短いお話
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「わあ、きれい…!」
「見事なものだな、もっと近くで見よう」
念願の水族館へと到着した二人。
中に入るなり目の前に広がる巨大な水槽にたくさんの魚影が泳いでいるのにアリアは目を輝かせてユーシスを見上げた。
近くで見ようとアリアの腰を抱き水槽の近くへと進みながらユーシスも水槽を見上げ、大したものだと感心する。
「ユーシスすごい!おさかなきれいね…!」
水槽のガラスに手をつき、額がくっつかんばかりに顔を近づけるアリア。瞳に反射するガラス越しの海の青が薄桃色と混ざり合い神秘的な色を放つのが眩しくてユーシスは思わず目を細めた。
青、緑、黒、赤、様々な色の魚が泳ぎ過ぎるのをアリアの瞳が追う。その度に彼女の瞳に差し色が入り、グラデーションのように色が変化する。ユーシスはまるでそれを万華鏡のようだと眺めていた。
「ユーシス?おさかな見て!」
気がつけばアリアが口を尖らせていた。
「わたしはおさかなじゃないよ」
確かにそうだ、と笑いを漏らす。しかし、目の前の水槽より美しいものに見惚れていただけの話である。ユーシスにとっては魚よりも、魚を見て輝くアリアの瞳の方がよっぽど見る価値があるものなのだ。
「ねえ、あの白いのと黒いの、みーちゃんとあーちゃんみたい」
「どれだ?ああ、本当に仲が良さそうだな」
けれど、同じものを見て感じたことを共有することも大切だ。少しかがみ魚を指差し微笑むアリアと視線を合わせて水槽を眺める。
幻想的な水中の世界になかなか悪くないと感心していると、アリアの視線がユーシスの横顔を見ているのに気がつき首を傾げる。
「ん?」
「……ッ、んーん、なんでもない」
するとフイと視線を逸らしてしまうアリア。
足早に次の水槽へと向かうのをユーシスは慌てて引き留めて後ろから抱きしめる。
「わ、あ」
「俺を見ていたのか?」
「うっ……聞かないで…」
顔を覗き込むと薄暗い水族館の中でもわかるほどに頬を染めて、ピンクダイヤの瞳を潤ませているのにユーシスは「魚を見るんじゃなかったのか?」と耳元で悪戯に囁きかけた。するとアリアが身体を翻しユーシスを上目遣いに見つめて小声で呟く。
「だって…ユーシス…かっこよくて……」
ここが大衆の面前でなかったら間違いなく口付けていただろうとユーシスはため息を吐いた。
「お魚が通るたびユーシス、キラキラで…それで…」
「わかった、わかったから。もういい。」
自分まで赤面しそうだとユーシスはアリアの頭を撫でて話を切り上げ、恥ずかしがらせるつもりがこちらも同じくらい恥ずかしい思いをするとはと、咳払いをして誤魔化す。
先に進もうと手を引き誘導すると「ふふっ」と気の抜けたアリアの笑い声がしてユーシスは振り返るものかとさらに足早に進む。それに対してもアリアはおかしそうに小さく笑い声を漏らしていてついに観念して振り返ると、本当に本当に愛おしそうに自分を見つめるピンクダイヤの瞳と視線が合いユーシスの心は広くて深い海に飲み込まれてしまったかのように苦しく甘く満たされるのであった。
――
水族館は完全な創作、きっとジュライとかにあるのかな?
ちなみにこの話はすごーく先に考えているお話の真ん中あたりのお話
「見事なものだな、もっと近くで見よう」
念願の水族館へと到着した二人。
中に入るなり目の前に広がる巨大な水槽にたくさんの魚影が泳いでいるのにアリアは目を輝かせてユーシスを見上げた。
近くで見ようとアリアの腰を抱き水槽の近くへと進みながらユーシスも水槽を見上げ、大したものだと感心する。
「ユーシスすごい!おさかなきれいね…!」
水槽のガラスに手をつき、額がくっつかんばかりに顔を近づけるアリア。瞳に反射するガラス越しの海の青が薄桃色と混ざり合い神秘的な色を放つのが眩しくてユーシスは思わず目を細めた。
青、緑、黒、赤、様々な色の魚が泳ぎ過ぎるのをアリアの瞳が追う。その度に彼女の瞳に差し色が入り、グラデーションのように色が変化する。ユーシスはまるでそれを万華鏡のようだと眺めていた。
「ユーシス?おさかな見て!」
気がつけばアリアが口を尖らせていた。
「わたしはおさかなじゃないよ」
確かにそうだ、と笑いを漏らす。しかし、目の前の水槽より美しいものに見惚れていただけの話である。ユーシスにとっては魚よりも、魚を見て輝くアリアの瞳の方がよっぽど見る価値があるものなのだ。
「ねえ、あの白いのと黒いの、みーちゃんとあーちゃんみたい」
「どれだ?ああ、本当に仲が良さそうだな」
けれど、同じものを見て感じたことを共有することも大切だ。少しかがみ魚を指差し微笑むアリアと視線を合わせて水槽を眺める。
幻想的な水中の世界になかなか悪くないと感心していると、アリアの視線がユーシスの横顔を見ているのに気がつき首を傾げる。
「ん?」
「……ッ、んーん、なんでもない」
するとフイと視線を逸らしてしまうアリア。
足早に次の水槽へと向かうのをユーシスは慌てて引き留めて後ろから抱きしめる。
「わ、あ」
「俺を見ていたのか?」
「うっ……聞かないで…」
顔を覗き込むと薄暗い水族館の中でもわかるほどに頬を染めて、ピンクダイヤの瞳を潤ませているのにユーシスは「魚を見るんじゃなかったのか?」と耳元で悪戯に囁きかけた。するとアリアが身体を翻しユーシスを上目遣いに見つめて小声で呟く。
「だって…ユーシス…かっこよくて……」
ここが大衆の面前でなかったら間違いなく口付けていただろうとユーシスはため息を吐いた。
「お魚が通るたびユーシス、キラキラで…それで…」
「わかった、わかったから。もういい。」
自分まで赤面しそうだとユーシスはアリアの頭を撫でて話を切り上げ、恥ずかしがらせるつもりがこちらも同じくらい恥ずかしい思いをするとはと、咳払いをして誤魔化す。
先に進もうと手を引き誘導すると「ふふっ」と気の抜けたアリアの笑い声がしてユーシスは振り返るものかとさらに足早に進む。それに対してもアリアはおかしそうに小さく笑い声を漏らしていてついに観念して振り返ると、本当に本当に愛おしそうに自分を見つめるピンクダイヤの瞳と視線が合いユーシスの心は広くて深い海に飲み込まれてしまったかのように苦しく甘く満たされるのであった。
――
水族館は完全な創作、きっとジュライとかにあるのかな?
ちなみにこの話はすごーく先に考えているお話の真ん中あたりのお話