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ミトス編


 名も知らぬ銀河で生まれ、全てを喰らった。
 太陽も、月も、惑星も、命や神々も。
 皆等しく喰い尽くし、最後に残った銀河をも喰らった後。
 『私』が芽生えた。
 八百万の神の力を吸収した私は、あらゆる銀河を転々とする。
 私のことを知る者が、『星一つの生命体を一人で生み出せる』という意味から『星神』と呼んだ。
 星神アストルム――それがいつしか、私の名となった。
 私は満たされなかった。
 常に何かが欠けていた。
 だから他のものを喰らい、自分のものとした。
 それでも、足りなかった。
 何が正解で。
 何を間違えたのかも。
 私には、分からない。
 だから『彼女』に助言を求めた。
 【はじまりの銀河】を生み出したものに。

「答えを知りたいなら、答えを生み出す存在を創ればいいのです」

 傍らに三つの使者を携えた『彼女』は語る。

「そしていつの日か、貴方は私に『答え』を伝えるべく、ここへ舞い戻ることでしょう」

 『彼女』には、森羅万象、過去現在未来――全てが視えていた。
 私が『答え』を得ることを。
 奴が、『希望』を持ってくることを。
 そう。全てを。


「貴方の『子』はきっと、私の予言を超えるでしょう」

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