番外編・SS

ルヒカとウヅとひまわり畑 ほんのり不穏IF
【消えたひまわり】

「ひまわりってでっけェなァ。見ろよダーリン、俺さんより背ェあるぜ」
「常夏のアローラじゃよく育つんだと。ナッシーみてえだよな」
「だなァ。うし、ちょっと探検してくらァ」
「いいけど迷子になるなよ」
「ギャヒヒ、だァれが」

 毒々しいまでの鮮やかな色彩をまとった背中が徐々に遠くなる。なんてひまわりが似合わないんだろう、と思わず笑ってしまう。サマーニットの一部を占める目に痛い原色の黄色が特に浮いていた。しかしケミカルな色合いの男はお構いなしに、ひまわり畑のまんなかをずんずん進んでいく。
 太陽と同じ名を持つ花が真夏の陽射しを受け、やわらかな光を放っている。確か、この花によく似たポケモンがジョウトにいたはずだ。アローラに住み着いたらナッシーのように大きくなるのだろうかと思考を巡らせかけ、はたと気づく。

 いない。ついさっきまで目の届くところにいたウヅが見当たらない。端が見えないひまわり畑を隅々まで見渡す。いない。いない。もう一度目を凝らす。見つからないわけがない。見つけられないはずがない。蜂蜜色の瞳をいっぱいに見開くけれど、普段うるさいくらい存在を主張する見慣れた色たちはどこにもなかった。

「……ウヅ?」

 ぽつりと零れた音をちょうど吹き付けた涼風が攫っていく。背中を滑り落ちた汗がやけに冷たかった。

To be continued……?



普段元気でやかましくて生命力強そうなひとがふとした瞬間に音もなく消えてしまうのっていいよね、というだけ。ヤマなしオチなし。でもルヒカはちゃんと見つけてくれそう。

ひまわり畑で行方不明になりそうなメンツ
ウヅ、インディゴ、楢介、ソリス、三都美、レチェフ、ペコ
レチェフは桜に攫われそうだし夕焼け空に溶けそうだし銀世界にかき消えそう。ちゃんと連れ戻してくれる仲間がいるのでノープロブレム。
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