
「プロデューサーさん僕たちがご飯誘うと忙しいからって断るのに、765プロの人たちとはご飯行くんだ……僕、そんな、僕たちよりよその事務所の人と仲良いなんて……ショックだな……」
「他のアイドルと仕事してるのも妬けますけど、同業者相手でも結構嫉妬するんですよ……やっぱり強引に奪い返したほうがよかったかな?……ほら、冬馬も」
「こら!2人ともからかわないで!北斗くんは冬馬くんを巻き込まない!」
上手な嘘泣きを始めた翔太に、いつかのように真顔でからかう北斗くん、冬馬くんは2人がふざけてるところに便乗するよう促されることもしばしばだから先回って釘を刺した。
再び信号待ちになって、ため息をつく。
「ほら、せっかくあったかいの買ったのに冷めちゃうよ。急に寒くなったし、体調管理に気をつけてね」
「ならプロデューサーも栄養つけないとね」
助手席の後ろから北斗くんが身を乗り出して、ピザまんを口元に持ってきた。こ、この人たち、本気で私に食べさせるつもりだ……
「ほら、プロデューサーさん!信号変わっちゃうよ。早く早く!僕の肉まんとあんまんもあるんだから」
一口ぐらい変わらないよ!と翔太に急かされ、控えめに一口北斗くんからピザまんをいただく。食べかけなので思いっきり間接……………気にしない、気にしない……
「控えめですね、もっと食べてもいいんですよ」
「本当に太るんで勘弁してください!」
「プロデューサー、太る心配より先に病気の心配しろよな。あんた、いつもゼリーやらバーばっかりだろ」
「ぐっ!!!!どこで、それを!」
驚きすぎて思いっきり噎せ、咳き込むと北斗くんは冬馬、水!水!と慌てて、翔太は「っていうか事務所のみんなが知ってるよね」とやれやれのポーズを示した。
真横から慌ててさし出されたペットボトルを一口飲んで、ありがとうねと返すと冬馬くんはおう、とそっぽを向いたまま返事をした。横を向いてるけど耳が真っ赤だ。
「間接キス、したね」
「北斗くん余計なこと言わない!翔太!爆笑しない!!」
神妙な顔で北斗くんが誰もが気づいていて黙っていた事実を堂々と告げ、翔太は我慢の限界とでも言わんばかりに爆笑した。
「っていうか翔太も北斗も肉まんプロデューサーにやっただろ!」
「うん、僕とプロデューサーさんも間接キスだね!」
「プロデューサー、もう一口食べます?」
「間に合ってます!」
楽しそうな後部座席と気まずすぎる前方、賑やかな車内の様子は外からはきっとわからないだろう。
まだ喉に引っかかるような違和感を感じて咳をすると左側からふたの空いたペットボトルが差し出された。
「……」
「……あんたが咳き込んで、操作ミスで事故になったら困るから!!!!!!!」
「あはは冬馬くんツンデレってやつ~!」
「翔太、あんまりからかうなよ。冬馬がかわいそうじゃないか」
再び爆発しそうな冬馬くんはかわいそうだけどありがたく一口いただいて、「ありがとう、ご馳走さま」と笑いかけると今度こそ真っ赤になって口をぱくぱくと開閉した。
「今のはプロデューサーさんが悪いと思うな~」
「そうですよ、プロデューサー。ちょっとは考えてくれなきゃ」
「もー2人ともからかわないで!ほんとに事故りそうだから!」
寒くなってきたし、今度はおでんがいいなと翔太が笑い北斗くんがおでんは車内で食べるのは難しいなと返し、冬馬くんはむっつりとしたままだけどおでんならうちで作ればいいだろと2人に返す。
「そうしたら、その時はプロデューサーもどうですか?おでんたべながら作戦会議、中々ですよ」
「いいじゃん、いいじゃん!ねえプロデューサーさんもおいでよ」
「本当に?冬馬くんちのおでん食べてみたいなあ」
「あーっもう!好きなだけ食べに来いよ!」
次の約束を取り付けて、社用車はまずは翔太の家へ向かう。おでんの次は、あるのかな。その時は何がいいかな。食べ盛り3人が満足できて、プロデューサーとしてはあんまり太らなそうなメニューがいいな。
