残雪とハデスの兜
【裏切り者の正体】
仮タイトル:露われた木馬の脚
「よお、ヨハン。遅かったな」足元には眉間を撃ち抜かれて息絶えたスポットの亡骸 その顔は涙に濡れ、恐怖に歪んでいる
「……バリオス……?」
「バレちまったからバラすけど。俺、実はスパイなんだわ。バリオスって名前も、過去も、全部嘘だ」いつも通りの声と口調でへらりと笑う
「いや、全部ってのは語弊があるか。お前らと過ごした時間はほんとに楽しかったし」
「うちのボスの命令で18年前から潜り込んでたんだが〝寂しいからそろそろ帰ってきて〟って言われてよ。そんなんもう速攻帰るしかねえよな」「でも、帰るなら帰るで土産のひとつもなきゃカッコつかねえだろ」
「ああそうだ、バラすついでにこれも言っとくか」
ポケットを漁り、何かを放る 細く華奢な薬指 ヨハンには見覚えしかない指輪が嵌められている あの日、妻の死体から左手の薬指が指輪ごとなくなっていた
「スポットに紅風──それから、お前の嫁さんとガキども。全員、俺が殺したんだ」
妻子との幸せな日々、バリオスと笑いあった日々、妻子やバリオスと過ごした穏やかな日が次々にフラッシュバック 獣のような咆哮を上げ、怒りと悲しみで我を忘れて殴りかかる
「なぜだ!!!!なぜ彼女を、あの子たちを殺した!!??なぜ彼女たちが死ななければならなかったのだ!!!!」
「お前の最愛だからさ」
感情の比重は悲しみ≧混乱・動揺>怒り 怒りや憎しみも相当強いけどそれ以上に悲しみが強い
まんまとバリオスが逃げおおせた後、妻の指を抱きしめて絶叫するヨハン
仮タイトル:露われた木馬の脚
「よお、ヨハン。遅かったな」足元には眉間を撃ち抜かれて息絶えたスポットの亡骸 その顔は涙に濡れ、恐怖に歪んでいる
「……バリオス……?」
「バレちまったからバラすけど。俺、実はスパイなんだわ。バリオスって名前も、過去も、全部嘘だ」いつも通りの声と口調でへらりと笑う
「いや、全部ってのは語弊があるか。お前らと過ごした時間はほんとに楽しかったし」
「うちのボスの命令で18年前から潜り込んでたんだが〝寂しいからそろそろ帰ってきて〟って言われてよ。そんなんもう速攻帰るしかねえよな」「でも、帰るなら帰るで土産のひとつもなきゃカッコつかねえだろ」
「ああそうだ、バラすついでにこれも言っとくか」
ポケットを漁り、何かを放る 細く華奢な薬指 ヨハンには見覚えしかない指輪が嵌められている あの日、妻の死体から左手の薬指が指輪ごとなくなっていた
「スポットに紅風──それから、お前の嫁さんとガキども。全員、俺が殺したんだ」
妻子との幸せな日々、バリオスと笑いあった日々、妻子やバリオスと過ごした穏やかな日が次々にフラッシュバック 獣のような咆哮を上げ、怒りと悲しみで我を忘れて殴りかかる
「なぜだ!!!!なぜ彼女を、あの子たちを殺した!!??なぜ彼女たちが死ななければならなかったのだ!!!!」
「お前の最愛だからさ」
感情の比重は悲しみ≧混乱・動揺>怒り 怒りや憎しみも相当強いけどそれ以上に悲しみが強い
まんまとバリオスが逃げおおせた後、妻の指を抱きしめて絶叫するヨハン
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