短いお話
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「ほんとに大丈夫か?」
「うん、大丈夫にしないと。このまま一緒にいたら…」
風に舞った薄桃の髪が、ベッドの上の時みたいにライノの花のようにクロウの瞳に映った。
「あなたのこと、好きになっちゃう」
儚い笑顔だった。
「もうとっくに依存してるから、戻れなくなっちゃう」
「俺は…それでいいよ。」
クロウは呟きながら意味のない言葉だと思った。
「……私は、だめなの。もちろん、あなたにとっても。」
クロウも頭ではだめなことくらい分かっていたし、いつかこんな不毛な感情に嫌気がさすこともわかりきっていた。それでもアリアを目の前にすると、何を差し置いても手を伸ばしたくなってしまう。
もう何度つけたかわからない踏ん切りを、今日もつける。
「……何かあったらすぐ連絡しろよ。」
「どだろ?」
「いやしろよ、俺の心労を増やさないでくれ」
「だって、クロウ断ち?しなきゃ、我慢我慢。」
「なんだそれ」
クロウは苦笑いを浮かべたが、アリアはくしゃりと泣き出しそうな笑顔で呟いた。
「だって、もうあなたに抱きつきたい…」
「ッ……」
ああ、そんなこと言われたら――
クロウが一歩踏み出すとアリアが一歩引く。
なんてもどかしい。
甘酸っぱくと言うにはあまりに苦しく胸を焦がした。
今この瞬間は世界で一番お互いがお互いを求め合っているのに結ばれることはない。
後先のことなんて考えずにアリアを抱き寄せられたらどれほど幸せか。クロウはありもしない幸せに胸焼けがしそうだった。
◆
決別を選んだふたりのはなし
きっと夢主は違う誰かを選んだんだろうね
「うん、大丈夫にしないと。このまま一緒にいたら…」
風に舞った薄桃の髪が、ベッドの上の時みたいにライノの花のようにクロウの瞳に映った。
「あなたのこと、好きになっちゃう」
儚い笑顔だった。
「もうとっくに依存してるから、戻れなくなっちゃう」
「俺は…それでいいよ。」
クロウは呟きながら意味のない言葉だと思った。
「……私は、だめなの。もちろん、あなたにとっても。」
クロウも頭ではだめなことくらい分かっていたし、いつかこんな不毛な感情に嫌気がさすこともわかりきっていた。それでもアリアを目の前にすると、何を差し置いても手を伸ばしたくなってしまう。
もう何度つけたかわからない踏ん切りを、今日もつける。
「……何かあったらすぐ連絡しろよ。」
「どだろ?」
「いやしろよ、俺の心労を増やさないでくれ」
「だって、クロウ断ち?しなきゃ、我慢我慢。」
「なんだそれ」
クロウは苦笑いを浮かべたが、アリアはくしゃりと泣き出しそうな笑顔で呟いた。
「だって、もうあなたに抱きつきたい…」
「ッ……」
ああ、そんなこと言われたら――
クロウが一歩踏み出すとアリアが一歩引く。
なんてもどかしい。
甘酸っぱくと言うにはあまりに苦しく胸を焦がした。
今この瞬間は世界で一番お互いがお互いを求め合っているのに結ばれることはない。
後先のことなんて考えずにアリアを抱き寄せられたらどれほど幸せか。クロウはありもしない幸せに胸焼けがしそうだった。
◆
決別を選んだふたりのはなし
きっと夢主は違う誰かを選んだんだろうね