番外編・SS
※ザ・ホームウェイ、碧の仮面のネタバレあり
※本文中の「アスーカル」は紫パオリトレ♀、「バニラ」は拙宅オーガポン CP要素なし
紫パ×あしかさん宅2年後黒軍さん交流コラボ
【Nuestro tesoro】
よく晴れた秋の昼下がり。ともっこプラザに楽しげな笑い声が響く。みんなとサッカーに興じていたゴチルゼル――アンブリオはとうとう大の字にひっくり返った。
『だーっ、もう無理!!ちょっと休憩!!』
『フンッ、だらしないな!俺とマツリを見習え!』
『ふたりが体力オバケなだけだろー!』
額の汗を拭いながらアークの野次に軽口を返す。人型になって体を起こすと、クルフカにちょいちょいと袖を引かれた。
『ねーリオちん、休憩ついでにレッちん見ててくれん?あそこで寝てるからボール当たらんようにしたげて?』
彼女が示した方へ目をこらすと、木陰の草むらでマスカーニャが丸くなっていた。先程まで一緒にボールを蹴っていたはずなのに。
「任せろ!つーかいつの間に抜けたんだ?全然気付かなかった」
『あはは、いつもそうなんよ?いないなーって思ったら寝てたり、寝てるなーって思ったらそこにいたり?』
けらけら笑うクルフカは『よろぴ~?』と手を振ってサッカーに混ざっていった。手を振り返して木陰に移動し、レチェフの隣に腰を下ろす。手を後ろにつき、両足はやわらかい草の上に投げ出して、ゆっくり視線を巡らせた。
広場の中心ではアーク、ロスコデヴィ、ナティージャ、クルフカ、ロゥがきゃあきゃあ歓声を上げながらボールを追い回している。
少し離れたテーブルで擬人化したアビリルタとダックワーズとサヴァランが熱心に話し込んでいた。きっと料理の話をしているのだろう。ランチに振舞ってくれたサンドウィッチはどれも本当においしかった。……トレーナーたちがふざけて作ったベーコンタワーサンドウィッチはひどいものだったけれど。
さらに奥ではコジョンドとソウブレイズが熱いバトルをくり広げている。しなやかなムチと鋭利な剣が激しくぶつかり合い、それぞれの後ろで少年と少女が懸命に声を張り上げていた。
浮かべる表情はみんな笑顔で、アンブリオも自然と頬が緩む。
陽の光を浴びるロゥも、金属の食器を使うマツリも、自分のことを話すアークも、両目を出しているアビリルタも、もうすっかり見慣れた。きっと仲間たちもアンブリオの短髪姿に慣れただろう。
カロス。ホウエン。アローラ。ガラル。そしてパルデア。振り返れば随分遠くまで来た。いろんな場所に行って、いろんなものを食べて、いろんなことをして。胸の中は思い出という宝物でいっぱいだ。今日だって本当に楽しくて、何度腹の底から笑っただろう。
……ただ。馴染んだ色が4つ足りない。そのことがアンブリオの心をほんの少し曇らせる。
『ん……』
もぞり、手元の草むらが揺れ、ゆるりとマゼンタの瞳が現れる。レチェフは瞬きしながらゆっくり身を起こして伸びをした。ヒトの姿になってあくびをひとつ零す。
「おはよ!お前ほんとよく寝るなー」
「おはよう。ふふ、なんでだろうね。猫だからかな」
まだ目が開ききっていないレチェフの髪についた葉っぱを取ってやる。
ほんのり緑がかった彼の黒髪はさらさらのつやつやだ。アスーカルたちがどちらの姿も熱心にブラッシングしてくれるお陰だと言っていたけれど、実に羨ましい。ロングヘア時代はミリアム以外に髪を触られることが怖かったし、ゴチム族は被毛を持たない種族だ。俺もミリアムやアークみたいにもふもふだったらルエナにブラッシングしてもらったのになー、と胸の内で呟く。
「俺の弟もさ、前までいつでもどこでもすぐ寝るタイプだったんだよ。懐っかしーなー」
「君にも弟がいるの?」
「おう!ミリアムっていうチラチーノ。超生意気だし憎たらしいけど、すっげー可愛い奴!」
ニッと歯を見せるアンブリオの瞳はどこまでも優しい。きっと自慢の弟なのだろう。
「あ、チラチーノってパルデアにいないからわかんねーか。白くてすべすべでふわっふわなんだ!」
「会ってみたいな。他の子たちはガラルにいるんだっけ」
「うん。イッシュはみんなで出発したんだけど、あいつとあとふたりは入国審査に引っかかっちゃってさ」
「パルデアは規制が厳しいからね。外来種を受け入れすぎると生態系が崩れるって。最近は少しずつ緩和されてきたんだけど」
「そうそう!そんでミリアムとセラは12月に来れることになったんだ!フィーちゃんだけまだ審査降りねーらしいけど、みんなで来れたらいいよな」
弾んだ声のアンブリオにレチェフも口元を綻ばせた。他愛のない話に花を咲かせながらしばし笑い合う。
なんとなく会話が途切れた時、不意にアンブリオの表情が微かに翳った。広場で元気に駆け回る仲間たちを瞳に映し、ぽつりと呟く。
「……これ、内緒だけどさ」
「なに?」
「俺とミリアム、6歳からずっと一緒にいるんだ。だから、こんなに長く離れてるなんてはじめてで……。そりゃ電話とかで毎日やりとりしてるんだけど、なんつーか……やっぱ、あいつが隣にいないと寂しいんだよな」
アンブリオの横顔を無言で見つめる。例え一時でも大切なひとと離れ離れになるのは寂しいのだ。……その別れが永遠なら、悲しみは、寂しさは、どんなに大きいだろう。レチェフはそっと、輪の中で無邪気に笑うロスコデヴィへ視線を向けた。
――ロッコ。ペパー。マフィティフ。バニラ。どうかあの子たちに少しでも心安らぐ瞬間があればいい。ただひたすらに、そう願ってる。
「……って、なんかしんみりさせちゃったな!悪い悪い!」
ぱっと表情を明るくさせたアンブリオにゆったり首を振る。仲間だからこそ、言えないこと、言いにくいこともあるだろう。レチェフはアンブリオが吐露した気持ちをそっと受け止め、穏やかに微笑んだ。
「大好きなんだね、その子のこと」
「おう!もちろん他の仲間も大事で大好きだけど、あいつはまた特別っつーか」
「わかるよ。僕も弟がいるから」
ふたりの間を風が通り抜け、周囲の草むらがさわさわ揺れる。レチェフの視線の先にいるのはロスコデヴィ。その眼差しはマツリがアークに――アンブリオがミリアムに向けるものとよく似ていた。
『あっ!レチェフー!やっと起きた!』
ボールに夢中だったロスコデヴィがこちらに気付き、ぱあっと顔中を輝かせた。ぶんぶん尻尾を揺らしながら駆け寄ってくる。
『あのねあのね、アークってすごいんだよ!ボールがどこに飛んでもパッて取れちゃうんだ!レチェフも一緒に遊ぼ!』
「ふふ、いいよ」
じゃれてくるロスコデヴィの頭を優しく撫でる。
僕の愛しい宝物たち。君たちの笑顔も平穏も誰にも壊させない。守りたいものをすべて守れるように、最強の座に君臨し続けよう。それが僕にできるただひとつ。
だから、どうか、笑って。
ぽーん。突如2時の方角から飛んできたボールをロスコデヴィがぱくりと口で捕まえた。『ごめんね、上手く打ち返せなくてそっちに行っちゃった』と申し訳なさそうに炎を揺らすロゥの背中をクルフカが『ドンマイドンマイ?切り替えてこー?』と明るく叩く。
『おいアンブリオ!いつまで休憩してる、さっさと来い!』
『レチェフくんとロッコちゃんも、いらっしゃいなのですー!』
アークとナティージャに呼ばれ、ロスコデヴィも『はやくはやく』とつついてくる。ふたりは顔を見合わせて頷き合い、再び参戦すべく立ち上がった。ぱたぱたとズボンを払うアンブリオの耳を涼やかな声が撫でる。
「ねえアンブリオ」
「ん?」
「寂しい思いをして待った分だけ、再会の喜びも大きいんじゃないかな」
はっとして大きく目を見開く。――そうだ。長い時間をかけてやっと手に入れたヒウンアイスがとびきりおいしいように、待つのは悪いことばかりじゃない。現に、5番道路で待っていたからこそ、アンブリオはルエナと出会い、ミリアムと一緒に旅に出られたのだ。
「……そっか。そうだな、そうだよな!」
笑顔で頷いたアンブリオにレチェフはやわらかな笑みを返した。ぱちんと指を鳴らすと彼の右手にパッと1輪のネリネが現れる。マゼンタの花びらを持つそれをアンブリオの胸ポケットに挿した。
「Losmejores deseos」
悪戯っぽく微笑んで、ロスコデヴィと共に広場へ歩いていく。残されたアンブリオはしばらく呆然と立ち尽くし、やがてくしゃりと破顔した。
贈られた花をそっと撫で、落とさないようピンで留めた。胸いっぱいに広がるあたたかさにいてもたってもいられず走り出す。
「俺も混ぜろーっ!!」
ミリアムに会えたら何をしよう。思いっきり抱きしめて、頭を撫でて、久々にほっぺにキスをくれてやるのもいいかもしれない。全力で「会いたかったぞ、大好きだぞ」と伝えてやろう。
それからセラフィナやフィーと手を繋いで、いろんな町へ行こう。ふたりが喜びそうなカフェもブティックもたくさん見つけたんだ。
そして、いつか。
宝物をいっぱい抱えて、みんなでイッシュに――ルエナのところに帰ろう。
あー、早く会いてえなあ!!
Fin.
※本文中の「アスーカル」は紫パオリトレ♀、「バニラ」は拙宅オーガポン CP要素なし
紫パ×あしかさん宅2年後黒軍さん交流コラボ
【Nuestro tesoro】
よく晴れた秋の昼下がり。ともっこプラザに楽しげな笑い声が響く。みんなとサッカーに興じていたゴチルゼル――アンブリオはとうとう大の字にひっくり返った。
『だーっ、もう無理!!ちょっと休憩!!』
『フンッ、だらしないな!俺とマツリを見習え!』
『ふたりが体力オバケなだけだろー!』
額の汗を拭いながらアークの野次に軽口を返す。人型になって体を起こすと、クルフカにちょいちょいと袖を引かれた。
『ねーリオちん、休憩ついでにレッちん見ててくれん?あそこで寝てるからボール当たらんようにしたげて?』
彼女が示した方へ目をこらすと、木陰の草むらでマスカーニャが丸くなっていた。先程まで一緒にボールを蹴っていたはずなのに。
「任せろ!つーかいつの間に抜けたんだ?全然気付かなかった」
『あはは、いつもそうなんよ?いないなーって思ったら寝てたり、寝てるなーって思ったらそこにいたり?』
けらけら笑うクルフカは『よろぴ~?』と手を振ってサッカーに混ざっていった。手を振り返して木陰に移動し、レチェフの隣に腰を下ろす。手を後ろにつき、両足はやわらかい草の上に投げ出して、ゆっくり視線を巡らせた。
広場の中心ではアーク、ロスコデヴィ、ナティージャ、クルフカ、ロゥがきゃあきゃあ歓声を上げながらボールを追い回している。
少し離れたテーブルで擬人化したアビリルタとダックワーズとサヴァランが熱心に話し込んでいた。きっと料理の話をしているのだろう。ランチに振舞ってくれたサンドウィッチはどれも本当においしかった。……トレーナーたちがふざけて作ったベーコンタワーサンドウィッチはひどいものだったけれど。
さらに奥ではコジョンドとソウブレイズが熱いバトルをくり広げている。しなやかなムチと鋭利な剣が激しくぶつかり合い、それぞれの後ろで少年と少女が懸命に声を張り上げていた。
浮かべる表情はみんな笑顔で、アンブリオも自然と頬が緩む。
陽の光を浴びるロゥも、金属の食器を使うマツリも、自分のことを話すアークも、両目を出しているアビリルタも、もうすっかり見慣れた。きっと仲間たちもアンブリオの短髪姿に慣れただろう。
カロス。ホウエン。アローラ。ガラル。そしてパルデア。振り返れば随分遠くまで来た。いろんな場所に行って、いろんなものを食べて、いろんなことをして。胸の中は思い出という宝物でいっぱいだ。今日だって本当に楽しくて、何度腹の底から笑っただろう。
……ただ。馴染んだ色が4つ足りない。そのことがアンブリオの心をほんの少し曇らせる。
『ん……』
もぞり、手元の草むらが揺れ、ゆるりとマゼンタの瞳が現れる。レチェフは瞬きしながらゆっくり身を起こして伸びをした。ヒトの姿になってあくびをひとつ零す。
「おはよ!お前ほんとよく寝るなー」
「おはよう。ふふ、なんでだろうね。猫だからかな」
まだ目が開ききっていないレチェフの髪についた葉っぱを取ってやる。
ほんのり緑がかった彼の黒髪はさらさらのつやつやだ。アスーカルたちがどちらの姿も熱心にブラッシングしてくれるお陰だと言っていたけれど、実に羨ましい。ロングヘア時代はミリアム以外に髪を触られることが怖かったし、ゴチム族は被毛を持たない種族だ。俺もミリアムやアークみたいにもふもふだったらルエナにブラッシングしてもらったのになー、と胸の内で呟く。
「俺の弟もさ、前までいつでもどこでもすぐ寝るタイプだったんだよ。懐っかしーなー」
「君にも弟がいるの?」
「おう!ミリアムっていうチラチーノ。超生意気だし憎たらしいけど、すっげー可愛い奴!」
ニッと歯を見せるアンブリオの瞳はどこまでも優しい。きっと自慢の弟なのだろう。
「あ、チラチーノってパルデアにいないからわかんねーか。白くてすべすべでふわっふわなんだ!」
「会ってみたいな。他の子たちはガラルにいるんだっけ」
「うん。イッシュはみんなで出発したんだけど、あいつとあとふたりは入国審査に引っかかっちゃってさ」
「パルデアは規制が厳しいからね。外来種を受け入れすぎると生態系が崩れるって。最近は少しずつ緩和されてきたんだけど」
「そうそう!そんでミリアムとセラは12月に来れることになったんだ!フィーちゃんだけまだ審査降りねーらしいけど、みんなで来れたらいいよな」
弾んだ声のアンブリオにレチェフも口元を綻ばせた。他愛のない話に花を咲かせながらしばし笑い合う。
なんとなく会話が途切れた時、不意にアンブリオの表情が微かに翳った。広場で元気に駆け回る仲間たちを瞳に映し、ぽつりと呟く。
「……これ、内緒だけどさ」
「なに?」
「俺とミリアム、6歳からずっと一緒にいるんだ。だから、こんなに長く離れてるなんてはじめてで……。そりゃ電話とかで毎日やりとりしてるんだけど、なんつーか……やっぱ、あいつが隣にいないと寂しいんだよな」
アンブリオの横顔を無言で見つめる。例え一時でも大切なひとと離れ離れになるのは寂しいのだ。……その別れが永遠なら、悲しみは、寂しさは、どんなに大きいだろう。レチェフはそっと、輪の中で無邪気に笑うロスコデヴィへ視線を向けた。
――ロッコ。ペパー。マフィティフ。バニラ。どうかあの子たちに少しでも心安らぐ瞬間があればいい。ただひたすらに、そう願ってる。
「……って、なんかしんみりさせちゃったな!悪い悪い!」
ぱっと表情を明るくさせたアンブリオにゆったり首を振る。仲間だからこそ、言えないこと、言いにくいこともあるだろう。レチェフはアンブリオが吐露した気持ちをそっと受け止め、穏やかに微笑んだ。
「大好きなんだね、その子のこと」
「おう!もちろん他の仲間も大事で大好きだけど、あいつはまた特別っつーか」
「わかるよ。僕も弟がいるから」
ふたりの間を風が通り抜け、周囲の草むらがさわさわ揺れる。レチェフの視線の先にいるのはロスコデヴィ。その眼差しはマツリがアークに――アンブリオがミリアムに向けるものとよく似ていた。
『あっ!レチェフー!やっと起きた!』
ボールに夢中だったロスコデヴィがこちらに気付き、ぱあっと顔中を輝かせた。ぶんぶん尻尾を揺らしながら駆け寄ってくる。
『あのねあのね、アークってすごいんだよ!ボールがどこに飛んでもパッて取れちゃうんだ!レチェフも一緒に遊ぼ!』
「ふふ、いいよ」
じゃれてくるロスコデヴィの頭を優しく撫でる。
僕の愛しい宝物たち。君たちの笑顔も平穏も誰にも壊させない。守りたいものをすべて守れるように、最強の座に君臨し続けよう。それが僕にできるただひとつ。
だから、どうか、笑って。
ぽーん。突如2時の方角から飛んできたボールをロスコデヴィがぱくりと口で捕まえた。『ごめんね、上手く打ち返せなくてそっちに行っちゃった』と申し訳なさそうに炎を揺らすロゥの背中をクルフカが『ドンマイドンマイ?切り替えてこー?』と明るく叩く。
『おいアンブリオ!いつまで休憩してる、さっさと来い!』
『レチェフくんとロッコちゃんも、いらっしゃいなのですー!』
アークとナティージャに呼ばれ、ロスコデヴィも『はやくはやく』とつついてくる。ふたりは顔を見合わせて頷き合い、再び参戦すべく立ち上がった。ぱたぱたとズボンを払うアンブリオの耳を涼やかな声が撫でる。
「ねえアンブリオ」
「ん?」
「寂しい思いをして待った分だけ、再会の喜びも大きいんじゃないかな」
はっとして大きく目を見開く。――そうだ。長い時間をかけてやっと手に入れたヒウンアイスがとびきりおいしいように、待つのは悪いことばかりじゃない。現に、5番道路で待っていたからこそ、アンブリオはルエナと出会い、ミリアムと一緒に旅に出られたのだ。
「……そっか。そうだな、そうだよな!」
笑顔で頷いたアンブリオにレチェフはやわらかな笑みを返した。ぱちんと指を鳴らすと彼の右手にパッと1輪のネリネが現れる。マゼンタの花びらを持つそれをアンブリオの胸ポケットに挿した。
「Los
悪戯っぽく微笑んで、ロスコデヴィと共に広場へ歩いていく。残されたアンブリオはしばらく呆然と立ち尽くし、やがてくしゃりと破顔した。
贈られた花をそっと撫で、落とさないようピンで留めた。胸いっぱいに広がるあたたかさにいてもたってもいられず走り出す。
「俺も混ぜろーっ!!」
ミリアムに会えたら何をしよう。思いっきり抱きしめて、頭を撫でて、久々にほっぺにキスをくれてやるのもいいかもしれない。全力で「会いたかったぞ、大好きだぞ」と伝えてやろう。
それからセラフィナやフィーと手を繋いで、いろんな町へ行こう。ふたりが喜びそうなカフェもブティックもたくさん見つけたんだ。
そして、いつか。
宝物をいっぱい抱えて、みんなでイッシュに――ルエナのところに帰ろう。
あー、早く会いてえなあ!!
Fin.
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