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婚約指輪は給料三か月分っていったい何が基準なんだろうな。でも昔からいつか名前さんに給料三か月分の立派なダイヤモンドのついた指輪をあげるのだと信じて疑わなかった。名前さんを好きになって20年、アイドルになって数年。ようやく結婚できそうな感じになって、決心もついて、それから給料3か月分の指輪が買えそうなところまできた。予算に合わせて指輪を探した。名前さんの指に似合うのはどれだろう。シルバーよりはピンクっぽいやつのほうがあの人の雰囲気に合うよな。ダイヤも大きいのを選ぼうと思えば選べる予算だったけど名前さんはそんな派手なやつよりは複雑なカットとかかわいいやつのほうがすきだろうな。そんなことをしばらくやってようやく候補を3つくらいに絞った。「恭二、こういうのは相手の意見も聞かないと」みのりさんに相談して俺はようやく名前さんにカタログを持って行った。
「あのさ、婚約指輪なんだけど」
「うん」
「どれがいいかな。俺だけが決めるのも違う気がして……」
俺の尻すぼみになる言葉とは反対に名前さんはカタログを見て白目を剥く勢いで、慌てた。趣味に合わなかったか!?と焦る俺に対して名前さんは「うそでしょ……」とブランド名を片言でつぶやいている。
「き、恭二くん本気?恭二くんがするならまだしも、私にこんな指輪を……?」
「に、20年分だからこれくらいの金額になってもおかしくないだろ!」
「20年……」
名前さんは茫然として身を起こし、「そっか、私たち出会ってもう20年にもなるのね」といった。20年もの間変わらず名前さんのことが好きなのが思いがけず露見して俺は微妙に気まずい思いをした。高校の時、名前さんに彼氏ができて一度初恋ながら失恋したことを思いだす。あっさり分かれるかと思いきや結構長く続いて分かれてすぐ告白するのもずるいような気がして、ようやくここまでこぎつけたのだ。
「恭二くんはどれがいい?」
「えっ俺?」
「うん」
3つを見比べた。どれもモチーフやデザインが捨てがたかった。でも名前さんの顔を見て、どれか1つと言われたら1つしか選べなかった。
「俺は、これがいいと思う」
「……私も」
これが一番つけやすくてかわいいなって思った。恭二くん、選んでくれてありがとう。その言葉を聞いて名前さんの細い指に合うサイズの指輪をすぐに買いに行こう、と思った。俺が選んで名前さんが決めたのだから、あの小さなダイヤの乗った指輪は似合わないはずがないと思った。
