想いの言葉



「可愛いね」
その嘘は他の子にも言ってたわ


「君が一番さ」
ほらまた嘘


「愛してる」
その嘘はもう聞き飽きたわ


「世界で一番綺麗だよ」
息を吐くように嘘をつくのね


「君の手料理が一番美味しい」
嘘よ
ならなぜ外食するの?


「君とまた二人でお出かけできて嬉しいよ」
公園にいるだけなのに嬉しいの?
嘘でしょう?


「君の事をもっと知りたいな」

私の言ったことすぐ忘れるくせに


「君の笑顔は僕を笑顔にしてくれる」
嘘ね
ならなぜ笑わないの?


「君とずっと居られて幸せだった」
嘘つき
じゃあ置いてかないでよ
私も連れてって




本当はね
あなたのその言葉
全部全部嬉しかったの
でも私は意地っ張りで疑り深くて
あなたを困らせてばかりだったわ


ありがとう
こんな私と一緒に居てくれて
私もいつかそっちに行くから
そしたら今度こそちゃんと素直に言うわ



「あなたのこと心の底から愛してます」



fin
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