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「どうです?」
「いや、なんていうか、その……よくお似合いですね」
「そうですか?あなたにそう言ってもらえたならよかった」
黒いスーツは重たい生地で大きなダイヤモンドの袖ボタン、光沢のある紫色のシャツ、同じく光沢のあるベスト、黒いネクタイは銀の豪華な刺繍が大胆に施され、さっとあげた左腕からは豪華な石のはめ込まれた派手なセルペンティが覗き、五本の指全てに精巧にカットされた大粒の石があしらわれた指輪をしている。チラリと覗くベルトもゴテゴテしていて動くたびにが光を放つ。
「右手も指輪されてるんですよね?」
「ええ、メリケンサックのかわりですから……戦闘力はばっちりですよ」
北斗さんはにこっと笑って右手を握り軽く前に突き出す仕草をして見せた。スタジオのライトできらきら光るだろう。私は思わず感嘆のため息をもらした。
北斗さんのこの派手すぎる格好は私服でもなんでもなく、映画のための衣装だ。主人公の敵となるラグジュアリーインテリヤクザの役でオファーを受け、数ヶ月かけてボクシングやらストリートファイトを丁寧に学び、脱いだらまじやばいと事務所で密かに噂されるレベルに仕上げてきた。仕上がったカラダは撮影で惜しみなく披露され先日の悪巧みシーンの撮影では真っ白なバスローブをはだけさせた姿が世界一ハマっていたし今日の全身ブルガリで固めた姿はまた威圧感がすごい。この後千切っては投げ、殴り飛ばす、アクションシーンが待っている。動きにくそうなスーツでのアクションは気がすすまないかと思いきやカメラテストはばっちりだった。
「緊張してますか?」
「いえ、それほど……練習なら満足に積ませてもらいましたし、相手もプロの方だそうですから」
「……落ち着かせてるところでした?」
からかうのはやめてくださいと北斗さんが眉を寄せてため息を吐く。革張りのソファに長い脚を組んで腰掛け、膝の上で手を組みはあと重たいため息をこぼした。
「大丈夫ですよ、すっごく悪そうに見えます」
「そうだといいんですが」
指先でばら撒かれた宝石を拾っては確かめて元に戻す、暇つぶしの仕草さえはまっている。いけますって、中身のない私の励ましに北斗さんは視線だけ寄越して、何を根拠にと呆れてみせた。北斗さんの袖から覗くセルペンティが怪しく光っている。
「いや、なんていうか、その……よくお似合いですね」
「そうですか?あなたにそう言ってもらえたならよかった」
黒いスーツは重たい生地で大きなダイヤモンドの袖ボタン、光沢のある紫色のシャツ、同じく光沢のあるベスト、黒いネクタイは銀の豪華な刺繍が大胆に施され、さっとあげた左腕からは豪華な石のはめ込まれた派手なセルペンティが覗き、五本の指全てに精巧にカットされた大粒の石があしらわれた指輪をしている。チラリと覗くベルトもゴテゴテしていて動くたびにが光を放つ。
「右手も指輪されてるんですよね?」
「ええ、メリケンサックのかわりですから……戦闘力はばっちりですよ」
北斗さんはにこっと笑って右手を握り軽く前に突き出す仕草をして見せた。スタジオのライトできらきら光るだろう。私は思わず感嘆のため息をもらした。
北斗さんのこの派手すぎる格好は私服でもなんでもなく、映画のための衣装だ。主人公の敵となるラグジュアリーインテリヤクザの役でオファーを受け、数ヶ月かけてボクシングやらストリートファイトを丁寧に学び、脱いだらまじやばいと事務所で密かに噂されるレベルに仕上げてきた。仕上がったカラダは撮影で惜しみなく披露され先日の悪巧みシーンの撮影では真っ白なバスローブをはだけさせた姿が世界一ハマっていたし今日の全身ブルガリで固めた姿はまた威圧感がすごい。この後千切っては投げ、殴り飛ばす、アクションシーンが待っている。動きにくそうなスーツでのアクションは気がすすまないかと思いきやカメラテストはばっちりだった。
「緊張してますか?」
「いえ、それほど……練習なら満足に積ませてもらいましたし、相手もプロの方だそうですから」
「……落ち着かせてるところでした?」
からかうのはやめてくださいと北斗さんが眉を寄せてため息を吐く。革張りのソファに長い脚を組んで腰掛け、膝の上で手を組みはあと重たいため息をこぼした。
「大丈夫ですよ、すっごく悪そうに見えます」
「そうだといいんですが」
指先でばら撒かれた宝石を拾っては確かめて元に戻す、暇つぶしの仕草さえはまっている。いけますって、中身のない私の励ましに北斗さんは視線だけ寄越して、何を根拠にと呆れてみせた。北斗さんの袖から覗くセルペンティが怪しく光っている。
