-
ある日の帰り道
肩を並べながら歩道を歩く
-
凛
今日は遅くまで手伝ってくれてありがとう
-
凛
1人じゃ絶対に終わらなかったよ……
-
南野秀一
構いませんよ、最近何かと考えることが多くていい気分転換になりました
-
凛
ここのところ戦い続きだったもんね
-
南野秀一
そうですね、オレにもっと力があればキミに負担をかけることもないんだけどね
-
蔵馬はそういうと立ち止まり、空を見上げた
つられて私も上を見る
オレンジ色から徐々に青へと変わっていく綺麗な空が目に映る
-
南野秀一
こんな平和な日がずっと続けばいい
-
凛
うん……
-
南野秀一
願わくば……君の側で……
-
その時ぶわっと風が吹く
2人の髪を舞い上がらせるような少し強い風
-
凛
え?蔵馬なにか言った?風でよく聞こえなかったよ
-
南野秀一
いえ、なにも?
-
凛
えー?
-
凛
……ホントに?
-
南野秀一
このまま……
-
南野秀一
……平和な日をキミと過ごせればいいって言ったんですよ
-
凛
……そうだね
私もこんな風にずっと蔵馬とお話出来たら幸せだなあ -
南野秀一
今度は何があってもオレがキミを守ります
-
凛
私だって同じ気持ちだよ?
-
凛
昔より強くそう思ってる
-
南野秀一
……そうですね
-
凛
もっと力があればってさっき言っていたけれど、私はいつも蔵馬に守ってもらってばっかりだよ
-
凛
……負担かけてしまっているのは私の方だ
-
南野秀一
負担だなんて……そんな風に思ったことないですよ
-
凛
私だってないよ!
だからね、2人で力を合わせて生きていこうね -
凛
いや、2人ってのはおかしいかな?今は信頼出来るみんながいるもの
-
南野秀一
あの時とは違う、信頼出来る仲間がいる……か
-
凛
ふふ、仲間か……素敵な事だよね
-
南野秀一
昔のオレじゃ考えられないな
-
あたりは暗くなり少し冷たい風が吹き始める
空には星が見え始めている
オレンジ色はいつの間にかなくなり青から濃紺へとかわるグラデーションになっていた
-
南野秀一
少し冷えてきましたね、帰りましょうか
-
凛
そうだね、帰ろう
-
南野秀一
凛
-
凛
なーに?
-
南野秀一
……いえ
-
凛
うん?
-
南野秀一
明日の現国当たりそうですよ
-
凛
ええ!?
タップで続きを読む